世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


9月 14, 2026

新HPCの歩み(第294回)-2010年(b)-

小柳 義夫 (高度情報科学技術研究機構)

理化学研究所計算科学研究機構が発足し、次世代スーパーコンピュータは「京」と命名された。HPCIコンソーシアム内にHPCI検討委員会を設け今後の運営方針を議論する一方、文部科学省では、HPCI基本仕様検討業務選定委員会を設置しコンソーシアムのグランドデザインに基づき、東京大学情報基盤センターを主幹事業実施機関とするグループに計画をゆだねた。

次世代スーパーコンピュータ開発(続き)

16) HPCIコンソーシアム検討(3月~4月)
2010年3月、文部科学省は、HPCIを「具体化する案を作成するための検討を行うため、ユーザコミュニティの代表者、主要な計算資源保有機関の代表者、有識者等からなるHPCI検討ワーキンググループを設置する。」と発表した。検討事項は、

(1)HPCIのあり方、具体的機能について、
(2)コンソーシアムのあり方について、

であった。委員は以下の通り。

青木 慎也

筑波大学数理物質科学研究科教授

安達 淳

国立情報学研究所学術基盤推進部長

宇川 彰

筑波大学副学長

加藤 千幸

東京大学生産技術研究所教授

小林 広明

東北大学サイバーサイエンスセンター長

関口 智嗣

産業技術総合研究所情報技術研究部門長

善甫 康成

法政大学情報科学部教授

高田 章

旭硝子株式会社特任研究員

常行 真司

東京大学大学院理学系研究科教授

土居 範久

中央大学理工学部教授

平尾 公彦

理化学研究所特任顧問

藤井 孝藏

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部教授

福山 淳

京都大学大学院工学研究科教授

宮野 悟 

東京大学医科学研究所教授

米澤 明憲

東京大学情報基盤センター長

渡邉 國彦

海洋研究開発機構地球シミュレータセンター長

 

3回の会議が公開で開催された。

 

日付

主要議題

第1回

2010年4月1日

(1) HPCIの構築について

配付資料)(議事要旨

第2回

2010年4月15日

(1) HPCIの構築について

配付資料)(議事要旨

第3回

2010年4月21日

(1) HPCIの構築について

配付資料)(議事要旨

 

第1回会議では、文部科学省から中川副大臣、後藤大臣政務官、坂田事務次官、磯田研究振興局長、倉持大臣官房審議官(研究振興局担当)、舟橋情報課長、飯澤学術基盤整備室長、井上計算科学技術推進室長、中井計算科学技術推進室長補佐の面々が出席し、冒頭、中川副大臣が挨拶した。

3回とも、各委員からHPCIの構想が語られ、議論された。上記の配付資料には、委員からのプレゼンの資料が収録されており興味深い。

17) HPCI意見募集(5/1~5/18)
広く一般の意見を聞くために、5月1日~18日に意見募集が行われた。あわせて、HPCIの構築に向けた意見交換会が、5月11日にヴィアーレ大阪 ヴィアーレホールにおいて、5月14日に学術総合センター 一橋記念講堂で開催された。後者では、土居範久、平尾公彦、善甫康成、藤井孝蔵、金田千穂子、高木周、高橋桂子、建部修見、松古栄夫、倉持隆雄によるパネル討論が行われた。

同ワーキンググループでは2010年5月に検討結果を取りまとめ、「HPCIとこの構築を主導するコンソーシアムのグランドデザイン」(2010年5月26日)として公表した。12ページの文書で目次は以下の通りである。

1.コンソーシアムが目指すもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の在り方・3

3.HPCIの具体的機能と性能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

4.コンソーシアムの在り方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

5.コンソーシアムとHPCIのイメージ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

6.具体的なコンソーシアム参画機関(想定)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

7.コンソーシアム参画要件・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

8.コンソーシアム準備段階の進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

9.コンソーシアム準備段階の検討課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

10.コンソーシアム構築スケジュール(目安)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

11.コンソーシアム構築に当たり今後の検討が望まれる事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

 

18) HPCI準備段階コンソーシアム (7/1)
翌27日からHPCIコンソーシアム構成機関の公募を開始し、6月7日にユーザコミュニティの登録開始し、6月9日に登録の一次締め切りを行った。

