世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


2月 13, 2017

HPCの歩み50年(第109回)-2004年(f)-

小柳 義夫 (高度情報科学技術研究機構)

6月のTop500では、中国のDawning 4000A(いわゆるRed Gridの一部)が初めて10位以内に入った。7月の猛暑の中、大宮ではHPC Asia 2004を開催した。Beowulf clusterは10周年を迎えた。アメリカではエクサスケールに向かう動きが始まった。

ヨーロッパの動き

1) DEISA
2004年~2008年に、DEISA (Distributed European Infrastructure for Supercomputing Applications)にEuropean CommissionのFP6 (6th Framework Programmes for Research and Technological Development)の予算がついた。DEISAプロジェクトそのものは2002年からDEISA1として始まっている。DEISAのインフラストラクチャはヨーロッパの11のスーパーコンピュータセンタを10 Gb/sのネットワークで結合している。全体では4000プロセッサ以上、22 TFlopsの計算能力を持つ。

2) EUのグリッド補助
2004年9月10日、EU(欧州連合)は、グリッドコンピューティングに€52Mの補助金を12件の研究プロジェクトに投入する決定を下した。補助金の大部分は4件の大きなプロジェクトに向けられ、それぞれ€9Mずつ提供される。それらは、

a) The SIMDATプロジェクト—自動車、航空、製薬産業に一般的なグリッド技術を提供する。
b) The NEXTGRID プロジェクト—ビジネスや産業界の要請に応えたグリッドアーキテクチャを開発する。
c) The AKOGRIMO プロジェクト—移動通信とIPv6の技術を開発し、e-healthとe-learningの応用を開発する。
d) The COREGRID プロジェクト—既に存在するグリッド研究組織を、仮想的なCOEを作ることにより統合し、全ヨーロッパにわたる統合研究プログラムを作り出す。

このプロジェクトは、EUのFP6 (6th Research Framework Program)の一部であるIST (Information Society Technologies) researchの予算から支援される。ヨーロッパではCERNなどを中心に研究のためのグリッドの技術は進んでいるが、これはそれを商業利用や産業界に移転することを狙ったもののようである。9月15日には、Brusselsのthe Charlemagne building, Rue de la Loiで発足イベントが開催された。

3) Quadrics社
Quadrics社(Quadrics Supercomputer World社)は、QsNet I (1998)に続いてQsNet IIを2003年に出荷した。2003年のTop500の上位にはいくつかこれを使ったXeonやItaniumのシステムが載せられている。2004年2月27日、同社はQsNett II (elan4)がOpteronを搭載したプラットフォームにも使えると発表した。OpteronプロセッサでのQsNet II PCI-X 64-bitアダプタは、133 MHzで動作し、MPIではバンド幅850 MB/s 、レイテンシ1.8μsを実現する。2004年のTop500の上位にはまだ出ていない。

世界の学界の動き(6月まで)

1) Globus WORLD 2004
第2回のGlobusWORLD であるGlobusWORLD 2004は、2004年1月20日~23日にSan FranciscoのSt. Francis Hotelで開催された。参加者は約450名。1回目はSan Diegoで2003年1月13日~17日。新しいweb serviceの仕様WSRF (Web Service Resource Framework)が初めて発表された。

基調講演としては、eビジネスについてはDaniel Sabbah (IBM)が、eサイエンスについてはIan Foster (ANL)とLarry Smarr (Cal-IT2)が行った。

2) CCGrid 2004
CCGrid 2004 (IEEE International Symposium on Cluster Computing and the Grid)は、2004年4月19日~22日にChicago で開催された。Brisbane (2001)、Berlin (2002)、Tokyo (2003)に続く4回目である。参加者は200名強。前3回とは異なりACMは共催していない(2009年から復活)。組織委員長はCharlie Catlett (ANL)とPete Bechman (ANL)、名誉組織委員長はIan Foster (ANL)、プログラム委員長はPete Beckman、プログラム副委員長はDavid Abramson (Monash University, Australia)とSameer Shende (Univ. Oregon, USA)であった。会議録はIEEEから出版されている。

