世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 23, 2015

IBM、ワトソンとIoTを結合

HPCwire Japan

George Leopold

IBMは、クラウドプラットフォームをあと押しするために、モノのインターネット(IoT)と「ワトソン認知コンピューティング技術」との組み合わせを追求すると述べた。同社はまた、「ワトソンIoTハブ」をドイツに設立し、そこではとりわけIBMクラウド上で「ワトソンAPI」を提供するための新たな取り組みを推進すると発表した。

IBM(NYSE:IBM)は火曜日(12月15日)に、ミュンヘンに「ワトソンIoTセンター」を設立すると発表し、このイニシアチブはこの二十年で欧州での最大の投資となると述べた。同社はまた、米国、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカの八箇所に「IoTクライアント・エクスペリエンスセンター」を設置すると発表した。

ミュンヘンのハブは、新興のIoTを構成することが予想される数十億のデバイスやセンサーと認知コンピューティングとを融合させる事を目指すデータ科学者やプログラマーのための実験室として役立つであろう。約1,000人もの開発者や研究者が、研究センターで働くことになる。

これらの努力の成果の一つとして、「ワトソン認知コンピューティングAPI」がIBMクラウド経由でIoT開発者に向けて利用可能となる事が挙げられる。センサデータがデジタル化されるに伴い、データのボリュームと種類が飛躍的に増大する。その成長に対応するために「ワトソン技術」を活用することに焦点は当てられている。目標は、新しい認知IoTアプリケーションが開発され、テストされるような状況で、クラウドベースのIoTプラットフォームを介して、チップとデバイスメーカーにこれらのAPIを利用できているようにすることだ、と同社は述べた。

「ワトソンベースAPI」は、クラウド上で、自然言語処理、機械学習、ビデオ・画像分析およびテキスト分析向けに利用可能になる、とIBMは述べている。

「ワトソンIoT」の取り組みは、これまで分析対象とならなかった、IoTによって生成されるデータの推定90パーセントを処理対象にすることを目標としている。 IBMは、「ワトソン」を企業がこのリアルタイムデータを役立て、過去の関連データセットや蓄積された深い知識と比較・照合し、予想外の相関関係を見つけ出し、新たな洞察を生み出すためのひとつの方法として位置づけている。「ワトソンIoTイニシアチブ」の発表の際にそのように述べている。

データのボリュームは増大し、データの発生源が指数関数的に拡大するような時に、IBMは 「スケールで学ぶ」として宣伝されている認知コンピューティング・システムにより、従来のプログラム方式のコンピュータや分析プラットフォームが置き換えられる事に賭けている。 IoTネットワークにより発生する新しいデータの80%が物理的な世界についての非構造化データとなる。 IBMは、リアルタイムの非構造化データを計算処理するためのより柔軟なコンピューティング・プラットフォームとして「ワトソン」を推進している。

「ワトソンIoTハブイニシアチブ」は、今年初めにIBMが発表した「IoT技術」に30億ドル以上を投資するという声明に、引き続くものである。「ミュンヘンIoT研究センター」に加えて、同社はまた、東京、北京、ベーブリンゲン/ドイツ、サンパウロ/ブラジルに海外の「IoTサービスセンター」を設立し、米センターは、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州、テキサス州に設置される、と述べた。

ET_LOGO_w_tagline3 この記事はEnterpriseTechの記事を翻訳したものです。