新HPCの歩み(第270回)-2008年(i)-
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スコットランドのEdinburgh大学は2月にCray社と6年間に£113Mの契約を結び、HECToRと命名されるスーパーコンピュータ設備を同大学に設置することとなった。8月、曙光信息産業有限公司(Sugon)が中国で初めて100 TFlops超の性能を持つスーパーコンピューター曙光5000の開発に成功したことを伝えた。 |
ヨーロッパの政府関係の動き
1) ヨーロッパ連合(PRACE)
ヨーロッパのPRACE (the Partnership for Advanced Computing in Europe)は、2004年からEUの支援により準備が進められ、2008年に準備フェーズがスタートした。最初のメンバー国は21か国であった。PRACEは、2008年6月18日、ISC2008 (Dresden)において、BoFを主催し、意見を求めた。(PRACE Timeline 2008/6)
2010年4月23日に正式発足する。本部はベルギーのBrusselsに置かれ、ベルギー法上の国際NPO (association internationale sans but lucrative - aisbl)である。
2) DEISA 2.0
2008年5月21日、DEISA (Distributed European Infrastructure for Supercomputing Applications)はPhase 2に入ったと発表した。このDEISA2は、EUのFP7 (Framework Programme 7)により3年間の予算が確保されている。DEISAはアメリカのTeraGridと同様に、地域ごとのスーパーコンピュータセンターを接続し、研究者コミュニティにHPC資源を提供する。Wolfgang Gentzschはこう述べている。「ヨーロッパにおいて、DEISAは11のHPCセンターを結び、一つのHPCイニシアチブを進めている。センターは、グリッド技術によって巨大なヨーロッパのHPCエコシステムを構成し、UNICOREグリッドミドルウェアによってアクセス可能である。」
この日の発表は、PRACEとの関係についてこう述べている。「PRACEプロジェクトとの協力は戦略的に重要である。PRACEはヨーロッパのTier-0(第1階層)をなす限られた数の先端的スーパーコンピュータを設置する計画であり、すぐ利用できる環境をつくろうとしている。われわれのTier-1(第2階層)センターと新しいTiere-0センターは、大きなエコシステムとして統合される。」(HPCwire 2008/5/21)
3) ECMWF
2008年1月7日、IBMとECMWF (ヨーロッパ中期予報センター、the European Centre for Medium-Range Weather Forecasts、所在地はイギリスのReading)とは、HPCF (the High Performance Computing Facility)をIBM Power6 クラスタに置き換える契約を2007年12月20日に結んだと発表した。ピーク性能は145 TFlops。2011年には将来のPOWERシステムに置き換える。(ECMWF News 2008/1) 2008年6月のTop500には、Power 575, p6 4.7 GHz、8320コアでRmax=80.3、Rpeak=156.4 TFlopsの1台が登場している。2008年11月には、2台登場し,コア数が8320と8288で、いずれもRmax=90.3、Rpeak=156.4/155.8 TFlopsで、22位tieとなっている。8288コアの方のマシンは設置場所がIBM/ECMWFとあるので、まだIBMの工場にあったのかもしれない。2009年6月では、2台とも8320コア、Rmax=115.9、Rpeak=156.4 TFlopsで25位tieにランクされている。Rmaxが増えたのはチューニングが進んだためであろう。
4) Forschungszentrum Jülich
ドイツ西部のNordrhein-Westfalen州にある Forschungszentrum Jülich (Jülich Research Centre)は、Helmholtz協会を構成する研究センターの一つであり、ドイツのスーパーコンピュータセンターの役割を果たしてきた。2007年秋に65536コアのBlue Gene/Pを導入し、JUGENEと命名した。2007年11月のTop500ではRmax=167.3、Rpeak=222.8 TFlopsで2位を占めた。2008年2月22日に、開所式があり、Jürgen Rüttgers州首相が正式なオープンを宣言した。コンピュータルームには、2004年に設置したJUMP (eServer pSeries 690, 1.7 GHz Power4+)と2006年に設置したJUBL (eServer Blue Gene Solution)があり、3台が計算サービスを行う。(CORDIS 2008/3/2)(Wikipedia:JUGENE)
