世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


9月 23, 2025

新HPCの歩み(第251回)-2007年(d)-

小柳 義夫 (高度情報科学技術研究機構)

SACSISでは「Cellスピードチャレンジ2007」が開催された。数値解析シンポジウムは、2007からは日本応用数理学会との共催となった。SS研HPC ForumではBurton Smithを招待した。PCクラスタコンソーシアムは大阪、九州、東京でセミナーを開催した。

国内会議

1) HPCS 2007
HPCS2007(2007年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム )は、2007年1月17日~18日、つくば国際会議場(EPOCHAL TSUKUBA)で開催された。招待講演は片山伸彦(高エネルギー加速器研究機構)の「素粒子物理学実験における大規模データ処理」であった。

2) Windows HPCコンソーシアム
2006年4月に発足したWindows HPC コンソーシアムは、2007年1月18日、2006年度第1回セミナーを東京駅近くの同志社大学東京オフィスセミナールームで、「PCクラスタの新潮流:パーソナルクラスタ」のテーマで開催した。2月15日には、「Excelが拓くPCクラスタの新世界」と題した2006年度第2回セミナーを東京オフィスで開催した。7年3月14日(水)には東京オフィスにおいて2006年度第3回セミナー「PCクラスタの新潮流:広がるパーソナルクラスタの可能性」を開催した。プログラムは以下の通り。

13:15

「Windows HPC コンソーシアムについて」

廣安知之(同志社大学)

13:30

「次世代のShell: PowerShellのご紹介」

田辺茂也(マイクロソフト)

14:00

「パーソナルクラスタの可能性を広げる Windows Compute Cluster Server 2003」

林憲一(マイクロソフト)

14:30

「流体解析ソフトPHOENICSのWinodows CCSへの移植及び導入事例」

孔祖偉(CHAM社)

15:15

「分散/並列処理による高速化の実現 – 進化する数値計算用ソフトウェアMATLAB -」

児島敦(サイバネットシステム)

15:45

「ClearSpeed社アクセラレータボードを使ったパーソナルTFLOPSシステムの可能性」

有田秀彦(日商エレクトロニクス)

16:15

「Windowsで広がる大規模解析と可視化」

天野康弘(日本SGI)

16:45

質疑応答・閉会

 

2007年6月5日には名古屋のマイクロソフト株式会社 中部支店で、6月7日には東大阪のクリエーションコア東大阪で、6月13日には同志社大学 東京オフィスで、2007年度第1回セミナーが開催された。プログラム(共通)は以下の通り。

13:30

「Windows HPC コンソーシアムについて」

廣安知之(同志社大学)

14:00

「Windows Compute Cluster Server 2003最新情報」

林憲一(マイクロソフト)

14:30

「CCSの事例紹介:ナルックス株式会社での取り組み」

(ナルックス)

15:50

「ソフトウェアクレイドルの製品のご紹介」

黒石浩之(ソフトウェアクレイドル)

16:20

「VT64 Personal Clusterのご紹介」

寺井 稔朗(ヴィジュアルテクノロジー)

16:50

質疑応答・閉会

 

8月29日には、Burton Smith (Microsoft fellow)を招いて、東京オフィスで2007年度第2回セミナーを開催した。

また9月18日には、キャンパスイノベーションセンター東京(港区芝浦)において、Windowsクラスタ講習会を行った。

3) HOKKE 2007
第14回「ハイパフォーマンスコンピューティングとアーキテクチャの評価」 に関する北海道ワークショップ(HOKKE-2007)は、2007年3月1日(木)~3月2日(金)に北海道大学学術交流会館第一会議室及び小講堂で開催された。当時のメールやweb pageには第13回と誤記されている。これは第164回 計算機アーキテクチャ研究会と第109回 ハイパフォーマンスコンピューティング研究会との合同研究会である。懇親会はキリンビール園本館中島公園店で開かれた。