3) GridToday 04
電子ジャーナルGRIDtodayの主催でGridToday 04が2004年5月24日~26日、アメリカのPhiladelphia Convention Centerで開催された。26団体による展示が行われた。400人が参加した。参加者数では日本のGrid World 2004の方が遙かに多い。

4) Big Macその後
2003年11月のTop500において、1100台のG5アップルをInfinibandで接続して、Rmax=10.28 TFlopsで3位を勝ち取ったVirginia TechのいわゆるBig Macであるが、6月までにアップルのXserve G5(1ボックスに2チップ)に取り替えると言うニュースが1月頃流れてきた。設置面積は1/3になり、消費電力も減るとのことである。ECCも付いている。現在使われているアップルも引退後適当な住処を見つけるであろう、とニュースは伝えている。ずいぶんぜいたくな話である。2004年11月のTop500においては、Rmax=12.25 TFlopsで7位に入っている。

6月7日、Virginia Techは、Big MacがTop500の3位に入賞したことに対し、Computerworldの賞(Computerworld Honors 21st Century Achievement Award in Science)を受賞した。この賞はワシントンDCの博物館におけるブラック・タイ(正装)イベントで授与されたとのことである。それほどの成果なのか?

5) FlashMob Supercomputer
Big Macの成功に便乗して、他人のふんどし(PC)でスーパーコンピュータを作るという試みが行われた。曰くFlashMob Supercomputer。ちなみに、フラッシュモブとは、インターネット上や口コミで呼びかけた不特定多数の人々が申し合わせ、雑踏の中の歩行者を装って通りすがり、公共の場に集まり前触れなく突如としてパフォーマンス(ダンスや演奏など)を行って、周囲の関心を引いたのち解散する行為だそうである。サンフランシスコ大学のPeter Pachecoは、4月3日午前8時から午後6時の間に、大学内のKoret Centerに一定の性能以上のlaptopを持って集まるよう呼びかけた。主催者側ではMyrinetとスイッチを用意し、1200から1400台が集まれば600 GFlopsは出るだろうと述べている。

4月9日号のHPCwireによれば、660人の参加があり、180 GFlopsまで行ったが、Top500の圏内には入れなかったとのことである。Top500の主催者の一人であるDongarra教授は、ヘテロなクラスタでもいいが、データの再現性がない場合は認めない、と否定的だったそうである。

ISC2004

2001年からInternational Supercomputing Conferenceと改名してHeiderbergで開催しているが、今年は6月22日~25日にHeidelbergで開催された。参加者は442名、展示は42件である。Steven Wallach (Convey社)が基調講演を行った。筆者は参加していないのでTop500の話題だけ。

1) Top500 (2004年6月、第23回)
地球シミュレータは5回目(で最後の)首位を占めた。20位までは以下の通り。*印は新規登場。

順位 設置場所 システム コア数 Rmax Rpeak
1 海洋研究開発機構 地球シミュレータ 5120 35.86 40.96
2* LLNL Thunder (Itanium2+Quadrics) 4096 19.94 22.938
3 LANL ASCI Q 8192 13.88 20.480
4* IBM Rochester BlueGene/L DD1 8192 11.68 16.384
5 NCSA Tungsten (P4 Xeon+Myrinet) 2500 9.819 15.300
6* ECMWF p690 (1.9 GHz Power4+) 2112 8.955 16.051
7* 理研 Super Combined Cluster 2048 8.728 12.534
8* IBM Watson Center BlueGene/L DD2 4096 8.655 11.469
9 PNNL Mpp2 (Itanium+Quadrics) 1936 8.633 11.616
10* Shanghai Supercomputer Center Dawning 4000A (Opteron+Myrinet) 2560 8.061 16.264
11 LANL Lightning (Opteron2+Myrinet) 2816 8.051 11.264
12 LLNL (Xeon+Quadrics) 2304 7.634 11.060
13 NERSC Seaborg (Power3 375MHz 16way) 6656 7.304 9.984
14 LLNL ASCI White (Power3) 8192 7.304 12.288
15* NCSA TeraGrid (Itanium2+Myrinet) 1776 7.215 10.259
16 LLNL (Xeon+Quadrics) 1920 6.586 9.216
17 LLNL Lilac (Xeon + Quadrics) 1540 6.232 9.425
18* HPCx (UK) p690 (Power4+) 1600 6.188 10.880
19* 産総研グリッド研究センター AIST Super Cluster P-32 2200 6.155 8.800
20* ORNL Cray X1 504 5.895 6.451