5) University of Edinburgh
英国スコットランドのUniversity of Edinburghは2007年2月22日にCray社と6年間に£113M(£1=\235として265億円)の契約を結び、HECToR (High-End Computing Terascale Resource)と命名されるスーパーコンピュータ設備を同大学のAdvanced Computing Facility (ACF)に設置することとした。その第1弾として、2007年にCray XT4を設置した。これは2.8 GHzのdual-core Opteronを搭載したCray XT4で11328コアであり、2007年11月のTop500では、Rmax=54.648, Rpeak=63.4368 TFlopsで17位にランクされている。2008年1月14日、盛大な披露式が行われた(Edinburgh Guide 2008/1/14) (HPCwire 2008/1/14)。HECToRの一部として、Cray社はCray Centre of Excellenceを設立し、現在および将来のCray HPCプラットフォームを提供する。ヨーロッパで最初のCray COEとなる。
6月、Cray X2(コード名Black Widow、ベクトル演算器)のブレード数枚をXT4システムに付加した。これは世界初の公式X2である。今後、60個のXT4キャビネットすべてにX2ブレードを挿入する。(HPCwire 2008/6/26)
今後の計画として、Cray XT5hにアップグレードし、2009年には次世代のCray MPPを導入する予定とのことであった。実際には、2009年11月のTop500では、2.3 GHz quad-core Opteronで22656コアのXT4にアップグレードし、Rmax=174.083、 Rpeak=208.435 TFlopsで20位、2010年6月のTop500では、2.1 GHzで12コアOpteronで43660コアのXT6にアップグレードし、Rmax=274.7、Rpeak=366.744 TFlopsで16位にランクされている。どういう事情かわからないが、2011年6月のTop500では、Cray XE6に変わり、2.1 GHz 12コアのOpteronで44376コア(微増)、Rmax=279.6、Rpeak372.8 TFlopsで24位となっている。2011年11月にはphase 3というようだが、2.30 GHzで16コアのOpteron 6276で総コア数90112のCray XE6にアップグレードし、Rmax=660.243、Rpeak=829.03 TFlopsで24位となっている。2015年6月のTop500では105位である。その後運用を停止したもようである。HECToRでは結局ベクトルオプションX2はTop500には登場していない。
6) スペイン(Magerit増強)
マドリードのCeSViMaとMageritは同じキャンパス内の新しいビルに移転した。これとともにシステムを増強し、相互接続のスイッチを交換し、ストレージシステムを増強し、ブレードの一部を新版に更新した。2008年11月のTop500では、BladeCenter JS20 Cluster, PPC 970, 2.2 GHzで、コア数2744、Rmax=15.96 TFlops、Rpeak=24.15 TFlopsで335位にランクしている。
7) アイルランド
The Irish Centre for High-End Computing(2005年設立)は、2008年にStokes (SGI Altix ICE 8200EX, Xeon quad core 2.80 GHz)を導入した。コア数2560、Rmax=25.11 TFlops、Rpeak=28.672 TFlopsで、2008年11月のTop500では118位にランクしている。
8) ブルガリア
2008年9月9日、ブルガリア政府は、国の情報通信省の建物内にブルガリアで初めてのスーパーコンピュータセンター“National Center for Supercomputing Applications”を設立した。設置したのはIBMのBlue Gene/Pで、2008年11月のTop500では、コア数8192、Rmax=23.4 TFlops、Rpeak=27.9 TFlopsで、127位tieにランクしている。Sofia地域の科学者や研究者が利用する予定である。Sofia News Agencyに載った設立式典の記事をみると、テープカットの前に経済相が首相の持ち上げたリボンの下をくぐっている。
9) Moscow State University(Blue Gene/P)