4) PCクラスタコンソーシアム
2001年10月4日に発足したPCクラスタコンソーシアムは2007年中に3回のセミナーを開催した。3月6日には、富士通関西システムラボラトリで「関西ワークショップ - 1日で分かるPCクラスタの現状 -」を開催した。プログラムは以下の通り。

10:00

オープニング

石川 裕 (東大)

11:15

「SCore 入門」

原田浩 (日本HP)

13:00

「PACS-CS と計算科学」

朴泰祐 (筑波大)

13:45

「TSUBAME との一年 — PCクラスタの勝利 —」

松岡聡(東工大)

14:40

パネル討論「クラスタの現状と今後」

司会: 石川裕 (東大)

 

9月13日~14日には、福岡システムLSI総合開発センター内会議室で「PC クラスタワークショップ in 九州」を開催した。プログラムは以下の通り。

9月13日

9:30

石川 裕(東大)

「オープニング、SCore 紹介」

10:00

青山幸也(理研)

「MPI並列プログラミング入門1」

13:00

青山幸也(理研)

「MPI並列プログラミング入門2」

15:30

青山幸也(理研)

「MPI並列プログラミング入門3」

 

9月14日

10:00

石川 裕(東大)

「ごあいさつ」

10:05

姫野 龍太郎(理研)

「次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトとCOEセンター構想」

11:05

原田浩 (日本HP)

「SCore 入門」

11:35

堀 敦史 (Allinea)

「SCore最新動向」

13:15

企業発表

15:45

天野 浩文(九大)

「九州大学情報基盤研究開発センターの PC クラスタ導入」

16:10

青柳 睦(九大)

「PSI プロジェクトの紹介」

17:00

石川 裕(東大)

「クロージング及び次回案内」

17:30

懇親会

 

12月13日~14日には秋葉原コンベンションホールにおいて、第七回PCクラスタシンポジウムが開催された。プログラムは以下の通り。

13日(木) テクニカルセッション

10:00

石川 裕 (東大)

オープニング

10:10

中島 浩(京大)

「T2Kオープンスパコン —設計思想とアーキテクチャ—」

11:00

森下 真一、笠原 雅弘(東大)

“High-throughput biology needs high-performance computing badly”

13:30

原田浩 (日本HP)

「SCore 入門」

14:15

堀 敦史 (Allinea)

「全てに新しい SCore 7 の概要」

15:30

司会:佐藤三久 (筑波大)

パネル討論: 「HPCアプリにとってのPCクラスタの現状と今後」

 

14日(金) 一般セッション

10:00

石川 裕(東大)

「PCクラスタコンソーシアム紹介」

10:15

David S. Scott (Intel)

“Intel products and technology for HPC”

10:45

山野 洋幸(日本AMD)

「AMD の HPC マーケットへの取り組みと最新テクノロジアップデート」

11:15

林 憲一(マイクロソフト)

“Windows HPC Server 2008 で実現する High Productivity Computing”

13:10

本郷 新(三菱プレシジョン)

「並列化による手術シミュレーションの高速化」

13:30

堀 敦史 (Allinea)

「クラスタ用ソフトウェアツール」

13:50

竹内 義晴(日本電気)

「PCクラスタの動向とNECの取組み」

14:10

根本 雅樹(日本HP)

「日本HPのPCクラスタビジネスへの取り組み」

14:30

久門 耕一(富士通研)

「富士通のPCクラスタを中心としたHPCへの取り組み」

15:20

司会:石川 裕(東大)

パネル討論: 「PCクラスタの壁は乗り越えられるか?」

17:00

懇親会

 

5) 広島大学INSAMシンポジウム
広島大学数理シミュレーション科学研究センター(Institute for Simulation and Mathematical Sciences)は、2007年3月7日、広島大学理学部において、第15回INSAMシンポジウムを開催した。プログラムは以下の通り。

10:00-10:10

開催の挨拶

 

大川 正典 (広島大学数理シミュレーション科学研究センター長)

