世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


8月 8, 2014

マイクロンとインテル、Knight’s Landingのメモリ・スライスを公表

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

プリ・エクサスケールの時代になると、電力消費量、ネットワーク帯域、I/Oの問題や他の問題が、増大する統合化を押し続ける。これはドイツで行われたInternational Supercomputing Conference会期中の重要なテーマだった。そこでは、インテルのRaj Hazraが2015年までに市場に出回ることが望まれている未来のKnight’s Landingプロセッサの様々な部分をいかに統合していくかについて、早期の外観を提供した。

マイクロンとそのハイブリッド・メモリ・キューブにおける潜在的なつながりについて十分な憶測がなされてきたが、オンパッケージ・メモリに関してKnight’s Landingが提供するものに関してはいくつもの謎がある。インテルはついにこれに光を当て、DDR4の5倍の帯域で16GBのオンパッケージ・メモリを持つことを示唆しており、これは現在のXeon Phiの三分の一のスペースで5倍の効率を持ったものだ。マイクロンはその後即座にフォローし、本当にHMC技術がKnight’s Landingのメモリ機能の中心であることを表明した。

我々はマイクロンから2011年のIntel Developer Forumで発表されたHMC製品に関して多くのことを聞いてきている。思い出すために、全体的なメリットと詳細をハイライトした最近のスライドを見てみよう。

20140624F1-HMC2-1024x768

マイクロンから入手した下のスライドは、予測されるKnight’s Landingチップに関するいくつかの詳細がレイアウトされている。マイクロンによると、機能を「例外的な組み合わせであるロジックとDRAMの両方を搭載した高性能スタックメモリ・ソリューションを、革新・設計・組立・製造する」ことにマッチするように2つのチームが数年間協力してきた。インテルのメモリインタフェースは、DDR4の5倍の帯域の最適な性能と効率を、省スペースでビット当たり半分のエネルギーで提供するために、メモリシステムにプロセッサと結婚させたのだ、とマイクロンは指摘する。

20140624F1-KL1

すでに述べたように、NERSCの「Cori」スーパーコンピュータを含め、Knight’s Landingマシンが到着する準備をすでに進めているセンターがある。NDAでセンターにすでに公表した内容以上に、HPCコミュニティは、今後のアーキテクチャの将来のアプリケーション開発者やユーザがより準備ができるように、インテルにできるだけ詳しい内容を公表するようプッシュしている、とインテルは言う。構造、メモリおよびプログラミングに必要なことを理解することは必要不可欠であり、インテルはいくつかの新しい詳細を公表した。

2016年のCoriシステムについてNERSCのKatie Antypasと話した際に、Knight’s Landingベースのクレイ・スーパーコンピュータに期待されているオンパッケージ・メモリの重要性を彼女は強調した。

本当の魅力は、実際のアプリケーションの要件よりも計算能力によってする事が少ないことだ。「これは私どものワークロードには重要なことです。それは我々のアプリケーションの殆どが計算で制限されておらず、メモリ帯域で引き止められているからです。」と彼女は始めた。「性能と効率は鍵ですが、利用者にとっては、この自己ホストアーキテクチャを持つことが意味するところは、コプロセッサにデータを載せたり出したりすることに悩む必要がないことです。」

インテルとマイクロンから別々に漏れてきたニュースに加えて、我々はまた次世代Knight’s Landing製品の構造に関するいくつかの新しい詳細を得た。インテルはOmniScaleと呼ばれる製品の新しい名前を解き放った。まだ技術的な詳細の面では謎の大きな部分は隠されているが、現在のTrueScale製品とは異なるようだ。この新しいOmniScale構造はInfiniBandではないが、TrueScaleで証明された全てのこれまでの歴史とソフトウェアスタックを活用したものとなるだろう、とHarzaは言う。2015年に正式に発売された際には、コンパニオン・アップグレード・パッケージが一揃い提供されるだろう(ユーザへの影響を最小限に留める変更である、と我々は少なくとも教えられている)。興味深いのは、OmniScaleはクレイから獲得した資産に基づいていないが、チームの仕事とTrueScaleの開発を活用していることを我々は知っている。InfiniBandではないが、既存のソリューションと互換性がある、とHarzaは言う。

20140624F1-KL2

HazraとWuishpardは、次世代のXeon Phiのいくつかの非常に大きなシステムの契約発表を今後数カ月以内に示唆している。彼らは、この夏の初めに我々がレポートしたように、さらに新しいロケーションが含まれ拡張された並列計算センターを介して必要とされるKnight’s Landingとそのソフトウェア環境の両方における新たな押し上げによる投資を強化している。

インテルはHPCを全体的なデータセンター市場の急速に成長する部分でセグメント内で20%の成長が見込まれていると見ている。これは高く聞こえるが、インテルのCharles Wuishpardが認めるところによると、この数字は単に一般的な市場拡大を表しておらず、研究機関、アカデミアおよび企業環境の範囲に広がる計算集約型の「ビッグデータ」問題の周りの勢いである。International Supercomputing Conferenceで発表された内容を含む多くの開発に携わっているテクニカル・コンピューティング・グループにいる彼と彼のチームは、最終的に一般の企業データセンターセグメントへの入っていくことを見ている。例えば彼が指摘するように、「将来のKnight’s Landingプロセッサを見たならば、シングルソケットで3テラフロップスの総合性能が可能となります。これはたった15年前の世界のトップ・スーパーコンピュータに見られた性能なのです。」