2008年1月24日、ロシアのMoscow State Universityは、2ラックのBlue Gene/Pを購入することを発表した。the Department of Computational Mathematics and Cyberneticsに設置される。運用開始は4月を予定している。(HPCwire 2008/1/24)(WebWire 2008/1/26) (Univeristy World News 2008/2/3) 2008年11月のTop500では、Rmax=23.4, Rpeak=27.85 TFlopsで127位tie(5件)となっている。ちなみに、5件の中にはBulgarian State Agency for Information Technology and Communications (SAITC)などもある。
10) Top50 Supercomputers in Russia
ロシア版Top500が話題になった。第9回だそうで、これまでは知らなかった。今回のTop50は、ロシアの国内会議“Scientific service on the Internet: Large-scale problems’ solution”で発表された。システム数ではT-Platforms社が18システムでトップであり、次はHewlettt-Packard社の11システム、IBM社の8システムである。リストのpetaリンク先は読めないが、ロシア語だそうである。(insideHPC 2008/9/30) ロシア語版Wikipedia参照。
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中国の動き
1) 曙光5000
2008年8月28日、新華社は天津市の曙光信息産業有限公司(Sugon)が中国で初めて100 TFlops超の性能を持つスーパーコンピューター曙光5000 (Dawning 5000)の開発に成功したことを伝えた。(Record China 2008/8/30) (チャイナネット 2008/8/29)(Xinhua News Agenccy 2008/6/26) 写真はScience Portal Chinaから。上海スーパーコンピュータセンターで稼動するDawning 5000A(愛称「魔方」 Magic Cube)は、2008年11月のTop500において、Rmax=180.6、Rpeak=233.472 TFlopsで11位にランクされた。10位までは全部アメリカであり、アジア1位は中国に持って行かれた。CPUは1.9 GHzのquad-core Opteronで、総コア数は20720、相互接続はInfinband DDRである。同センターには、2004年6月以来、2.2 GHz Opteronを搭載したDawning 4000Aが設置されていた。
「中国上海」によれば、これより前の7月17日、上海スーパーコンピュータセンターは、AMD社と上海で共同技術実験室を設立した。「新実験室はスーパーコンピュータの新型運用、マルチプロセッサ技術、高機能コンピュータソフトウェアなどの面で研究開発をし、国内スーパーコンピューター産業の発展を推進することを目指している。」とのことである。今後ともAMDのCPUを使う予定である。
2) Lenovo (DeepComp 7000)
中国科学院(Chinese Academy of Science)計算机網路信息中心(Computer Network Information Center)に設置されたLenovo社のDeepComp 7000は、3 GHz/2.93 GHzのquad-core Xeonのクラスタで、12216コアである。2008年11月のTop500では、Rmax=102.8、Rpeak=146.0で20位にランクしている。
ちなみにLenovo社は、同センターにDeepComp 6800(Itanium2, 1.3 GHz, QsNet)を設置している。2003年11月のTop500では、Rmax=4.183、Rpeak=5.324 Tflopsで14位であった。
3) ShenWei SW-2
申威(SunwayまたはShenWei)は、中国の無錫(Wuxi)にある江南計算技術研究所(Jiāngnán Computing Lab)が開発しているCPUのシリーズである。独自の命令セットアーキテクチャを採用している(採用自主命令集)と主張しているが、DEC Alphaの影響を受けていると見られる。
2006年に開発したSunway SW-1はシングルコアで900 MHzで動作した。
2008年、第2世代のSunway SW-2は、130 nmプロセスで製造され、dual-coreで1400 MHzで動作する。
本格的なのは2010年の第3世代Sunway SW-3 (SW1600)で、Alpha 21164をベースにしており、16コアでピーク140.8 GFlops(@1.1 GHz)である。2011年に完成した済南のSunway BlueLight(神威藍光)は、中国独自のCPUで初めてピーク1 PFlopsに達した。
4) 龍芯