10:10-11:00

基調講演(招待)「固相変態によって生じる微視組織予測と機械部品の特性向上への応用」

岩本 剛 (広島大学大学院工学研究科)

11:10-12:10

一般講演I

 

13:30-14:20

基調講演(招待)「第一原理分子動力学シミュレーション:液体からナノ物質まで」

星野 公三 (広島大学大学院総合科学研究科)

14:30-15:20

基調講演(招待)「シミュレーション科学は学際研究の主役となれるか?−連結階層シミュレーションの試み−」

草野 完也 (海洋研究開発機構地球シミュレータセンター)

15:40-17:40

一般講演II

 

18:00 –

懇親会

 

また、2007年11月17日には、広島大学大学院先端物質科学研究科401N号室において、INSAM シンポジウム2007《実験化学と理論化学の間》を開催した。プログラムは以下の通り。

13:00-13:10

開催の挨拶

大川 正典 (広島大学数理シミュレーション科学研究センター長)

13:10-14:00

基調講演(招待)

『1) 分子エレクトライドの量子化学設計

  2)  弱い分子間相互作用の高精度高効率計算法開発』

岩田 末廣 (広島大学量子生命科学プロジェクト研究センター)

14:00-15:15

一般講演I

 

15:15-15:30

基調講演(招待)

『高エネルギー物質の起爆機構の分子レベルでの解明を目指して(高エネルギー物質の初期反応過程と構造変化) 』

河野 雄次 (横浜国立大学)

16:20 –

一般講演II

 

18:00頃

懇親会

 

6) NEC・HPC研究会
2007年には2回のNEC・HPC研究会を開催した。3月8日に開催した第23回 NEC・HPC研究会「大規模シミュレーション」では以下の講演があった。

基調講演「プラズマシミュレーション科学研究の新しい展開」

須藤滋(核融合研)

「自動車用エンジンのノッキングのモデリングと適用事例の紹介」

高林 徹(本田)

「環境・防災問題への乱流シミュレーションの適用」

田村哲郎(東工大)

「スーパーコンピュータ SX シリーズを用いた自動車関連の流体解析」

稲垣昌英(豊田中研)

「NECのHPC戦略について」

?(日本電気)

 

8月7日に開催された第24回 NEC・HPC研究会「ペタスケール・コンピューティングへの期待」では以下の講演があった。

基調講演「次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトとアプリケーション開発について」

花村 光泰(理研)

「HPCによる生体分子機能解析シミュレーション ~新しいパラダイムの解析に向けて」

中村春木(大阪大、)

「第一原理計算の現状と展望」

大野隆央(物材機構)

「循環系の計算バイオメカニクス」

大島まり(東京大)

「地球シミュレータと高密度地震観測で見る大地震の強い揺れ、首都直下地震」

古村孝志(東京大)

「NECのHPCにおける取り組み」

?(日本電気)

 

7) HAS研
HAS研(HITACHIアカデミックシステム研究会)では、2007年3月9日、大崎ニューシティ3号館において、平成18年度総会および第1回研究会「新時代のIT人材育成の為に大学は何を果たすべきか!」を行った。プログラムは以下の通り。

13:00

平成18年度総会

平成18年度行事報告、平成19年度活動計画

13:30

「 企業の求める情報人材像 」

角 行之(情報処理国際機構)

14:30

「 サイバー大学への期待 」

石田 晴久(日本サイバー教育研究所)

15:40

「 未来のIT人材とその育成 」

中島 秀之(公立はこだて未来大学)

16:40

「 高度IT人材育成に向けた産官学の連携と指定高校の活動 」

神沼 靖子(情報処理学会フェロー)

17:45

懇親会

 

2007年9月7日には、第22回研究会を「次世代のインターネット情報活用術!!~膨大なデータを身近にする為に~」というテーマで日立マクセル本社ビルにおいて開催した。プログラムは以下の通り。

13:00

開会挨拶

有澤 博(横浜国立大学)