2010年7月1日には、38機関が集まり、「準備段階HPCIコンソーシアム」が発足した。コンソーシアムの組織は、計算資源提供機関とユーザコミュニティ機関から構成される。計算資源提供機関は、HPCIに計算資源を提供する意志を有し、計算資源の共同利用の実績がある(もしくは共同利用体制の整った)機関であり、ユーザコミュニティ機関はHPCI上の計算資源を利用する研究者が相当程度属するユーザコミュニティの中核として活動実績を有する機関である。コンソーシアム発足にあたり、コンソーシアム本格運営段階に向け必要な検討を行う委員会を設け、所属機関の利益に囚われず検討を行い得る者から構成する。当該委員会の開催等、コンソーシアム準備段階におけるコンソーシアムの運営を円滑に行うため事務局を置く。(HPCIの中核となる次世代スパコンの運用に責任を持ち、研究開発機能も併せ持つ拠点として設置が検討されている計算科学研究機構(仮称)が有力な候補)との方針が出された。7月28日にHPCIコンソーシアム準備段階構成機関が発表された。7月29日、HPCIの構築を主導するコンソーシアム(準備段階)会合が開かれ、運営方針、組織構成(10人委員会、メンバー、幹事 )、意思決定方式などが検討された。

文部科学省情報課は2010年8月6日、「HPCIコンソーシアム運営事務」委託業務の企画案を8月27日締め切りで公募した。仕様書も公開されている。審査の結果、理化学研究所計算科学研究機構が受託した。

 
   

19) 計算科学研究機構の設立(7/1)
計算機棟は2008年3月21日に、研究棟は2009年1月19日に着工したが、2010年5月31日に全施設が竣工した。(写真は大林組のページから)手前のモニュメントはそろばん玉17個で、1(100)の位から京(1016)の位までを示す。最上の金色の逆三角錐の上には北東(丑寅)の方を向いたオブジェが置かれている。富岳の時代でも変わっていない。

理化学研究所は次世代スーパーコンピュータの愛称を4月12日から5月28日まで公募を行った。

2010年7月1日、理化学研究所は計算科学研究機構(AICS, Advanced Institute for Computational Science)を設立した。理化学研究所特任顧問であった平尾公彦が初代機構長となった。2月3日には建設中の施設を公開したが、7月16日、完成後初めて報道陣に公開した。(四国新聞 2010/7/16

20) 愛称「京」(7/1)
同時に、次世代スーパーコンピュータの愛称を公募により「京(けい)」と決定したと発表した。英語名は“K computer”とあったが、英語通に言わせれば“The K Computer”の方が正しいであろう。「京」は、1016を意味する数詞であると同時に、「出入り口がアーチ型の城門の形」「都をその門で守ったので京は都の意味となり、“大きい”の意味となる」(白川静『常用字解』)とのことである。「ペタスケールの世界への入り口である」との説明もなされた。宇宙航空関係者の意見では、「宇宙関係ではひらがなの愛称をつけている。そうでないと中国のものと間違えられやすい。」とのことであった。2011年に中国に行って気づいたことであるが、現代中国語では億を超える数詞は一般的でなく、1京回の計算は「億億次計算」などと呼ぶ(「億」の簡体字は「亿」(人偏に乙))。1 PFlopsは「毎秒一千万億次計算」ということになる。講演の時にジョークのつもりで「なんなら日本の京という数詞を逆輸出してあげてもいいんだけど」と(英語で)言ったら聴衆は複雑な顔をしていた。

一般から応募された1529件の候補としてどんな名前が提案されたかはわからないが、2チャンネルでは仕分けにちなんで「ren4」などという名前が大人気であった。発表によると有効応募数は1927件、1529件は同名重複を除いての数である。「京」は7名の方から応募があった。選考委員会の名簿も公表されている。委員長は、山根一眞氏(ノンフィクション作家、獨協大学経済学部特任教授)であった。

21) CPUの省電力性能(7/8)
これまで秘密であったわけではないが、富士通は開発している「京」コンピュータのCPUについて、特に省電力性能について発表した。2010年7月9日付けの日本経済新聞 電子版によると、回路から漏れる電流を減らすように工夫したほか、演算に使わない一部回路の電源を切る仕組みを採用するなどして、演算性能が従来の3倍でありながら、消費電力を半分(平均58 W)に抑えたと強調している。それでも次世代スパコン「京」の消費電力は空調設備を含めて30 MWとなると述べている(実際はその半分であった)。(日本経済新聞 2010/7/9

