DellがEMCを670億ドルで買収:大規模企業向けとハイエンド・コンピューティングにフォーカス
Dellはストレージ・プロバイダーのEMC(NYSE:EMC)を670億ドルで買収すると、ニューヨークタイムズが報じた。(Dell Announces Purchase of EMC for $67 Billion)Dellおよびその財務支援者である投資会社のSilver Lakeは、この買収が業界で著名なもののひとつが急速に変化する技術産業に追い付くことに賭けているのだ。

「契約の条件では、DellはEMCの株当り33.15ドルを支払う。これは現金に加え、上場事業のVMwareにおけるEMCの経済的利益の一部にリンクする事業部門株が含まれている。Dellの創業者で最高経営責任者のMichael S. Dellが合併した会社の会長兼最高経営責任者として引き継がれる。」
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「過去2年間、同社を私企業にして以降、Dell氏とSilver Lakeは変化した技術環境に適応しようとしていた。EMCの買収はコンピュータのデータストレージにDellという最大の名前のひとつをもたらし、ネットワークサーバ、企業ソフトウェアやモバイルデバイスのような既存の製品に追加されることとなる。」とニューヨークタイムズは報告している。
アナリスト企業のIntersect360リサーチのCEOであるAddison Snellは次のように語っている。「HPCサーバの市場のナンバーワン企業が、HPCストレージ市場のナンバーワン企業を買収することはもちろん、この取引はHPCユーザにとって効果があります。Dellにとっては、彼らが改善することを模索していた領域であるエンドツーエンドのハイパフォーマンス・データ戦略を推進する機会となります。EMCにとっては、分離した製品ラインを結合したハイパフォーマンス戦略に統合するチャンスとなります。- 現在 IsilonおよびXtreamIOは別の事業です。そして、HPC環境で上昇しつつある仮想化と共に、DellはVMwareが価値ある部分となれるかどうかを見ようとしています。」
ウォールストリートジャーナルはこの取引について次のようにレポートしている。「消費者指向の企業から大企業向けの技術にフォーカスする企業へのDellの移行を670億ドルでのEMCの買収と結びつけることで….これまでの技術業界での最大の買収となる。」この取引の正式な公表が先週の差し迫った合併
というレポートが広く広まった後に行われたのだ。
この変化について、EMCのCEOであるJoseph TucciはBoston Globe reportで次のように話している。「私はこれまでEMCで築いてきたすべてを誇りに思っています。ボストンベースのスタートアップ企業という地味な開始から、顧客に対する不屈の献身と共にグローバルで世界クラスの技術企業となりました。しかし、業界において今我々が見ている変化の波は前例がなく、この変化を乗り切るには、新しい時代のための新しい企業を作らなければならないのです。」
IBMが少なくとも短期的に大きな時間で勝利することから、’VM’領域の他のものによる競合の増加や、Dell社からの拡張された製品を賞賛することまでの広い範囲におけるひとつかみの意見を言っている、CrowdChatで行われている魅力的な噂がある。これはチェックする価値がある。https://www.crowdchat.net/post/363771.
一人のアナリストがHPCwireの姉妹紙であるEnterpriseTechに語ったところによると、この取引は競合他社を全力に持っていきそうだと言っている。「直近では、DellもしくはEMCが締めようとしている直近のビジネスへの障壁を崩壊し、作り出そうとするFUD*1やMUD*2を使って全力でしないDellもしくはEMCの競合に驚いており、DellおよびEMCの両セールスチームは顧客、パートナーおよび見込み顧客の前に出て、収入防止部門の一部となることを避けるために、これらのFUDやMUDの障壁を取り除く必要があるのです。」とサーバおよびストレージI/Oグループのシニア・アドバイザリ・アナリストのGreg Schulzは語っている。
プラスサイドでは、「Dellのハイエンド・コンピューティングの顧客にとっては、HDFSやNASを使ったData Lake用EMC Isilon、もしくはブロックベースの高速フラッシュSSDストレージクラスタであるXtreamIO、または他社のようなラックスケールで共有するPCIe SSDを使った新しいフラッシュDSSDのような技術へのアクセスを持つことができるように、いくつかの興味深いシナリオを想起させます。思い出して欲しいのですが、EMCは90年代後半にサーバとストレージ(Clarrion、現在VNXとなってDellがOEMしている。)を持っていたDGを買収しています。EMCはいまだ強力なサーバのDNAを持っており、その多くを製品に使っているのです。」とSchulzは語っている。
公式発表では、「私共の新しい会社は、デジタル変換、ソフトウェア定義型データセンター、集中型インフラ、ハイブリッド・クラウド、モバイル、およびセキュリティを含む次世代ITの最も戦略的な領域における成長にとって、非常に良く位置付けされています。」とMichael Dellは力説している。
Tucciは、合併した非公開企業は売上で合計800億ドルで、ソフトウェア定義型データセンター、ハイブリッド・クラウド、集中型インフラおよびセキュリティ分野と共に、サーバ、ストレージおよび仮想化の市場においてさらに競争力を持つこととなると予測している。
訳注:
*1 FUD: Fear, Uncertainty and Doubt、FUDとは一般に、大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとする戦略的試みである。
*2 MUD: Myopic Unalloyed Denial、