13:10

「セマンティックWebはWeb2.0を越えることができるか」

萩野 達也(慶應義塾大学)

14:10

「検索エンジンを有効利用したアプリケーション開発事例紹介」

渡辺 知恵美(お茶の水女子大学)

15:30

「情報爆発時代における研究戦略」

喜連川 優(東京大学)

16:30

「ユビキタス情報社会における企業活動を支えるために~RFID&トレーサビリティシステムを中心に~」

森 正勝(日立)

17:45

懇親会

 

8) IPAB
特定非営利活動法人 並列生物情報処理イニシアティブは、2007年3月9日、サン・マイクロシステムズ㈱ 用賀オフィス セミナールームにおいて(2006年度)第3回IPABセミナー「Knoppix for Molecular Simulationを体験する」を開催した。プログラムの大要は以下の通り。

13:30

あいさつ

理事長

13:35

「FMO法による分子間相互作用解析の実践的解説」

渡邊寿雄(産総研)

14:25

「ABINIT-MP と BIOStationの機能紹介」

 

アドバンスソフト株式会社

15:15

休憩

15:25

「Knoppix for Molecular Simulation High Throuput Computingの紹介と今後の展開」

小西史一(理研)

16:15

質疑応答

 

また、2007年5月11日には同所で2007年度第1回IPABセミナー「ゲノムと健康長寿」を開催した。プログラムの大略は以下の通り。

16:30

あいさつ

小長谷理事長

16:40

「高密度DNAマイクロアレイを用いたゲノムワイドコピーナンバー解析システムの開発と百寿者、超百寿者のゲノムコピーナンバー同定」

小島俊男(理研)

17:20

「長寿あるいは生活習慣病に関連するミトコンドリアゲノム多型」

田中雅嗣(東京都老人総合研)

18:00

「健康長寿達成に向けて―百寿者から超百寿者調査へ―」

広瀬信義(慶応大医)

19:00

懇親会

 

このほかにも何回かセミナーを開催していると思われるが、手元の記録にあるもののみを挙げた。

 
   

9) 理研シンポジウム
2006年度理研シンポジウムは、2007年3月12日~13日に理研の和光本所 鈴木梅太郎ホール(写真は理研のページから)で「スーパーコンピュータの最新動向 -受賞した理研HPCアーキテクトとHPCアクティビティ・業界最新情報-」をテーマに開催された。主催は昨年と同様に情報基盤センターと次世代スーパーコンピュータ開発実施本部であった。2006年にSeymour Cray賞を受賞した渡辺貞氏と、Gordon Bell賞でHonorable Mentionを受けた泰地真弘人氏の記念講演が行われた。プログラムは残っていない。

10) SACSIS 2007
第5回先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS 2007は2007年5月23日(水)~25日(金)に東京一ツ橋の学術総合センター講堂・会議室で開催された。主催は、情報処理学会の計算機アーキテクチャ研究会、システムソフトウェアとオペレーティングシステム研究会、ハイパフォーマンスコンピューティング研究会、プログラミング研究会、電子情報通信学会のコンピュータシステム研究専門委員会、ディペンダブルコンピューティング研究専門委員会、リコンフィギャラブルシステム研究専門委員会およびIEEE Computer Society Japan Chapterである。情報処理学会・組込みシステム研究会は協賛。

基調講演は、Jack Dongarra (University of Tennessee and Oak Ridge National Laboratory)による“Challenges for the Future”、招待講演は横川 三津夫 (理化学研究所)による「次世代コンピュータ開発プロジェクトについて」であった。

チュートリアルは以下の3件

・九州大学 井上 弘士「ディペンダブル・プロセッサの研究動向」
・産業技術総合研究所 高木 浩光「ソフトウェアの脆弱性の現状と課題」
・日立製作所 西村 信治「イーサネットの最新動向(100 Gbイーサ他)」