2007年12月に、中国科学技術大学が中国初の国産CPU「龍芯2F」を用いたスーパーコンピュータを開発したことは述べた。2008年8月24日~26日にカリフォルニア州Stanford大学で開催されたHot Chips会議において、中国科学院は次世代スーパーコンピュータにも採用が予定されている中国が独自に開発中のCPU「龍芯3 号」(1~1.2 GHz)を公開した(中国の電子情報通信 2009/6/25、p.29)。これを受け、中国科学院・計算技術研究所の徐志偉・副所長は同11 月30 日、2008 年中に4 コア、2009 年には8 コアバージョンを完成させ、大量生産を開始する考えを表明した。
2008 年10 月7 日付の新華社電は、曙光情報産業有限公司の歴軍・総裁が、中国が独自に開発した「龍芯4 号」を用いて2010 年に1000 TFlops のスーパーコンピュータ「曙光6000」を完成させる方針を明らかにしたと報じた。歴軍・総裁は、今後の国産の「龍芯」がコンピュータの主役となり、技術上の障害はなくなるとの考えを示したうえで、「曙光6000」は高性能だけではなく、超高密度、超低価格、超省エネ、超汎用といった特徴を持つと述べた。
中国高性能計算機標準工作委員会は2008 年5 月9 日、IBM などの海外の大手メーカーに対抗するため、中国高性能計算機産業連盟の発足を公表している。スーパーコンピュータの基準制定や産業化を推進するのが目的で、発足時点ではインテルやAMD、曙光、レノボといったメーカーのほか、中国科学院計算技術研究所、北京気象局などが参加している。
5) China HPC Top100
7回目となるChina HPC Top100 2008が発表された。10位までを記す。性能の単位はTFlopsである。Top500は2008年11月のTop500での順位を示す。
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順位 |
Top500 |
設置場所 |
製造 |
機種 |
Cores |
Rmax |
Rpeak |
|
1 |
11 |
上海超級計算中心 |
曙光 |
魔方/曙光5000A/1920×4 AMD QC Barcelona 1.9GHz/DDR Infiniband/WCCS+Linux |
30720 |
180.6 |
233.472 |
|
2 |
20 |
中国科学院超級計算中心 |
聯想 |
深腾7000/ BladeCenter HS21XM/X3950 Intel Xeon Quad-Core E5450 3.0GHz/ 2.93GHz Infiniband DDR |
12216 |
102.8 |
145.97 |
|
? |
93 |
Telecomm. Company |
HP |
Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon E54xx 2.33 GHz, GigEthernet |
5584 |
27.7 |
52.0 |
|
3 |
122 |
中石油四川石油物探公司 |
IBM |
BladeCenter HS21 Cluster/630×2 Intel Xeon E5430 Quad Core 2.66GHz/Giga-E |
5040 |
24.67 |
53.6256 |
|
4 |
|
中国地震局工程力学研究所(北京) |
HP |
Cluster Platform 3000 BL460c/ 384×2 Intel Xeon E5430 Quad Core 2.66GHz/ Infiniband 20Gb/s |
3072 |
23.272 |
32.68608 |
|
? |
144 |
石油会社 |
IBM |
BladeCenter HS21 Cluster, Xeon QC 2.66 GHz, GigEthernet |
4464 |
22.1 |
47.6 |
|
5 |
|
中石油大慶物探公司 |
IBM |
BladeCenter HS21 Cluster/ 516×2 Intel Xeon E5430 Quad Core 2.66GHz/Giga-E |
4128 |
21.12644 |
43.92192 |
|
6 |
|
湘南 |
宝徳 |
PowerScale 8000/512x Intel Harpertown Xeon Quad Core 3.0GHz(X5450)/Infiniband |
2048 |
20.41 |
24.576 |
|
7 |
|
江蘇 |
宝徳 |
PowerScale 8000/568xIntel Tigerton Xeon Quad Core 2.93GHz(X7350)/Infiniband DDR 4X |
2272 |
19.97 |
26.627 |
|
8 |
220 |
中石化勝利油田分公司 物探研究院 地球物理研究所 |
IBM |
IBM BladeCenter HS21 Cluster, Intel Xeon 51xx(Woodcrest) dual core 2.33 GHz/Giga-E |
4096 |
18.6 |
38.2239 |
|
9 |
|
中石油東方地球物理公司 |
IBM |
BladeCenter HS21 Cluster/ 506×2 Intel Xeon Quad Core 2.33GHz/Giga-E |
4048 |
18.14686 |
