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5月 11, 2015

PEZY社、磁界結合インタフェース技術の米企業を完全子会社化

HPCwire Japan

株式会社 PEZY Computingは、ThruChip Interface(磁界結合を用いた、高速・低消費電力を特徴とする近接チップ間無線通信。以下、TCI)技術の独占的実施権を有している米国 ThruChip Communications, Inc.の全株主と、ThruChip 社の 3 分の 2 超となる支配株式を 2015 年 6 月末までに、残る株式を 2016年2月までに全て買い取り、完全子会社化する契約を締結したと発表した。

この技術は、慶應義塾大学理工学部黒田忠広教授が文部科学省JSTのCREST研究を通して、2005年から 10 年間の研究成果として確立した「磁界結合(磁界の近接場結合)」技術を用いた、近接チップ間の無線通信手法。既に、慶應義塾大学からは合計 66 件の関連特許が国内外に出願されている。既存の有線通信手法と比較して、低消費電力ながら高速通信が可能であること、電気的に非接触であるためにインピーダンス整合が不要であること、磁界結合のためのアンテナはウェハ内に前工程で作成可能で後工程作業が増えずに歩留まりにも影響が無いこと、既に黒田研究室において多数の実チップによる検証がなされており、多数の国際学会でも論文が発表されて高い評価を得ていること、などの多くの優位点が確認されており、今後の 10 年間を見据えた新しい通信手法として、極めて有望であることが示されてきている。


ソース:PEZY Computing社