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2月 20, 2020

量子もつれと量子臨界の関係を研究

HPCwire Japan

John Russell

量子物理学は、わかりやすさを見失いやすい不可思議な分野である。例えば、量子もつれは、2つの粒子が「連結」され、宇宙の反対側のように、とてつもなく遠距離であるにもかかわらず、それらのいずれかの変化に即座に応答することができるという重要な(特異な)考えである。これが有名な、「量子の非局所性」の考えである。もつれは、量子計算の力を与えるもの、あるいは与えるものの核心でもある。

現在、ライス大学の研究者らの研究において、もう一つの量子特性-高温超伝導の重要な特徴である量子臨界-がもつれに関係している可能性が示唆されている。IEEE Spectrumに掲載され、Mark Andersonによって書かれた概略には、この研究について記載されている:

「中間結果によると、同じ物理学に近いものがこれら2つの本質的ではあるが、以前は明確であった量子技術の背後にあることを示唆しています。そして、ある分野での突破口を他の分野に変換できる、もつれと超伝導の一種の壮大な統一理論が開発される未来を想像するような誘惑へと導くのです。」

「研究は、ウィーン工科大学の研究者らが作製したイッテルビウムロジウム、シリコンの元素からなる金属の薄膜を中心進められています。ライス大学のチームは、その独特の性質を分析しました。」

「彼らは、膜が、いわゆる「量子臨界」挙動を示し、数十億の電子の間で広範囲にわたるレベルの量子もつれを示す状態で、観察をしました。」

ライス大学の物理学教授で、ライス量子材料センターの責任者、Qimiao Siは、「通常は量子ビットを使用して、1つ構築し、2つ構築し、それが10に達すると、もう膨大な数なのです」と語った。「集合的に、量子力学的に絡み合う非常に多くの電子が存在するという確約は興味をそそり、量子工学のリソースになる可能性があるのです。」

この研究を記述した論文「Singular charge fluctuations at a magnetic quantum critical point」は、サイエンスにて発表された。

IEEE Spectrumの記事「Quantum Entanglement Meets Superconductivity in Novel Experiment」へのリンク:
https://spectrum.ieee.org/nanoclast/computing/hardware/quantum-entanglement-superconductivity-technology-news-novel-experiment

イラストのキャプションと提供元:
「Terahertz radiation illuminates the material, which is made up of three elements.」ウィーン工科大学