であった。

SACSISではこれまでGrid Challengeが行われてきたが、本年は話題のCell B.E.を用いたマルチコアプログラミングコンテスト 「Cellスピードチャレンジ2007」が開催された。アドバイザリ委員会は、朴泰祐(筑波大)、高田広章(名古屋大)、天野英晴(慶應大)、中島浩(京大)で構成、実行委員会には、委員長中村宏(東大)、副委員長吉瀬謙二(東工大)を初め、学界と東芝、ソニー、日本IBM関係者が集まった。SACSISの最中に表彰式が行われた。

規定課題は「ソーティング」で、規定部門には25チームが参加し、上位3位が表彰された。思えば1994年にJSPP 94に併設して開催された第1回並列ソフトウェアコンテストの課題もソーティングであった。

順位

ポイント

チーム名

代表者

1

82

ylab

花岡俊行(京大)

2

75

europa

ルォン・ディン・フォン(東大)

3

72

フツーにはえー★

木下正喬(大阪府立高専)

 

自由課題は2チームが表彰された。

順位

チーム名

代表者

課題

1

HORN

柘植宗範(千葉大)

Cell B.E.における計算機合成ホログラムのソフトウェア開発

2

ひびきの神経細胞

五十嵐潤(九工大)

Cell Broadband EngineTMによる神経回路網

 

11) GridWorld 2007
2007年5月30日~31日、東京国際フォーラムにおいて、グリッド協議会とIDGジャパンが主催するGridWorld 2007が開催された。主要なプログラムは以下の通り。多くの講演スライドは見ることができる。展示会にも多くの人が集まった。

5月30日

開幕挨拶

関口 智嗣(産総研グリッド研究センター)

(開幕記念講演)「IT革新による生産性の向上とグリッドコンピューティング」

西川 泰藏(経済産業省 大臣官房審議官)

(グリッド協議会セッション)「 ビジネス分野におけるグリッドの活用-ユーティリティコンピューティングに向けて-」

伊藤 智(産総研グリッド研究センター)

(GridWorld チュートリアル1)「グリッド入門-グリッドを作る技術-」

合田 憲人(国立情報学研究所)

(GridWorld チュートリアル2)「次世代グリッドアーキテクチャOGSAの最新動向」

岸本 光弘(富士通研究所)

(GridWorld チュートリアル3)「グリッドにおけるデータベースアクセス&統合(WS-DAI&OGSA-DAI))

小島 功(産総研グリッド研究センター)

(GridWorld チュートリアル4)「ストレージ・グリッド技術」

泉 泰一郎(東芝ソリューション)

 

5月31日

(グリッド協議会 基調講演)「情報爆発:ゼッタバイトの時代にむけて」

喜連川 優(東京大学)

(グリッド協議会 基調講演)「新世代ネットワークとグリッドアプリケーション」

青山 友紀(慶應義塾大学)

(グリッド協議会 セッション)「Grid – distributed computing at scale」

Mark Henry Linesch(OGF会長)

(グリッド協議会記念講演)「GridとCloud」

丸山 不二夫(稚内北星学園大学)

(グリッド協議会セッション)「GEO Grid:地球観測のためのE-サイエンス基盤」

関口 智嗣(産総研グリッド研究センター)

(GridWorld チュートリアル5)「研究開発の現場で役に立つPCクラスタを作るために考えてきたこと」

柴田 良一(岐阜工業高専)

(GridWorld チュートリアル6)「仮想化技術の動向と仮想クラスタ管理システムの紹介」

中田 秀基(産総研グリッド研究センター)

(GridWorld チュートリアル7)「GlobusToolkit入門」

濱田 正彦(日本IBM)

(GridWorld チュートリアル8)「グリッドセキュリティ入門」

峯尾 真一(理化学研究所)

 