22) 技術諮問委員会(8/18)
8月18日には、第4回の次世代スーパーコンピュータ技術諮問委員会を、完成した計算科学研究機構の研究棟において開催した。ハードウェアの開発状況、ソフトウェアの開発状況、ファイルシステムの性能評価、アプリケーションチューニングの進捗状況などについて議論した。

23) 計算科学研究機構の体制
正確な記録は見つからなかったが、計算科学研究機構設立準備室が設置されたのは2009年頃と思われる。設立準備室の構成は2009年7月25日に北陸先端科学技術大学院大学の東京サテライトオフィスで開催された、計算物質科学連絡会議幹事会第14回での、文部科学省の井上愉一スーパーコンピュータ整備推進室長のプレゼン資料に記載されている。これによると、平尾公彦設立準備室長の下に、アドバイザリー委員会とサーチ委員会が置かれている。サーチ委員会は、理化学研究所のjargonで、研究員の人材発掘、公募、採用審査などを行う組織である。筆者は2010年5月に、平尾公彦室長からそのサーチ委員会の委員長を委嘱された。メンバーは、茅幸二、矢川元基、小林敏雄、塚田捷、宇川彰、米澤明憲であった。

 
   

計算科学研究機構では、コンピュータ科学や計算科学に関するいくつかの研究チームを設置する計画であった。サーチ委員会の任務は、そのチームリーダの公募・選考であった。2010年度は、計算科学分野からは量子系計算科学研究、連続系計算科学研究、複合系計算科学研究、計算機科学分野からは高性能システムソフトウエア、高性能プログラミング環境の計5分野から、各1名のチームリーダー(教授クラス)を選ぶ計画で、サーチ委員会は6月その計画を承認した。提出書類は日本語または英語ということで、国際的に人材を発掘する計画であった。1チームの構成は、研究員、ポスドク、事務補助などを含め6~7名である。将来的には20チームの構成を計画していた。7月1日の計算科学研究機構の設立に伴い、サーチ委員会もその下部機関となった。

手元の記録によると、2010年8月30日に理研東京連絡事務所で、一日をかけて最終面接セミナーを行った。 

24) HPCIコンソーシアム準備(10月~)
筆者は準備段階コンソーシアムの運営には関与していなかったので情報が不完全であるが、第1回HPCI検討総会が、2010年10月8日に国立情報学研究所12階会議室において公開で開催され、HPCIコンソーシアムの今後の検討の進め方について、運営規定、検討事項、概算要求、その他について議論した。その後、12月3日締め切りでHPCI検討にあたってのアンケート調査が行われた。議事概要配布資料が公開されている。第2回HPCI検討総会は2011年3月30日である。

コンソーシアム発足にあたり、コンソーシアム本格運営段階に向け必要な検討を行う委員会を設け、所属機関の利益に囚われず検討を行い得る者から構成することになっていたが、準備段階コンソーシアム内にHPCI検討委員会を設けた。メンバーは以下の通り。

委員長:宇川 彰

筑波大学 副学長

副委員長:高田 章

スーパーコンピューティング技術産業応用協議会運営小委員会 委員長

副委員長:米澤 明憲

理化学研究所計算科学研究機構 副機構長

秋山 泰

東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻 教授

加藤 千幸

東京大学生産技術研究所 教授

小林 広明

東北大学サイバーサイエンス センター長

関口 智嗣

産業技術総合研究所情報技術研究部門長

常行 真司

東京大学物性研究所 教授

中島 浩

京都大学学術情報メディアセンター長

平尾 公彦

理化学研究所計算科学研究機構長

藤井 孝藏

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 教授

渡邉 國彦

海洋研究開発機構地球シミュレータセンター長

 

HPCI検討委員会は2011年3月まで8回の会議を開いた。以下、「第2回HPCI検討総会議事資料」から。

 

