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7月 26, 2016

富士通とジョルダン、列車遅延情報で機械学習を試験

HPCwire Japan

George Leopold

世界で最も先進的な鉄道網のひとつを誇る日本では、乗客に最新の経路探索情報を提供できるように彼らが呼ぶ「列車遅延」機能を追加するために、人工知能と機械学習技術的アプローチの利用を調査している。

富士通株式会社は、カリフォルニアのメンローパークにあるパートナーであるSRIインターナショナル社が開発した遅延時間予測エンジンを日本において実地試験を開始した。この実地試験はまた約1千万の月額ユーザを持つパートナーのジョルダン社が開発した経路探索アプリを活用する。

この遅延時間エンジンは過去の列車遅延情報を学習していると、このパートナーは述べている。列車遅延のアップデートはクラウドサービスとして提供される。この新機能は試験期間中に。乗換案内と呼ばれるジョルダンのアプリに追加されると、述べている。

試作機は過去の鉄道運行データから学習し、正確な予測を行うために、乗換案内の利用者から投稿された列車遅延情報と組み合わせるようにできている。そうすることで、遅延予測は現在の鉄道運行データと利用者の通知に基づくリアルタイムの乗換検索結果として表示されるのだ。

ジョルダンのアンドロイドベースのアプリは当初は通勤客に、公共交通機関の異なる形式毎に遅延による予測、料金および推定旅行時間を提供するように設計されていた。このサービスは主要鉄道路線が事故や災害によって混乱した際に頻繁に利用され、通勤客にバスや他の鉄道路線などの代替経路を見れるようにしている。

この実地試験期間中に、この乗換案内サービス用の機械学習ツールと一緒にそのAI技術を使って列車遅延時間を予測すると富士通は述べている。

この日本における実地試験の結果に基いて、遅延時間エンジンの予測精度を向上することを期待していると富士通は述べている。最終的には、時間遅延予測エンジンを組み込んだ「Spatiowl」と呼ばれる新しいサービスを日本などで展開する事を期待していると同社は述べている。

このサービスは、列車や軌道のセンサーから収集される列車速度や位置などの大量の移動情報を活用する。集積されたセンサーデータを利用した機械学習に基づく列車遅延予測の精度を向上しようとする試みの中で、これらのデータはZinraiと呼ばれる富士通のAI技術と組み合わされるのだ。このZinrai AIプラットフォームは、ナレッジ処理、センシングと認識、意思決定支援ばかりでなく、この分野に展開する技術を可能にする機械学習技術にフォーカスしている。

この日本の実地試験は7月19日火曜日に開始され、9月末まで行われる。「鉄道運行における経験が不足していても、富士通は公共乗換関連事業の事業者に、過去の遅延情報からの学習による利用者の経路選択を支援する情報を提供し、そしてこの実地試験の中でその効果を検証したかったのです。」と同社は声明で述べている。

*この記事の原文はHPCwireの姉妹メディアであるDatanamiの記事です。