12) 数値解析シンポジウム
第36回数値解析シンポジウム(NAS2007)は、早稲田大学大石進一を実行委員長として2007年6月19日(火)~6月21日(木)にウェルシティ湯河原で開催された。招待講演として、中国科学院 数学与系統科学研究院 計算数学与科学工程計算研究所(Institute of Computational Mathematics and Scientific / Engineering Computing, Academy of Mathematics and Systems Science, Chinese Academy of Sciences)のProf. Zhong-Zhi Bai(白中治教授)を招待し、“On Hermitian and skew-Hermitian splitting iteration methods”という講演を行った。イブニングセッションでは森正武先生の記念講演が企画された。

数値解析シンポジウムはこれまで有志により自主的に開催されて来たが、NAS2007からは日本応用数理学会との共催となった。その理由のひとつは、シンポジウムが大変長い伝統をもつにもかかわらず有志の研究会であるために、特許における猶予期間の適用や著作権処理に関し、シンポジウム自体では処理が困難である状況を考慮したことにあるとのことである。『第36回数値解析シンポジウム(NAS 2007)参加報告』(伊藤 祥司)が学会誌応用数理に掲載されている。

13) NGArch 2007
昨年に引き続きNGArch (Next Generation Architecture) Forum 2007が2007年7月25日(水)に学術総合センター 一橋記念講堂で開催された。主催は、九州大学を中心とする「コンピュータアーキテクチャCOE」である。

 
   

14) SWoPP2007
第20回にあたる記念すべき2007年並列/分散/協調処理に関する『旭川』サマー・ワークショップ(SWoPP旭川2007)は、8月1日(水)~8月3日(金)に旭川市大雪クリスタルホール旭川国際会議場で開催された(写真はWikipediaから)。主催は、電子情報通信学会:コンピュータシステム研究会(CPSY)ディペンダブルコンピューティング研究会(DC)情報処理学会:計算機アーキテクチャ研究会(ARC)システムソフトウェアとオペレーティングシステム研究会(OS)ハイパフォーマンスコンピューティング研究会(HPC)プログラミング研究会(PRO)である。電子情報通信学会の方を先に書くのは、第1回がCPSY主催で始まったからである。懇親会は、道北地域旭川地場産業振興センター 大展示場で開催された。

15) SS研HPC Forum
SS研究会(Scientific System研究会)は、これまでも多少関係してきたが、2007年度から科学技術計算分科会の企画委員をつとめることになった。最初の仕事は、8月28日に「~ペタスケール時代のコンピュータ技術~」のテーマで汐留シティセンター 24階 大会議室で開催されたオープンなシンポジウム「SS研 HPC Forum」であった。第5回目である。参加者は約250人で、内非会員は87名であった。今回は招待講演者としてBurton Smith(マイクロソフト)を招待することとなった。プログラムは以下の通り。

10:30

開会あいさつ

青柳 睦(九大)

10:35

海外招待講演:” Reinventing High Performance Computing”

Burton J Smith, Microsoft

11:40

“次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトの現状”

姫野龍太郎(理研)

14:00

“T2Kオープンスパコンの概要”

石川裕(東大)

14:50

“汎用アクセラレータとしてGPUを駆使する試み GPGPUについて”

伊野 文彦(大阪大)

16:10

“ペタスケール・システムインターコネクト(PSI)プロジェクトについて”

木村 康則(富士通)

 

閉会挨拶

村上和彰(九大)

17:30

懇親パーティ

 

日本マイクロソフト社に頼まれて、8月27日に東大の秋葉原拠点(ダイビル)の大会議室でBurton Smithの講演会” Reinventing Computing”を企画した。司会は平木敬。定員120人の会場が一杯になった。

16) 筑波大学
筑波大学計算科学研究センターは 9月3日~4日にPACS-CS完成記念を兼ねて、第三回「計算科学による新たな知の発見・統合・創出」シンポジウム PACS-CSシステムと計算科学を開催した。プログラムは以下の通り。

9月3日

9:30

PACS-CS完成記念式典

 

 

学長挨拶 

岩崎洋一(筑波大学学長)

来賓挨拶

(文部科学省学術機関課)

PACS-CS披露

 

