世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


4月 20, 2016

Thomas Sterling:「なぜ我々はOpenHPCに参加するのか」

HPCwire Japan

Tiffany Trader

インディアナ大学エクストリーム・スケール技術研究センター(CREST)は、2015年11月12日の開設以来、OpenHPCコミュニティ活動の一部となっている。OpenHPCとの最近のQ&Aの中で、CRESTのアソシエート・ディレクターでチーフサイエンティストのThomas Sterling教授はこのパートナーシップの基礎について説明している。

Don Beckerと共同開発したBeowulfクラスタの父として、Sterling教授はコミュニティ全体が関与する特異なパワーを経験してきた。かれは同様の可能性をOpenHPCに見ている。

私がBeowulfプロジェクトをやっていた時に、全くの偶然ですがスーパーコンピューティングの分野において、コモディティ・クラスタ用のLinuxオペレーティング・システムの使用を始めることとなりました。何も素晴らしいことや目覚ましいことはしていませんが、イーサネット・ドライバで絶望的なギャップを埋めたのです。我々はローコストを求めていたのでそうしたのです。そしてまた、DARPAが資金提供したBerkeleyソフトウェア・スタックはAT&Tから訴訟を起こされていました。当時、私と私のチームはNASAにサポートされており、科学クラスタ計算において私達が実験のために持っていたであろうBSDをNASAは使うことを許してくれませんでした。それでその頃、良い種類のハッカーや、その時すでにLinusの活動からのフロッピーディスクの山で遊んでいたDon Beckerのような人達に関連する人と接することで、必要な貢献をすれば我々の目標を達成できるのではないかと考えるようになったのです。なので、現在スーパーコンピューティングを支配し、世界のスーパーコンピュータの95%以上が多くのLinuxのディストリビューションのひとつを動かしているLinuxに我々は貢献したのです。

重要なのは、誰も(個人でも小グループでも)文字通りの全く新しいクラスのスーパーコンピューティングを作ることができなかったことです。しかし、国中のそして世界中の多くの人々が一緒にできました。私達自身を新興のフレームワークと関連づけることで、他の事に興味を持つ多くの異なる人々の仕事から利益を得る事ができますが、足場インタフェースの統一されているガイダンスに従って、我々は低コストにエンドユーザのためのHPCという目標を達成することができたのです。

もし、私はあえて「もし」と言いますが、OpenHPCが正しく行うことができれば、そのフレームワークを提供することになるでしょう。そして、CRESTは、他の人々が恩恵を得る事ができる、積極的な貢献者になれます。もしくは、もし彼らが我々の貢献無しに前に進みたいと思うなら、彼らはそのように選択する事もできます。しかし、理想的にはランタイム・システムにおける我々の取り組みは他の人々の取り組みを補完するのです。

我々は、アーキテクチャ、オペレーティング・システム、ランタイム・システム、プログラミング・インタフェースのための動的適応型実行作業を作る方法を決定することにフォーカスしています。概念的な取り組みや実験作業以上に我々の主要な貢献はHPX-5ランタイム・システムの展開です。そのために我々はOpenHPCに参加したいのです。

ここで重要なことは、侵入すること無しに他と統合するための機会なのです。我々はウィンウィンの機会を探しているのです。

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