 

1 TFlopsを越えたのが242システム(前回は130)、前回(2003年11月)の表から258システムが脱落している。今回500位のシステムは、前回では242位であった。これほど激しい入れ替わりは初めてであった。IBM社は、Rochester(Minnesota州)にあるIBMの施設とWatson研究所に置かれたBlueGene/Lの2台のプロトタイプが上位10位以内に入った。次回には打倒地球シミュレータを狙うのであろう。10位に初めて中国製のDawning(曙光)4000Aが入った。AMD Opteronを2560基搭載している。前回の上位10台は地球シミュレータ以外はすべてアメリカ製であった。前回3位に入ったVirginia TechのBig Macは、前述したようにアップグレード中であり、今回は間に合わなかった。

台数ではIBMが224台、Hewlett-Packardが140台となり、順位が逆転した。今回の表に新たにランクインしたシステムは、両社とも108台。次回のトップは、BlueGene/LかRed Stormか?

100位以内に入った日本設置のマシンは以下の通り。

順位 設置場所 システム コア数 Rmax Rpeak
1 海洋研究開発機構 地球シミュレータ 5120 35.86 40.96
7 理研 Super Combined Cluster 2048 8.728 12.534
19 産総研グリッド研究センター AIST Super Cluster P-32 2200 6.155 8.800
22 航空宇宙技術研究所 PRIMEPOWER HPC2500 (1.3 GHz) 2304 5.406 11.98
24 京都大学 PRIMEPOWER HPC2500 (1.56 GHz) 1472 4.552 9.185
68 気象研究所 SX-6/248M31 248 2.155 2.232
97 産総研グリッド研究センター AIST Super Cluster F-32 512 1.997 3.1334

 

世界の学界(7月以降)

1) HPC Asia 2004
HPC Asia 2004、第7回アジア太平洋地域高性能計算とグリッドに関する国際会議 (High Performance Computing and Grid in Asia-Pacific Region) は、2004年7月20日~22日に、大宮ソニックシティ(埼玉県さいたま市大宮区) において開催された。国内228名、国外15カ国84名の計312名が参加し、また展示会場には136名の一般見学者が訪れた。組織委員長は筆者、プログラム委員長は佐藤三久(筑波大)、実行委員長は関口智嗣(産総研)、ワークショップ委員長は朴泰祐(筑波大)、国際アドバイザリ委員長はDavid Kahaner (ATIP)であった。主催は情報処理学会HPC研究会とIEEE/CS Japan Chapter、協賛はグリッド協議会、日本シミュレーション学会、日本流体力学会、情報処理学会アーキテクチャ研究会、日本計算工学会、日本応用数理学会、日本物理学会であった。

基調講演は渡辺貞(NEC)が“Lessons learned from the Development of Supercomputer”と題して講演した。招待講演は、

a) Tilak Agerwala (IBM), “Impact of Future Technology on Deep Computing and HPC”
b) Brian Koblenz (Cray), “Cray’s Computing Vision: Current products and Future Directions”
c) David S. Scott (Intel), “The future challenges and opportunities for COTS in HPC”
d) 姫野龍太郎(理研), “To survive as a Supercomputer Center in 21st Century”
e) Stephen Perrenod (Sun Microsystems), “Enhancing Productivity and Collaboration in High Performance Computing”
f) Jysoo Lee (KISTI), “K*Grid Project: Progresses and Future Directions”