10:10

開会挨拶

宇川 彰(筑波大学)

10:20

(招待講演)「全球雲解像大気モデルNICAMを用いた熱帯対流集団のシミュレーション」

富田浩文(JAMSTEC)

11:05

「気象モデルWRFを用いた都市気候の数値シミュレーション」

日下博幸(筑波大学)

11:35

「気象予報データGPV/JMAアーカイブの概要と今後の展開」

北川博之(筑波大学)

13:05

招待講演:

 “Low Energy QCD, Chiral Symmetry and Petaflops”

Norman Christ (Columbia University)

16:40

「現実的なクォーク質量における格子QCD計算」

藏増嘉伸(筑波大学)

17:10

(招待講演)「極限状態の量子色力学 - 数値シミュレーションの挑戦」

中村純(広島大学)

17:55

「格子QCD計算の将来像:ペタフロップス計算機からグリッドまで」

吉江友照(筑波大学)

18:40

懇親会

 

9月4日

9:30

(招待講演) 「国立天文台天文シミュレーションプロジェクト」

和田桂一(国立天文台)

10:15

「融合型並列計算機FIRSTによる計算宇宙物理学の展開」

梅村雅之(筑波大学)

10:45

「天文シミュレーションにおけるHigh Performance Computing」

吉川耕司(筑波大学)

12:45

(招待講演) 「全ゲノム情報を利用した哺乳類の分子系統」

西原秀典(東京工業大学)

13:30

「Multigene phylogenetic analyses: Not like playing LEGO」

稲垣祐司(筑波大学)

14:00

(招待講演)「第一原理計算による知の発見の一例:単元素物質(ヘリウムを除く) の基底状態は常に完全結晶か?」

荻津格(LLNL)

15:20

(招待講演)「Rigged QED 理論に基づく化学結合の表現」

立花明知(京都大学)

16:05

「実空間密度汎関数法による大規模第一原理計算」

岩田潤一(筑波大学)

16:35

(招待講演)「次世代スーパーコンピュータが拓く計算化学の新世界」

高田俊和(理化学研究所)

17:20

「電子励起ダイナミクスの第一原理シミュレーション」

矢花一浩(筑波大学)

17:50

閉会挨拶

佐藤三久(筑波大学)

 

17) FIT 2007
情報処理学会・電子情報通信学会の共催する第6回情報科学技術フォーラムFIT2007が、2007年9月5日(水)~7日(金)中京大学 豊田キャンパスで開催された。そのイベント企画の一つとして「HPCから組込みシステムまで、カスタムコンピューティングの世界」が7日に企画された。

18) IBM HPC Forum 2007
2007年9月13日(木)、日本IBM箱崎事業所においてIBM HPCフォーラム 2007が開催された。プログラムは以下の通り。

13:30

オープニング

日本IBM

13:40

「ディープ・コンピューティング分野でのイノベーション」

T. Agerwala (IBM)

14:40

「IBM Blue Gene/Pのアーキテクチャ」

G. Chiu (IBM)

16:00

「1ペタFLOPSを実現するRoadrunnerのHybrid programmingとシステム管理」

S. Mcaleer (IBM)

17:00

「IBM POWER6アーキテクチャとシステムの最新動向」

F. O’Connell (IBM)

18:00

懇親会

 

筆者が、「IBMは、BGもやり、Cellもやり、POWERもやっている。本当に今後もこの3つを続けるのか。」と質問した。IBM関係者は、「続ける」とは言わなかったが、マルチコア技術は相互に役に立つ、というようなことを言ってごまかした。

19) IC2007
第12回目となるIC2007(インターネットコンファレンス2007)は、財団法人インターネット協会 (IAjapan)、日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会 (ITRC)、日本ソフトウェア科学会インターネットテクノロジー研究会 (ITECH)、情報処理学会高品質インターネット研究会 (QAI)、情報処理学会ハイパフォーマンスコンピューテング研究会 (HPC)、日本UNIXユーザ会 (jus)、WIDEプロジェクト (WIDE)の主催により、2007年10月25日~26日に福岡ソフトリサーチパークビルで開催された。プログラム委員長は石山政浩 (東芝)と宇多仁 (北陸先端科学技術大学院大学)、実行委員長は山本成一 (東京大学)である。1件の招待講演と1件のパネルセッションが行われた。

