世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


4月 4, 2019

シンガポール、スーパーコンピューティングの能力を劇的に増強へ

HPCwire Japan

Oliver Peckham

シンガポールの国立スーパーコンピューティング・センター(NSCC)は、スーパーコンピューティングの能力を1桁向上させる態勢にある。 2016年12月にNSCCは、ペタスケールイノベーション研究およびエンタープライズ向けアドバンストスーパーコンピュータ(ASPIRE 1)を投入し、シンガポールをペタスケール時代にした。 NSCCは、Pawsey スーパーコンピューティング・センターとの国際合意から1年後に、2億ドルのアップグレードを計画している。

 
  ASPIRE 1. 画像:NSCC提供
   

現在、ASPIRE 1は、主にIntel Xeonプロセッサを利用する1,288ノードで構成され、一部のノードはNVIDIA Tesla GPUによって高速化されており、スーパーコンピューティング能力は1ペタフロップスと評価されている。提案されているアップグレードでは、約1億5千万ドルの費用がかかり、その能力は約15〜20ペタフロップスの計算能力とストレージを備えたシステムを生み出すことが期待されている

アップグレードが完了すると、NSCCのスーパーコンピュータは世界中のトップ15のシステムの中に入る可能性がある。アップグレードはまた、近年約4,000人のユーザを抱え、90%以上で動作していASPIRE 1の負荷を軽減することが期待されている。

ASPIRE 1自体のアップグレード以外にも、NSCCは、パートナーに接続する高性能ネットワーク、「ウルトラ・グリーン」データセンター、既存ユーザー向けの通常ネットワークのアップグレードなど、関連するアップグレードにお金をかけることを期待している。 NSCCはさらに、次のシステムをフローティングプラットフォームに収容するなど、飛躍的なアイデアを検討中である。

アップグレードは、Supercomputing Asia会議で、シンガポールの財務大臣Heng Swee Keatによって発表された。 「どのようにしてすべての産業を部門ごとに体系的に変革し、新しい成長の原動力を模索するかが、将来の経済にとって鍵となるでしょう。」と彼は述べた。 「この点でハイフォーマンス・コンピューティングは重要な役割を果たすことができます。」確かに、NSCCは現在、そのスーパーコンピューティング能力を使って、気候モデリングや石油掘削装置やエンジンなどの物体のシミュレーションを行っている。

アップグレードの開始時期や完成時期については発表されていない。