世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


4月 7, 2015

Micron、Conveyを買収しHPCへの意志を明らかに

HPCwire Japan

Tiffany Trader

もしあなたがHPCのプレーヤーとして名声を確立することを望むなら、何か自分自身で技術を開発するか、もしくは確立したHPC企業を買収するかだ。4月1日、高度なメモリ製造メーカーであるMicronが、深いHPCのルーツで広く知られており、そしてハイブリッドコア・コンピューティングを提供する実績を持ったConvey Computer Corp.を買収することで、後者の道筋を行くこととなったのだ。

この取引の金銭的条件は機密であるが、Conveyの共同創業者兼CEOのBruce Toalは、当日早くにHPCwireに語った会話の中で、この速報のハイレベルでの詳細の一部を教えてくれた。

Toalは、新しいメモリ能力でアプリケーション性能を向上させる相互利益と、共有された顧客の上に形作られた関係の構図を示した。Conveyは1年ほど前にMicronおよび共通の顧客と共に作業を開始しており、Micronのハイブリッド・メモリ・キューブ(HMC)を採用するアクセラレータを設計している。以前にはこの製品は発売されていないが、ConveyとMicronはSC14でプレビューしており、発表は今後になる可能性が高そうだ。

自称メモリの愛好家であるToalは、開発されている多くのシナジーはメモリ帯域幅に遡ることができると言っている。「私達はメモリバンドに対して情熱を持っているのです。」彼は自分自身とConveyの社員に語っている。「最終的につまるところ、”十分なメモリ帯域幅を開発できるか?”ということになるわけですが、私達はMicronの新しい仲間達と性能に対するある種の情熱を共有できると思っています。」

「関心があるのは、このメッセージが届く多くの共通のお客様の周りで、いかに我々が結びつき、物事を正に合体させるかなのです。なので私達の観点では、それは本当に自然なフィットだったのです。」

Toalはこれらの顧客の名前を開示する自由は持っていなかったが、シナジーの共通する領域は、Converyが従来提供してきた、すなわちハイパースケール分野と官公庁セクターに見られると彼は述べている。

この2つの企業の本当の違いは、規模である。Converyはテキサス州リチャードストンに本社を持つ、社員が50名にも満たない小規模の民間企業である。Crunchbaseは彼らの年間売上高を1千万から2千万ドルとしている。Micronはアイダホ州ボイジーに拠点を置くアメリカの多国籍企業で、世界最大のメモリメーカーのひとつであり、企業のスペクトルのもう一方を占めている。従業員として30,000人のスタッフを抱え、市場規模は約320億ドルの時価総額を持っている。

それでも、ToalとConveyの共同創業者であるSteve Wallachのような同胞の人々はこのような大胆な移行に慣れていない訳ではないのだ。ToalとWallachが2007年にConveyを設立する前に、彼らはもう一つのHPC企業の経営陣であった。80年代および90年代にベクトル型スーパーコンピュータを開発したConvex Computer Corporationがそれだ。そしてConvexは1995年にHPに買収された。Toalは半分冗談交じりに、MicronはHPのような巨人ではまだないので、おそらくまだ小規模ビジネスの精神を少しは持っている、と語っている。彼はさらに、この企業でまだ2日目だからねと付け加えた。

Conveyはリコンフィギュラブル・コンピューティングをHPCのメインストリームに持ってくるというWallacheとToalのビジョンを表していた。彼らはConvexのチームメイトを採用し、そしてConveyは生まれたのだ。(Convex+1の式を使って)センターポイント・ベンチャーズ、インターウェスト・パートナーズそしてRhoベンチャーズと並んで、インテル・キャピタルとザイリンクス社も主要な投資家であった。この会社は4回の資金調達で合計5千8百60万ドルを調達していた。この買収の機密性と「IRの自粛期間」のため、これらの投資家がどうしたかについてはMicronが明らかにすることはできなかった。

しかし、Conveyのブランドはこの買収の一部であることを我々は知っており、少なくとも現時点においては、ブランドを変える計画はないようだ。これは買収の背後にある理由付に適合している:MicronにHPCの認識と考え方をもたらすことだ。ToalはMicron内のConveyグループ最高幹部として残り、そしてSteve WallachはすでにLinkedinのプロフィールを新しいタイトルである、Micronのエンジニアリング・ディレクターに変更している。

「私共がConveyを買収したのは、彼らの専門知識とこの領域において彼らが持つ歴史のためです。」この会話に参加していたMicron Technlogyのストラテジック・マーケティング・コミュニケーションのマネージャであるSusan Plattは観察している。「私達はそのことについて本当に興奮しており、この組織においてBruceが高いレベルの仕事をすることを私は確信しています。」

Converyの残りもチームもまた一緒に移ったが、予測できる未来においてはテキサス州リチャードストンに事務所を保持するだろうとToalは見ている。組織的にはConveyのチームは、Micronの組込みソリューションの副社長であるTom Ebyが率いるコンピュート&ネットワーキング・ビジネスユニットのサブグループである高度コンピューティング・ソリューション事業部に統合される世予定だ。

この高度コンピューティング・ソリューショングループは、この6月にインテルでの31年間の勤務の後にMicronに入社したStephen Pawlowskiによって管理される。このグループが演算性能を提供するという同じ情熱を共有するように、大きなシナジーが埋まっているとToalは考えている。

もちろん顧客や投資家は、彼らが先に進むプロダクト・ロードマップを信じていいのかどうかを知りたいだろう。Micronが彼らの販売組織の中にConveyの製品を統合する計画のことだ。PCIe Express用アクセラレータのWolverineラインだけでな、グラフ解析領域を狙ったConvey HC-2システムを含む製品セットのことだ。先週発表したXilinx FPGA用のOpenPOWER CAPI開発キットに関する仕事もまた前進していく予定だ。

Micronの販売フローに製品を移行するには約90日程度かかるであろうとToalは言う。これが短いと思うなら、すでにパートナーはしばらく一緒に働いてきているし、Conveyは決まった製品ラインとロードマップをすでに持っていることを考えてもらいたい。エンジニアリングやセールスのチームに製品を紹介するのは田園地域の努力あってはならない。この3カ月は必要なものを一緒にし、販売組織を教育することに使われるでだろう。このロードマップをMicronの戦略に揃えていくこともあるだろうが、販売を開始できる箱に入った製品をすでに持っているのだ。