世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


5月 20, 2015

ポーランド、1.7ペタフロップスのスーパーコンピュータを公表

HPCwire Japan

Tiffany Trader

クラコフのAGH科学技術大学は4月27日に、人類に火を与えたギリシャの神にちなんで名付けられたプロメテウス・スーパーコンピュータを大々的に発表する式典を開催した。1.7ペタフロップスのピーク演算性能を詰め込んだHPが製作したマシンは、ポーランドの歴史上最も強力なスーパーコンピュータであり、HP Apollo 8000サーバの世界差大規模のインストールだ。

技術企業Megatelを介して購入され、約1150万ドルを費やしており、プロメテウスはこのセンターの先代のトップの大型計算機であるゼウスよりも4倍強力だ。目安として現在のTOP500リストを使うと、LINPACKベンチマーク試験での性能にもよるがプロメテウスは世界で約30位あたりになるだろう。

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「21世紀初頭のプロメテウスによって、ポーランドの科学は新しい時代を迎えるのです。」とAGH大学学長のTadeusz Słomka教授は公式見解でコメントしている。「私共は大規模な演算能力で、最も要求が厳しく時間の掛かる計算タスクを実行し、現在の境界を跨ぐ勇気を彼らに刺激し、従って様々な科学分野においていくつもの壮大な発見に貢献するサービスをポーランド中の科学者に提供する素晴らしいものだと信じています。」

30トンのマシンは、InfiniBandで接続された1,728台のHP Apollo 8000サーバを15台のラックに収納している。システムは合計で41,472個のIntel Haswell-EPコアと216 TBのDDR4メモリ、合計10 PBの容量を提供する2台のファイルシステムで構成されている。

すべてのサーバをオーバーヒートから守るのは、プロセッサとメモリ・モジュールの両方に直接水冷方式を採用することで達成している。この革新的アプローチで、プロメテウスはこのクラスでは最もエネルギー効率の高い計算機のひとつに挙げられている。この地方の気候は水を十分に冷やすくらい低温で、コストとエネルギーの観点で効率的なシステムにしているのだ。Backersはまた、他の冷却技術よりも信頼性が高いと主張している。

プロジェクト関係者は、温水冷却技術によって、単一ラックで最大144台のHPサーバまでの高密度構成を可能にしていると付け加えた。これは従来の空冷冷却で可能な密度の約2倍にあたるものだ。

新しい専用のデータセンターに設置されており、プロメテウスは、化学、物理、天体物理学、生物学、エネルギーおよびナノテクノロジーなどの広い分野の利益になるだろう。今やポーランド中の研究者は、次の新しい不思議材料を設計したり、アルツハイマー病の治療法を探したりすることにさらにもっと近づいてきたのだ。