世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 23, 2014

日本、2020年のエクサスケール計画に進む

HPCwire Japan

Tiffany Trader

最初のエクサスケール・スーパーコンピュータを構築する競争の中で、いくつかの国が2020年を運命を左右する年であるとみなしている。この期限まで後6年であるが、エクサスケールへの努力が新たな緊急性であると予測することができる。エクサスケールの栄光を追及している経済圏のひとつである日本はこのゴールに少し近づいたようだ。12月26日、日本の文部科学省は2020年までにエクサスケール・スーパーコンピュータを開発するとして理化学研究所を選択した。

科学的な分野の多様な領域の進歩を追及するためにスーパーコンピュータを利用している日本の大規模研究機関である理研は、日本を計算科学技術における最先端に維持するのが仕事だ。

「エクサスケール・スーパーコンピューティングは、高解像なシミュレーションを可能とし、創薬、気象予報や宇宙物理学のような広範囲の領域において進歩を提供すると期待されている。」と、12月26日発表の記事で文部科学省は述べている。

理研は、2011年に世界の最速コンピュータとしてランクされた日本における現在の最大の京コンピュータを開発、運用している経験を基に、この有力なプロジェクトに選ばれた。10.51ペタフロップスの性能で、このシステムはいまだ強力なTOP500の競争手であり現在4位のマシンだ。エクサスケールになるには、京コンピュータの100倍高速で、現在TOP500の記録保持者でありLINPACKベンチマークで33.86ペタフロップスを達成している中国の天河-2スーパーコンピュータの30倍になる必要がある。

「理化学研究所計算科学研究機構(AICS)は現在2つの重要なミッションがあります。」と理化学研究所計算科学研究機構(AICS)の機構長である平尾公彦氏は述べる。「有効な研究成果を導き出す目的で一般利用のために京コンピュータの管理運用を継続することと、2020年までに完了予定のエクサスケール・スーパーコンピュータの後継開発です。新しいプロジェクトを起動して、我々は世界中のそして日本の同僚からの支援を要請しています。これは科学とテクノロジー、そして民間にとっても大きな利益となるでしょう。」

アメリカ、中国、日本、そしてEUのような国々はエクサスケールの障壁を最初に打ち破りたいと願う一方、科学技術の促進にはまた、協力、共有とある程度の公開性を必要とする。SC13において、アメリカと日本は、科学的、エンジニアリング的コミュニティにおいてペタスケール・コンピューティングの利用を拡大することにフォーカスする新たなパートナーシップを締結する合意書(MOU)に調印した。実証に加えて、まだ多くのペタスケールレベルの作業が行わなければならない。このイニシアティブは、科学的進歩の追及におけるグローバルな協力の重要性を反映している。前進するにつれて、エクサスケールにフォーカスしている国々が協力の利点と競争する活動をどのようにバランスするのか興味深い。