日付、場所

主要議題

第1回

2010年11月2日

(1)HPCI検討委員会運営規程について

(2)HPCI検討委員会での検討について

第2回

2010年11月9日

(1)革新的ハイパボーマンス・コンピューティング・インフラの具体化に向けて

(2)ワーキンググループの設置

第3回

2010年11月24日、理化学研究所東京連絡事務所

(1) 革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの具体化に向けて

(2) HPCIコンソーシアムの具体化に向けて

(3) WGの構成員と検討事項

第4回

2010年12月3日、産業技術総合研究所 秋葉原支所

(1) HPC人材育成について(小柳が人材育成について報告)

(2) 革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの具体化に向けて

(3) 京の運用方式について

(4) HPCIコンソーシアムの具体化に向けて

第5回

2010年12月22日

(1)HPCIとその構築を主導するコンソーシアムの具体化に向けて

(2)京の運用方式について

(3)登録機関について

(4)各WGの活動状況について

第6回

2011年1月24日

(1)登録機関について

(2)各WGの活動状況について

第7回

2011年2月15日

(1)課題選定体制WGの設置について

(2)利用促進業務のあり方について

(3)HPCIシステムの基本仕様について

(4)産業利用促進検討WGの検討状況について

第8回

2011年3月24日

(1)中間報告書の取りまとめについて

(2)今後のスケジュール

 

WGとしては、(1)システム整備検討WG、(2)産業利用促進検討WG、(3)課題選定体制WGの3つのWGの3つのWGを委員会の下に設け、大きな課題に対する集中的な議論が行われた。

 (a) システム整備検討WG
 同WGは2010年11月24日に設置され、メンバーは以下の通り。

代表:米沢 明憲

東京大学大学院情報理工学系研究科教授

秋山 泰

東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻教授

小林 広明

東北大学サイバーサイエンスセンター長

関口 智嗣

産業技術総合研究所情報科学技術部門長

青柳 睦

九州大学情報基板研究開発センター長

安達 淳

国立情報学研究所学術基板推進部長

佐藤 三久

筑波大学計算科学研究センター長

石川 裕

東京大学情報基板センター長

 

4回の会議が開かれた。

第1回

2010年12月10日

(1)HPCIシステムイメージ(案)

第2回

2010年12月17日

(1)ネットワーク系利用環境について

(2)ストレージの規模について

(3)システム整備における検討課題について

第3回

2011年1月19日

(1)京速コンピュータ「京」の周辺機器構成について

(2)e-サイエンスの可視システムについて

(3)大規模データのプリポスト処理の現状と展望について

第4回

2011年3月9日

(1)HPCI検討委員会への報告について

 

 (b) 産業利用促進検討WG
 同WGは2010年11月24日に設置され、メンバーは以下の通り。

代表:高田 章

スーパーコンピューティング技術産業応用協議会運営小委員会委員長

善甫 康成

法政大学教授

藤井 孝蔵

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授

加藤 千幸

東京大学生産技術研究所教授

伊藤 聡

株式会社東芝研究開発センター機能材料ラボラトリー研究主幹

志水 隆一

バイオグリッドセンター関西理事

福田 正大

計算科学振興財団チーフコーディネーター

 

5回の会議が開かれた。

第1回

2010年11月24日

(1)京コンピュータおよびHPCIの産業利用に関する検討課題

第2回

2010年12月3日

(1)HPCI検討委員会、WGのスケジュール案

(2)産業利用促進の全体方針に関する議論

(3)産業利用促進の検討課題の整理

第3回

2010年12月16日

(1)検討課題の具体化について(第5回HPCI検討委員会での報告に向けて)

第4回

2011年1月19日(システム・産業合同WG)

(5)京速コンピュータ「京」の周辺機器構成について

(6)r-サイエンスの可視システムについて

(7)大規模データのプリポスト処理の現状と展望について

第5回

2011年2月9日

(1)TSUBAMEの産業利用について

(2)セキュリティーポリシーとオプションの考え方

(3)課金/成果の帰属/公開非公開の方針

(4)NDAおよび契約書の方針

(5)知財権と成果の取り扱い

 

(c) 課題選定体制WG
 同WGは2011年2月3日に設置され、メンバーは以下の通り。

代表:藤井 孝蔵

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授

平尾 公彦

理化学研究所計算科学研究機構長

常行 真司

東京大学物性研究所教授

中島 浩

京都大学学術メディアセンター長

 

