チーフ・プロセッサ・アーキテクトがAMDを去る
Tiffany Trader

AMDのマイクロプロセッサ・コアの前チーフ・アーキテクトであったJim Kellerは、この半導体企業を2度目の退職をし、他のチャンスを追い求めることとなった。Kellerは同社の次世代x86の「Zen」コアの責任者で、AMDのロードマップのセンターステージを行くものであり、その戦略の中でより大規模なライバルであるインテル社と戦うものだった。来年まで出る予定はなく、製品の成功は複数年に及ぶ下落を巻き返すAMDの最後のチャンスかもしれない。
AMDはKellerの退職の重要性を軽視しており、同社は依然「Zen」のサンプル出荷を2016年とし、最初の売上を2017年と計画している、とニュースソースのHexusは伝えている。AMDの最高技術責任者で上級副社長のMark PapermasterがKellerの後任となる予定だ。
Kellerは1999年にAMDを最初に退職している。2年間にも及ぼなかったが、彼はAMDのAthlon K7プロセッサの開発を助け、K8マイクロアーキテクチャのリード・アーキテクトとして勤務した。彼はまた、HyperTransportの仕様とx86-64プロセッサの命令セットの共著者でもある。彼は2012年にAMDに復帰し、「Zen」アーキテクチャと関連するIPの開発を監督していた。真新しいx86プロセッサ
コアはクロック当たりの命令実行を「Excavator 」コアの最大40パーセント改善し、同時マルチスレッドをサポートしていると言われている。
AMDの計画ではZenを最初にゲーマーに提供するが、x86コアはまたAMDのHPCおよびエクサスケール・コンピューティングのビジョンへの復帰に不可欠なものでもある。その回帰の頂点は、ZenコアとマルチテラフロップスのGPU能力を組み合わせた新しいハイパフォーマンス・サーバAPUである。最近のIEEEの論文で学んだように、AMDは、「エクサスケール・ヘテロ・プロセッサ」もしくは略称でEHPと名付けられた巨大なAPUと取り組んでいる。この巨大なAPUは、Greenlandグラフィックス付きの32個のZenコアと、32GBのオンボードの2.5次元インターポーザーのHBM2メモリを一体化させている。
こんなに高い賭けの中でZenチップはリリースまでまだ数ヶ月先であり、今回のKellerの退職がAMDの次世代x86プロセッサコアと関連IPの成功にどの程度影響するのだろうか?Zenは2016の第4四半期まで出て来ないという話が噂されている。これは、2017年に予定されている10nmのCannonlakeを含むインテルの改良ラインアップによる疎外から逃げるのに十分に早いのだろうか?
時間のみが知っているが、AMDからのメッセージでは公表されている製品・技術のロードマップに変更はないとのことだ。