招待講演

「インターネットを使った天文教育」

尾久土正己(和歌山大学)

パネル

「コンテンツ・ストリーム配信の運用・管理の現状と課題」

座長:飯田勝吉 (東工大)

 

20) 数理解析研究所
京都大学数理解析研究所では1969年から毎年数値解析関係の研究集会を行っている。2007年は39回目で、11月14日~16日に「計算科学の基盤技術としての高速アルゴリズムとその周辺」という課題で開催された。代表者は張昭良(名古屋大)。講演内容は講究録 No. 1614に収録されている。

21) 超並列計算研究会
同志社大学知的システムデザイン研究室が主宰している超並列計算研究会SMPPは、1994年から活動しているが、2007年12月12日(水)には秋葉原ダイビルの会議室で、第47回超並列研究会「SC07と迫り来る10000コアの時代に向けて」を開催した。プログラムは大略以下の通り。

13:30

オープニング

廣安知之(同志社大学)

13:35

迫り来る10000コアを超える超並列システムの課題と対策

中野守(クレイジャパン)

14:25

HPCのためのインテル製品とテクノロジー

David S. Scott (Intel)

14:55

Break

15:10

数万コアマシンのアプリケーションとプログラミング,迫り来る数十万コアマシンへの準備

朴泰祐(筑波大学)

16:00

AMDのHPCへの取り組みと最新テクノロジ

岡野浩史(日本AMD)

16:30

SC07からHPCの将来を考える

小柳義夫(工学院大)

17:20

クロージング

廣安知之(同志社大学)

 

22)ワークショップ「高性能計算における超省電力化」
東京工業大学では、グローバルCOEプログラム「計算世界観の深化と展開」発足イベントの一つとして、JST CREST「ULP-HPC:次世代テクノロジのモデル化・最適化による超低消費電力ハイパフォーマンスコンピューティング」(代表 松岡聡)との合同開催で、12月13日東京工業大学百年記念館において標記のワークショップを開催した。プログラムは以下の通り。

10:10

(基調講演) 革新的電源制御による次世代超低電力高性能システムの実現へ向けて

中村 宏(東京大学)

11:10

次世代HPCシステムにて超省電力・高性能を達成するハードウェア・ソフトウェア統合システム

松岡 聡 (東京工業大学)

11:40

性能モデルに基づくCPU及びGPUを併用する効率的なFFTライブラリ

遠藤 敏夫(東京工業大学)

12:10

昼休み

13:20

GCOE「計算世界観の深化と展開」

渡辺 治 (東京工業大学)

13:30

超省電力 HPC ソフトウェアのための自動チューニングの数理的基礎理論

須田 礼仁 (東京大学)

14:00

超省電力 HPC ソフトウェアのための自動チューニング記述法

片桐 孝洋 (東京大学)

14:30

超省電力型のHPCアプリケーション及びアルゴリズム

青木 尊之 (東京工業大学)

15:00

休憩

15:30

超省電力化SIMDアクセラレータのための汎用プログラミング環境

平澤 将一 (電気通信大学)

16:00

HPC向け省電力インターコネクト

鯉渕 道紘(国立情報学研究所)

 

23) 第7回PCクラスタシンポジウム
PCクラスタコンソーシアムは、12月13日~14日に秋葉原コンベンションホールにおいて、第七回PCクラスタシンポジウムを開催した。

次回は、日本企業の動きと標準化。日本電気はSX-9を、富士通はSPARC64 VIを発表する。リナックスを一層発展させるためにOpen Source Development Labs と Free Standards Group が合併し、The Linux Foundationが発足する。

 

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