であった。

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一般講演では、12カ国から79件の論文投稿があり、プログラム委員会は46件を採択した。分野別内訳は、グリッドのミドルウェアやグリッド応用関連15件、応用分野シミュレーション関連14件、アーキテクチャ、MPI通信、スケジューリングなどHPC基盤関連14件、画像処理関連3件であった。

本会議に併設して7件のワークショップが開催された。また、企業展示は17社、研究展示は7件であった。『応用数理』に開催報告がある。IEEE/CSから会議録が発行されている。

会期中40度に近い猛暑日があり、隣接するホテルから会場までのわずか10mを走らずにはおれなかったことを覚えている。(写真は組織委員長挨拶)

2) Beowulf Cluster10周年「ベオウルフなんか怖くない」
1994年、Thomas SterlingとDonald Becker (NASA)らはBeowulf clusterの概念を提唱した。汎用品のハード、汎用品のネットワーク、オープンなOSやミドルウェアによって構成されたWS/PCクラスタのことである。Beowulfとはイギリス文学最古の伝承の一つで、英雄Beowulfの冒険を語る叙事詩である。スーパーコンピュータという怪物を退治する英雄だからであろうか。

2004年8月4日、Beowulfの10周年記念イベントがSan Franciscoで行われた。曰く、”Who’s afraid of the big bad Beowulf? “これはディズニーの“The Three Little Pigs”「三匹の子豚」に出て来る歌”Who’s afraid of the big bad wolf?”(「♪狼なんか怖くない、怖くないったら怖くない」)をもじったようである。

Hotwired誌でMichelle Delioはこう書いている。「今では誰も怖くない。しかし、クラスタ型スーパーコンピュータのBeowulfが10年前に初めて登場したとき、科学者たちのコミュニティは、畏怖と嫌悪の入り混じった感情でこれを迎 えた。『スーパーコンピュータ偏重の科学者コミュニティによるBeowulf projectに対する当初の反応は、かなり否定的なものだった』と、最初にBeowulf projectを立ち上げた1人であるDonald Becker (NASA)は振り返る。」

「科学者たちの反応は、予想された『じゃあ、やってみろよ』的な無関心をはるかに通り越し、市販のコンピュータを使用したクラスタでより優れたプラットフォームを開発しようという動きにあからさまに異議を唱えるものだった」とBeckerは話した。「しかしどうしたわけか、今では皆がBeowulfの支持する側に回ったようだ」

Beckerは、San Franciscoで8月4日(米国時間)の夜に開催された、Beowulfの誕生10周年を祝うパーティーに出席した。パーティーでは、デザインを一新したBeowulf projectのウェブサイトも披露された。(Hotwired 2004年8月6日号)

3) Grid3
多数の仮想組織が関わる大量のデータを扱う科学研究のためのグリッドを研究してたGrid2003プロジェクトは、Grid3と呼ばれる応用駆動のグリッドラボラトリを実用レベルで稼動して来た。CERNのLHC (Large Hadron Collider)に於ける二つの実験装置(ATLASとCMS)、Sloan Digital Sky Surveyプロジェクト、重力波探索実験のLIGO、FermilabのBTeV実験、分子構造解析、ゲノム解析などに使われて来た。2004年9月9日、Open Science Grid Consortiumの関係者はHarward大学でワークショップを開催し、9ヶ月の実証運転が成功裏に進んでいることを発表した。

4) The Path to Extreme Supercomputing
2004年10月12日、Santa Feにおいて“The Path to Extreme Supercomputing”というワークショップが開催された。William J. Camp (SNL)を中心に企画されたものと思われる。参加は30名。数十年のうちにZettaflops (1021 Flops = 1000 Exa Flops)のスーパーコンピュータが必要になると予想されるが、現在の技術では物理的に不可能である。このワークショップでは、応用分野(気象を例として取り上げている)からの必要性、現状の技術からの限界、将来のアーキテクチャ、プログラミングとソフトウェア、新しい論理方式(可逆的論理など)が議論され、最後のパネル討論”How much should we change supercomputing to enable the applications that are important to us, and how fast”で、今後のロードマップが議論されている。各講演のスライドもリンクされており、興味深い。