2回の会議が開かれた。

第1回

2011年2月10日

(1)課題選定に係る枠組みについて

第2回

2011年3月1日

(1)課題選定に係る枠組みについて

 

25) HPCIの基本仕様に関する調査検討(11月~)
他方、文部科学省では、HPCI基本仕様検討業務選定委員会を設置し、「HPCIの基本仕様に関する調査検討」委託業務を2010年11月9日開始、12月10日締め切りで公募した。選定委員会は3名の外部有識者から構成されており、筆者もメンバーに任命された。趣旨は、HPCIの構築費、必要な各種の課題について、コンソーシアムのグランドデザインに基づき、HPCI利用者の幅広い意見を踏まえながら検討を進めるためであり、具体的な委託業務の内容としては

(1) HPCI上のスパコンの連携利用に関する機能
(2) ストレージに関する機能
(3) HPCI上で共用されていない官・民の計算資源との連携を可能とする拡張性を有すること
(4) 将来的に我が国の計算資源の状況やユーザニーズに応じ柔軟に機能を変化しうる拡張性を有すること
(5) HPCI上のスパコンの連携等のために必要なミドルウェアについては次世代スパコン計画において開発したNAREGIミドルウェアの成果に留意したものとすること

を指定している。

委託先としては、大学、独立行政法人、企業、その他本業務の実施に必要な専門的な知識と経験を有し、文部科学省と委託契約を締結することができる国内の機関(法人格を有するものに限る)に所属する者から成るチームを対象としている。

企画提案の応募は、東京大学情報基盤センターを主幹事業実施機関とし、8大学のセンターと理研AICSを協力機関とする1件だけであった。書類審査および12月17日のヒアリング審査を経て、この提案が採用された。

26) HPCI計画推進委員会(8/10)
2010年8月10日に文部科学省は、HPCI計画の推進にあたり国として必要な事項等を検討するため、研究振興局長の諮問会議として、新たにHPCI計画推進委員会を設置した。2009年の仕分けまでは、次世代スーパーコンピュータ戦略委員会が、2008年1月25日~2017年9年3月31日の任期で任命されていたが、これに代わるものである。設置文書にはこう書かれている。

○次世代スーパーコンピュータを中核とする革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(以下、HPCIという)の構築については、ユーザ機関等からなるコンソーシアムの主導で行うこととしている。この、コンソーシアム主導のプロジェクトの推進を有効かつ円滑に行っていくためには国が適切に関与することが必要とされている(HPCIグランドデザイン(平成22年5月文部科学省))。

○平成22年7月28日にコンソーシアム(準備段階)の38機関(ユーザコミュニティ機関13機関、計算資源提供機関25機関)が決定され、今後本格的にコンソーシアムが稼働することに伴い、 HPCI計画の推進にあたり国として必要な事項を検討するとともに、コンソーシアムからの提案等を施策として具体化するに際し、その提案等を適切に評価する「HPCI計画推進委員会」を文部科学省に設置する。

○なお、これにあわせ、国主導で次世代スーパーコンピュータの利活用のあり方を検討するために設置されていた「戦略委員会」を廃止することとする。

 

当初のメンバーは以下の通り。

主査 土居 範久

慶應義塾大学名誉教授

小柳 義夫

工学院大学情報学部長

笠原 博徳

早稲田大学理工学術院教授

関口 和一

日本経済新聞社論説委員兼産業部編集委員

鷹野 景子

お茶の水女子大学副学長

所 眞理雄

ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役会長

土井 美和子

東芝研究開発センター首席技監

根元 義章

情報通信研究機構 耐災害ICT研究センター長

村上 和彰

九州大学大学院システム情報科学研究院教授

矢川 元基

東京大学名誉教授/公益財団法人原子力安全研究協会理事長

 

第1回HPCI計画推進委員会は以下のように開催された。第2回は2011年1月27日。

 

日付

主要な議題

第1回

2010年8月17日

(1)HPCI計画推進委員会について

(2)「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築」の事前評価について

配付資料)(議事要旨

 

次回、「京」の初荷が計算科学研究機構に到着し、その後も出荷が続く。書家の武田双雲先生による「京」のロゴマークも披露された。ポートライナーの「ポートアイランド南」駅が「京コンピュータ前」駅に名称変更された。

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