世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々



  1. Facebook

  2. Twitter


12月 15, 2016

米国、エクサスケールのゴールを2021年に

HPCwire Japan

Tiffany Trader

20161212-shutterstock_abstract_tech_speed_light

SC16において、米国エクサスケール・コンピューティング・プロジェクトのディレクターであるPaul Messinaは米国におけるエクサスケール到達のタイムラインが早くなることを示唆していたが、正式にMessina博士より米国がエクサスケールのタイムラインを1年早くしたことを確認した。

更新された計画においても、米国は今後7年間で少なくとも2台のエクサスケール・マシンを予定している。このうち1台については当初の予定通り、2022年に出荷、2023年に検収の予定のままとなっている。しかし、もう1台については2021年出荷、2022年検収の予定と今はなっている。さらにDOEの計画としては最初のマシンは新アーキテクチャを採用する予定だ。

プロジェクトの期間も当初の10年計画(2016年から2025年)から現在の7年計画(2016年中頃から2023年中頃)に変更となっている。当初の期間では(少なくとも2台の)システムの納入後3年間のアプリケーションおよびソフトウェアのチューニング期間が設けられていた。これらの作業は現在、プロジェクトの最終年に開始される予定であり、それ以降も継続される予定だが、それはECPの下ではない。

中国、日本およびEUが野心的なエクサスケール・コンピューティングのタイムラインを推し進めたことで、米国が非常に重要な国家競争力が必要な分野において、最先端を維持できるかどうか懐疑的な人もいた。2002年に日本が地球シミュレータでTOP500スーパーコンピューティングリストにおいて実質的なリードを掴んだ際に、米国は優位を再び取り戻す目覚ましを呼び起こしたのだ。2013年以降、中国は第一位を誇りにしており、米国には同様に堅牢な対抗馬が存在しない。新しいエクサスケールのスケジュールが成功するのに必要な資金提供とマッチするならば、米国は科学的、技術的、軍事的なリーダーシップを進める上でのより良いポジションに立つことができるだろう。

「もちろん、10年間ではなく7年間にすることは何かを変えなくてはなりません。」とMessinaは述べている。まず第一に、締結されたタイムラインはコストが伴い、物事を早くするのにさらにお金が掛るコストと、目標とする20-30MWの電力制限を達成するのに1年少なくなるための電力コストの両方が掛るのだ。

そして、プロジェクト活動にも影響がある。「アプリケーション・チーム、コザデイン・センター、そしてソフトウェア技術の取り組みは1年早く準備しなくてはなりませんので、挑戦になりますが、できると信じています。」とMessinaは述べている。「新アーキテクチャの側面は有望な新しいアイデアや製品(ビルディング・ブロック)が動けるように物事をオープンにしようとすることを意味しており、そのタイムフレームの中でエクサスケール・システムとして位置づけることができるオプションがあると信じています。しかし、1年差し引きするメリットは2台のシステムを同時に扱わなくてよくなることなのです。」

この場合、新アーキテクチャというのは量子コンピューティングや外来的な何かを意味するものではない。DOEは非常に大規模なスケールで信頼性高く組み上げることができるものを要望している。以前のデザイン・フォワードやファースト・フォワードのようなパスフォワード・プログラムは、エクストリームスケール・コンピューティングに必要とされる技術パイプラインを開発するために作られたのだ。

「パスフォワード・プロジェクトでベンダーが提案しているものは新しいアイデアを持っています。」とMessinaは述べている。「非常に有望と見られる新しいプロセッサ・アーキテクチャがあります。ひとつは2,3年以内にこのプロセッサ・アーキテクチャを搭載した非常に大規模なシステムが登場すると予測されています。現在普及しているアクセラレータとは異なる設計のアクセラレータがあるかもしれません。また、我々がメリットがあると考えるインターコネクトの新しいアイデアもあり、新アーキテクチャはこれらの組み合わせとなるでしょう。」

DOEは7月に14のパスフォワードの提案を受理し、8月に評価を行った。6個の提案が採択された。DOEがRFPを出した際に、最も魅力的なものを選ぶことができるように、異なる作業パッケージを提案するようにベンダーに要望していた。6つのベンダーが評価で合格したが、DOEはすべての作業パッケージでなく、その一部にのみ資金提供する計画である。

提案された様々な作業パッケージの混成とマッチングのために、DOEはそれぞれのベンダーと作業の詳細記述を作成している。ベンダーへの資金提供契約はすでに承認されており、DOEは2017年1月に6社のベンダーを契約を行うだろうとMessinaは述べている。

パスフォワード・プログラムは両方のECPシステムの設計について通知予定であるが、DOEは特に2021年目標のシステムに関する有望な技術オプションを作成する目的で近い将来、同様のRFPを開始する予定である。

ここで取り上げることは、米国が次の大きな1,000倍性能の壁に確実に到達するだろうということだが、どれくらい早く起きるかはどれくらい投資するかに掛かっている。FY18の予算が発表されるまで、この資金提供があるかどうかは不明だ。