Zettaflopsを掲げてはいるが、実際にはExaFlopsへのキックオフであったと考えられる。その後毎年開催されている。

5) AACC 2004
AACC 2004 (Second Asian Applied Computing Conference)が、2004年10月29日~31日にネパールのKathmanduで開催されることになり、筆者は依頼によりプログラム委員を引き受けた。出席しようと思っていたが、8月31日夜から1日にかけて、Kathmanduでは、イラクで武装勢力に拘束されていた労働者12人が殺された件にからんで、残虐な犯行に激怒した学生らがイスラム教のモスク前などでタイヤを燃やし、抗議デモを行い、軍隊の装甲車が出た、というニュースを聞き、怖じ気付いて取りやめた。東北大学の西関隆夫教授は、招待講演を行ったとのことである。

6) Workshop on General Purpose Computing on Graphics Processors
2004年8月7日から、Los AngelesのWilshire Grand Hotelにおいて研究会“Workshop on General Purpose Computing on Graphics Processors”が開催された。今ならGPGPUというところであろうが、このときはGP2と呼ばれている。グラフィック処理の方式に無理矢理合わせて行列積計算を行った報告がSC2001であったが、そのころはやっとprogrammable shaderが出たところで、演算精度も不十分であった。2004年頃には16本のpixel pipelineで32 bit浮動小数演算が行え、条件分岐や反復なども可能になっている。GP2の実行委員には、ATIやNVIDIAの有名人も名を連ねていた。西川善治の報告によると、「高いプログラマビリティと高い並列性能を持ったGPUではあるが、意外にも『いまだ制限が多く、どういう目的で使えば効果的なのかは模索中のところがある』という旨の意見が多かった」そうである。CUDAが公開されたのは3年後の2007年6月23日である。

7) 10 Gbps Ethernet
WIDE Project(代表村井純)と東京大学Data Reservoirプロジェクト(代表平木敬)は、カナダ、アメリカ、オランダおよびCERNの科学者と協力して、10月18日、世界最長の10 Gbpsのイーサネット回路を作り、日本のData ReservoirプロジェクトからCERN(スイス)まで18500 kmのデータ転送に成功したと発表した。2003年11月のSC03 (Phoenix)でのバンド幅チャレンジでは、24000 kmのデータ転送を行っている。

8) Turing Award 2003
4月21日、2003年のACM Turing賞に、Alan Curtis Kay氏(UCLA他)を選出したことがあきらかになった。受賞理由はオブジェクト指向プログラミングに関する貢献。授賞式は、2004年6月5日に米国・ニューヨークのPlaza Hotelで行なわれ、賞金10万ドルが贈られた(2014年からはGoogleの後援により100万ドルとなった)。

9) Poincaré予想
Poincaréが有名な予想「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」を提出したのは1904年であり、100年が経過した。ロシア科学アカデミー傘下のSteklov Institute of Mathematics (St. Petersburg)に勤務していたロシア人数学者Grigory Yakovlevich Perelmanは、2002年11月11日にPoincaré予想を証明したと主張し、プレプリントサイトarXivで論文を公開した。この論文に対する検証が世界中の数学者によって進められていたが、うまくいくのではないかという記事が1月頃出ていた。実際に確認されたのは2006年で、2006年8月22日、Madridで開催された国際数学者会議でPerelmanにFields賞が授与された。しかし彼は受賞を辞退した。

10) John Pople死去
分子軌道法の理論を作ったことにより、1998年ノーベル化学賞を、密度汎関数法を開発したWalter Kohn (UCSB)とともに受賞した、イギリスのSir John Anthony Pople (North Western Univeristy)は、2004年3月15日に肝臓癌のために死去した。1970年にはGaussian 70を開発したが、その後改良が続けられ現在でも使われている。

次はSC2004である。企業展示では、IBM、Cray、SGIなどが印象に残った。去年に引き続いてChina/HPC Workshopが開催された。

(タイトル画像: Dawning 出典:Sugon社ホームページより)

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