37.72736 |
|
10 |
249 |
電信公司(北京) |
HP |
Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 54xx 2.66 GHz/Giga-E |
3096 |
17.68 |
32.94144 |
インドの動き
1) PARAM Yuva
インドのC-DAC (the Centre for Development of Advanced Computing)は、1991年のPARAM 8000から始めて、PARAMシリーズの並列計算機を開発してきたが、2008年11月にPARAM Yuvaを開発した。Yuvaはサンスクリット語で若者を意味するそうである。CPUは2.93 GHzのIntel Xeon X7350 (quad-core)で、総コア数は4608である。相互接続網は独自のPARAMnet 3である(Top500 リストではInfiniband DDR 4xとある)。2008年11月のTop500 で、Rmax=37.8、Rpeak=54.0058で69位である。チューニングにより、2009年11月からはRmax=38.1 TFlopsに増大している。
ちなみにインドの1位は、2008年6月のTop500で9位のEKA (TATA SONS)である。
世界の学界の動き
1) HPL
2008年9月日、Linpack性能評価のための自働チューニングソフトHPLのVer. 2.0が、予告の通りTennessee大学から公開された。(UTK News 2008/9/11) (HPCwire 2008/9/23) Ver.1は2000年に公開されている。なお、HPLは、任意サイズのLinpack benchmarkであるHPLinpackのC言語によるポータブルな実装である。
2) Anton
コンピュータ科学者のD.E. Shaw博士は、1988年にヘッジファンドであるD.E.Shaw & Co.社を立ち上げ、コンピュータを使った資産運用により大きく成長した。2012年現在、運用資産は$26B(約3兆円)といわれる。
2001年頃、D.E.Shaw博士は、生物学、化学、コンピュータ科学、工学、数学、物理学等の広い分野の研究者を集めてD.E.Shaw Researchを設立し、タンパク質など生体高分子のMD(分子動力学)専用の超並列計算機の開発を始めた。MDGrapeなどとは異なり、汎用プロセッサは使わず計算のすべてをASICで実行する。
2008年のCommunication of ACM 7月号に“Anton, A Special-Purpose Machine for Molecular Dynamics Simulation”を発表した。Antonという名前は、顕微鏡の発明者とされるAnton van Leeuwenhoekにちなんだものである。512ノードの初代Antonは10月に稼働開始した。製造は富士通。Shaw博士はさらに多くのマシンを設置し、大学や非営利研究機関に提供するほか、有料で企業にも提供している。2014年にはより強力なAnton 2を完成させる。
3) 階差機関2号
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1991年に、Babbage生誕200年を記念して、LondonのScience Museumが、階差機関2号を製作したことは書いたが、Microsoft社の技術者で大富豪のNathan Myhrvoldは2台目を製作し、2008年5月10日からカリフォルニア州MountainviewのComputer History Museumで展示した(写真)。2016年、SeattleのIntellectual Ventures社に移され、ロビーに展示されている。
4) Bitcoin
2008年11月1日付けでSatoshi Nakamotoなる著者が“Bitcoin P2P e-cash paper”と題した論文を発表し、P2Pに基づく暗号通貨を提案した。実際の運用開始は2009年1月3日。Satoshi Nakamotoは本名なら日系人と思われるが、正体はわかっていない。「中本」は広島県、とくに呉市に多い苗字である。
5) Ed Oliver死去
1990年代初期に、ORNLのOffice of Laboratory Computingを創立し自らその責任者となったCarl Edward Oliver氏は、2008年7月22日に肝臓がんのため死去した。享年65歳。氏はORNLのあとDOEのASCR (Office of Advanced Scientific Computing Research) で勤務し、副局長を務めている。筆者もいろいろな機会にお会いしている。Gary M. JohnsonがSIAM Newsに追悼文を寄せた。
次は国際会議(その一)。だんだん数も増えているので、筆者が参加した会議や有名な会議などを中心に。招待講演の講演者やテーマに、当時の問題意識がうかがえる。
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