インフィニバンドが強力な市場シェアを奪取
Nicole Hemsoth
少し以前に、我々は国際スーパーコンピューティング会議にて公開されたTop 500スーパーコンピュータリスト全体でのインターコネクト技術利用状況の内訳を示すいくつかの数字をレポートした。
当然のことながら、Infinibandはリスト中41%のシェアを占め、最も優勢なインターコネクトタイプであること明確に示した。それは、すべてのペタスケールシステム33システムのうち16システムを占め、最も使用されているインターコネコト・グレードであることも示した。
Mellanox社は、Infinibandが先頭を行く今年のシェアの健全性を強調している – 今年のトップ500の結果は、FDR Infinibandのシェアが昨年同時期と対比して3倍以上の伸びがあったことを物語っている。これらのシステムの中には、TACCのStampedeマシンや石油・ガス業界の巨人、Total社のSGI製Top-20スーパーコンピュータ等がある。
その間、Blue Gene、Crayおよびその他のカスタム・インターコネクトのシェアは2007年からほぼ水平状態で推移しており、InfinibandはEthernetと絡み合いながらも緩やかに登っていると、下記のISCで発表されたMellanox社ハイライトのスライドが表している。
効率性ベンチマークで発見されたパフォーマンスに関する面白い話がある。同社のギラッド・シャイナーによると、この性能効率によって少なくともTop 500においては、 “Infinibandを利用して大規模なデータセンターを構築する方がEthernetよりコスト効果がより高い” という。
シャイナーは、Infinibandの効率はおおよそ85%から95%平均であり、Ethernetの効率は大幅に劣っている、と言う。Infinibandと言う文字列は、当初は遥に高価だと見えるかも知れないが、これらの効率性はInfinibandの成長位置の隠された鍵となっている。
シャイナーは、Mellanox社では最近のMicrosoftからのAzureプラットフォームへの採用など、企業ユーザやクラウドデータセンターの顧客でもまた市場シェアの上昇が見られると言う。彼らの求める性能と同様に、95%以上の効率が認められるため、Azureで素早く採用される事が出来た、とシャイナーは言う。
“Top500のリスト上のInfiniBandの効率特性は驚くべきことではない”とIntersect360リサーチのCEO、アディソン・スネルは述べている。”Linpackベンチマークは、インターコネコトのバンド幅にはセンシティブであり、メモリアーキテクチャや並列性などは、阻害要因にはならない。”
この効率性の側面は、Mellanox社が近年強力に強調してきた事柄であるが、ワット当たりの性能に関してはその増加に注意をはらっている。面白い事に彼らは上記グラフ内にGPUも追加し、パフォーマンスの低下要因がインターコネクトではないことを示していて、その非難は正面からGPUに向けられている。
このような落とし穴に対処し、インターコネクトの違いが雌雄を決するか否かが明確となるように開発された技術が現存する。パートナーおよびライバルIntelを含むいくつかの競合他社に対して、彼らはよく協力している一方、IntelはCray AriesインターコネクトやQLogicからの資産を含むいくつかの”古い”技術のへの投資を行っている、とシャイナーは言っている。
彼は、Mellanox社のポジションは技術革新の一つであり、彼らは、最近、光インターコネクト企業IPtronics社を4800万ドルで買収したことでも証明されているように、”新しく興味深い” 資産に目を向けることを強調した。シャイナーは、これと他のR&D活動は、彼らが2014年までに到達したいと考えている100 Gb/sの目標に近づくためだ、と語った。
その障壁に対処することに加えて、シャイナーは、GPU搭載マシンでデータ遅延を削減する機能など、今日のHPCシステムのニーズに対応し、他の技術に先手を打つことで市場シェアのカーブを維持したいと望んでいると述べた。 我々がISC期間中にレポートしたように、Mellanox社は、FDR InfinibandがNVIDIAのGPUDirect RDMA技術をサポートすることを発表した。
この成長にもかかわらず、Mellanox社の成長は、ストレージ・インターコネクト市場を含めた他の場所でおこった嘘であるかのごとく仄めかされた。
” Infinibandのための最良な短期的成長の機会は、システム·インターコネクトのみならず、ストレージ·インターコネクトとしてだけでもなく、採用を獲得し続けることだ。”と、スネルは言う。”我々の最新の調査データによると、HPC市場でのInfiniBandユーザの41%が、2年前は27%であった部分的なストレージ利用から拡張展開し、今日に至っている事を表している。”
スネルは、従来のHPCを超えたビッグデータ市場での高性能インターコネクトの採用が、Infinibandにとってのもう一つの成長機会となるだろう、と続けて強調した。
