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5月 2, 2014

オフラインストレージのためのBlu-ray – テープはどうか?

HPCwire Japan

Tiffany Trader

先週、Spectra Logicの暫定CMO、Bruce Kornfeldは、重要な問題を提起した:「商用データストレージアプリケーションの要求を消費者向け技術は満足できますか? 」

Kornfieldの投稿は、Facebookが最近公開した単一筐体内に約10,000ディスクで1Petabyteのデータを記憶することが可能なプロトタイプのBlu-ray光ディスクライブラリによって動機づけられた。そのアプローチは、商用データストレージアプリケーションのために配備された最新の消費者向け技術の例である。

Facebookのような企業にとって、写真やビデオのバックアップのような滅多にアクセスされない膨大な数のファイルを格納する必要があり、消費電力やデータセンターの床面積は主要な検討事項である。このシナリオでは、光ディスクやテープカートリッジのような中間状態にある媒体は、有力な選択肢である。従来のディスクアレイとは異なり、これらのソリューションは、アイドル時の電力を殆ど必要とせず、媒体コストは、ディスクのコストよりもGB単位でかなり低い。彼がそのニュースを破った時、Facebookの基盤エンジニアリング担当副社長のJay Parikhは、新しいストレージシステムはFacebookの現在のHDDコールドシステムの半分くらいのコストであり、ちょうど5分の1の電力使用であると述べた。

Kornfieldは、Facebookが標準的な商用グレードのディスクストレージと比較したことを奇妙だと気づいたが、社会メディア企業はそのスケーラビリティと費用対効果だけでなく「提供される商用データストレージ環境の中で長い道程を歩んで来た実績が証明された。」ことで知られる長期ストレージソリューションのテープストレージを同等に検討することを無視していた。

Spectraの担当者は、テープが最も費用対効果の高い選択肢であることを指摘する。「ロボットとドライブのコストを除くと、100GigabyteのBlu-rayディスクを使用する正味の媒体コストはGigabyte当たり約0.41ドルになるように算定されています。」とKornfieldは言い、その数値は、Gigabyteあたりちょうど0.02ドルのコストとなりLTOテープストレージシステムより数倍高いことを付け加える。

彼は、消費者グレードの技術が高稼働周期のデータストレージアプリケーションの要求に耐えることができるかどうかをさらに疑問を抱く。

「過去20年間で商用データストレージ業界は、CD-ROM、追記型CD、​​追記型DVD、4mm DAT(デジタルオーディオテープ)、8mmビデオテープ、およびVHSビデオテープを含む複数の消費者向け技術を商業化しようとしましたが、その結果はまちまちです。」とKornfieldは指摘する。

「消費者向け技術は、大量に概して低コストな記憶媒体を提供します。これらの技術の『低コスト』の強みはまた、商用データストレージアプリケーションに必要なデバイスの堅牢性とデータの信頼性を欠いているように、それらの崩壊をもたらしました。加えて、消費者向けドライブおよびメディアは、単に極めて長続きしません。Blu-rayディスクドライブのロードメカニズムは、おそらく数千程度のロード/アンロード周期にはいいでしょう。この25万ロ​​ード/アンロード周期が評価の仕様となっているLTOテープドライブと比較します。見ての通り – 耐久性での違いが相当あります!」

Facebookの幹部は、光学メディアは50年の耐久性の価値を提供すると言うが、プロトタイプのストレージソリューションで使用される100GigabyteのBlu-rayディスクは、数年前から単に存在する。50年認定は、50年間の実時間をエミュレートすることを仮定した加速的経年技術に基づいている。しかし、少なくともある技術ブロガーが指摘するように、理論と実践は常に同じことを意味するものではない。

補足のブログの中で、Kornfieldは下記のグラフに示されているように、Blu-rayシステムに対するLTOテープライブラリソリューションの総合的な比較を用意する。

20140213-S1-1

2番目のグラフは、ExabyteサイズのBlu-rayディスクソリューションとExabyteサイズのLTOテープライブラリの必要なラック数(床面積)と総媒体コストを見ている:

20140213-S1-2

この分析は、いくつかの仮定が含まれる。含まれているのは:

  • 必要なシートメタル、電源、ファン、ロボットのコストは、テープとBlu-rayの間でほぼ等しいと仮定した。
  • 媒体コストは、おおよそ最低のオンライン価格を見つけるためにインターネット調査に基づいている。
  • ドライブコストは、価格がソースと全体像に依存して変動し、媒体コストによって小さくされているため、そのコストは含まれていない。

「この分析は正確ではありませんが、上に述べた仮定はテープが長期間にわたってデータを格納するための利点を持った媒体であることが極めて明確です。」とKornfieldは書いている。「もし、Facebookが独自のラックを構築し、100GBの媒体価格を50GBの媒体コストに近い価格で交渉すると仮定しても – そのポイントは同じままであり – テープは、コスト、性能、および床面積で重要な優位性を提供します。データが一定の電力を必要としない媒体に格納されているため、消費電力で見る限り、テープとBlu-rayはほぼ同じです。 」

通常の戦略ごとに、Facebookは、この時、光ストレージシステムのひとつの段階を展開し、それが証明されるまでに完全商用運用に移行していない。VPのParikhによると、最初のサイトはすでに稼働し、30Petabyteのデータを保存している。同社はすぐに、次のサイトを実装することを計画し、数ヶ月以内にコールドストレージ内に150 Petabyteのデータを有していると予想される。フルサイズの施設は、3 Exabyteのストレージ空間を保持することが出来る。