インテル、HPCグループを再編し、2つの「スーパーコンピューティング」グループを設立

Tiffany Trader

6月にインテルのHPC部門をデータ・プラットフォーム・グループから、Raja Koduriが率いるアクセラレイテッド・コンピューティング・システム・アンド・グラフィックス（AXG）ビジネス・ユニットに移したのに続き、インテルはHPCグループのさらなるアップデートを行い、2人の新しい部門長を発表した。

AXG内の新たな組織変更により、HPC事業は、Jeff McVeighが率いるスーパーコンピュートグループと、Brijesh Tripathiが率いるスーパーコンピュートプラットフォーム・エンジニアリンググループの2つの異なるグループに分かれることとなる。

インテルのJeff McVeigh

スーパーコンピュートグループのジェネラルマネージャーであるMcVeighは、ハイパフォーマンス・コンピューティングに特に最適化されたCPUとGPUの製品および技術に注力している。将来のエクサスケールスーパーコンピュータ「Aurora」の目玉となる、近日発売予定のXe GPU「Ponte Vecchio」はその一例である。McVeighは、インテルに25年以上在籍している。彼のLinkedInのプロフィールには、現在もデータセンターXPU製品・ソリューション担当副社長兼ゼネラルマネージャーという役職が記されている。

Tripathiは、スーパーコンピュートプラットフォームエンジニアリンググループのジェネラルマネージャーとして、Auroraを含む様々なHPCやスーパーコンピュートシステムに導入されるプラットフォームのアーキテクチャ、設計、検証に注力している。Tripathiは、インテルのクライアント・コンピューティング・グループのバイスプレジデント兼チーフ・テクノロジー・オフィサーを経て、今回の役職に就いている。

	インテルのBrijesh Tripathi

HPC部門を2つの陣営に分けることで、McVeighが率いる製品・ビジネスサイドと、Tripathiが率いるエンジニアリング・アーキテクチャ・プラットフォームサイドの2つの陣営が生まれる。「これは、我々がどのように設計し、どのようにチームを構築するかの典型的な例です。データセンター側やクライアント側では一般的に、ビジネスに焦点を当て、次にアーキテクチャ・エンジニアリングに焦点を当てます。」と、インテルの担当者はHPCwireに語っている。

インテルは、HPEと共同で、来年、アルゴンヌ国立研究所に米国初のエクサスケール・スーパーコンピュータの1つであるAuroraを提供するために準備を進めている。Auroraは、HPE Cray EXのキャビネット内にIntel Sapphire RapidsプロセッサとPonte Vecchio GPUを搭載する。インテルの広報担当者は、McVeigh、Tripathi、Koduriの3人は、この取り組みに加えて、まだ公表されていない他のエクサスケールの取り組みにも関わっていると述べている。

新しい「スーパーコンピュート」グループの名称は、確かにエクサスケール時代のブランドにふさわしいものだが、この名称変更は、HPCビジネスが常にデリケートなマーケティングゲームを行ってきたという事実を想起させ、あまりにも最先端（あるいは最先端の響き）であることは、見込み客を遠ざけることになりかねない。この30年の間に、この分野のブランディング活動は、ハイパフォーマンス・コンピューティングという、より親しみやすい響きを持つ言葉を使うようになった。実際、HPCwireはSupercomputing Reviewという出版物から生まれたものである。しかし、時代は変わりつつあるのかもしれない。AIがいたるところにある中で、HPCやスーパーコンピューティングはそれほど怖い響きではなくなってきている。

今回の再編前、AXG内のHPCチームは、HPCのベテランであるTrish Damkrogerが率いていたが、その正式な肩書きは、インテルのハイパフォーマンス・コンピューティング・グループの副社長兼ゼネラル・マネージャーだった。同社では、Damkrogerが現在もインテルに在籍していることを確認しているが、新しい役割についてはまだ明らかにしていない。

HPCグループがAXGに移動した6月に、データプラットフォームグループはデータセンター＆AIグループとネットワーク＆エッジグループの2つの新しいビジネスユニットに再編された。前者ではSandra Riveraがエグゼクティブバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務め、後者ではNick McKeownがシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めている。Rivera、McKeown、Koduriの3名は、インテルのCEOであるPat Gelsingerの直属であり、インテルのソフトウェア＆アドバンスト・テクノロジー・グループの上級副社長兼最高技術責任者兼ゼネラル・マネージャーであるGreg Lavenderも同様である。

HPCグループ再編の意図は、「インテルとHPCビジネスをより調和のとれた形で運営し、製品の設計・開発・製造をより迅速に行い、お客様にお届けすることです。」とインテルの担当者は語っている。

これは発展途上の話です。