新HPCの歩み(第263回)-2008年(b)-
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兵庫県、神戸市、神戸商工会議所の出捐により財団法人計算科学振興財団(FOCUS)が設立された。文部科学省のビルが完成し、仮庁舎から戻ったが、汚職事件が発覚し大幅な人事異動があった。NAREGIが終了し、「e-サイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェアの研究開発」が始まる。 |
次世代スーパーコンピュータ開発(続き)
7) グランドチャレンジ(バイオ)
一方、もう一つのグランドチャレンジである「次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発」では、シンポジウム「バイオスーパーコンピューティング・シンポジウム(BSCS)2008~新たな学問領域の創成に向けて~」を、2008年12月25日~26日明治安田生命ビルのMY PLAZAホールで開催した。写真はCSRPのページから。
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プログラムは以下の通り。
12月25日
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10:00 |
開会挨拶・趣旨説明 |
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10:15 |
基調講演 「“大”国家プロジェクトのあるべき姿~世界を先導しなければならない~」 |
和田昭允(理化学研究所) |
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11:00 |
スーパーコンピュータで変わる生命科学の世界 |
姫野龍太郎(理化学研究所) |
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12:00 |
ポスターセッション |
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15:00 |
招待講演 「脳科学のコンピューティングBMIからシステムバイオロジー」 |
川人光男(ATR脳情報研究所) |
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16:00 |
講演:生命科学分野でのスーパーコンピューティングへの期待I |
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(1)「医療からの期待」 |
後藤信哉(東海大学医学部) |
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(2)「国家基幹技術と創薬」
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西島和三(持田製薬(株)、東北大学) |
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17:00 |
ポスターセッション表彰式 |
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17:30 |
懇親会 |
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12月26日
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10:00 |
講演「理研が目指す次世代計算科学センター」 |
茅幸二(理化学研究所) |
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10:20 |
報告「生命体統合シミュレーション開発状況報告」 |
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10:20 |
全体報告: |
姫野龍太郎 |
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10:30 |
報告(1) 分子スケール研究開発チーム |
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11:15 |
報告(2) 細胞スケール研究開発チーム |
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13:15 |
報告(3) 臓器全身スケール研究開発チーム |
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14:00 |
報告(4) データ解析融合研究開発チーム |
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14:45 |
報告(5) 生命体基盤ソフトウェア開発・高度化チーム |
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15:15 |
報告(6) 脳神経系研究開発チーム |
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16:00 |
講演:生命科学分野でのスーパーコンピューティングへの期待II |
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(3)「DNAシーケンス革命とスーパーコンピューティング」 |
五條堀孝(国立遺伝学研究所) |
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16:30 |
閉会挨拶 |
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8) 計算科学振興財団(FOCUS)設立
次世代スーパーコンピュータを神戸に建設するという決定を受けて、2008年1月22日、兵庫県(5000万円)、神戸市(5000万円)、神戸商工会議所(100万円)の出捐(しゅつえん)により財団法人計算科学振興財団(FOCUS, Foundation for Computational Science)が設立された。その趣旨は、その後のHPによれば、スーパーコンピュータ「京」の活用を図るため、研究開発や産業利用の推進ならびに広く普及啓発を行うことにより、計算科学分野の振興と産業経済の発展に寄与することであった。ただし「京」という愛称が決まるのは2010年である。企業コンサルテーションにより潜在的なHPC利用需要を掘り起こすとともに、企業のシミュレーション技術の高度化を支援した。また、実践スクールや研究会などを通じて、企業技術者のHPC技術の習得・向上に貢献し、コミュニティ形成に向けた基盤の構築を行ってきた。
2008年4月21日、下妻・関経連会長と水越・神戸商工会議所会頭が呼びかけ人となり、理化学研究所が神戸市に建設している次世代スーパーコンピューター施設の全国規模での活用を促すことを目的として、次世代スーパーコンピュータ利用推進協議会設立総会が開催された。1月に設立された計算科学振興財団を支援するとともに、次世代スパコンの活用に係る研究会活動等を行う産業界を中心とした会員組織である。設立総会では会長に水越・神戸製鋼所会長を選任、副会長、監事を選任した。(関経連 NOW 2008/3)
関西経済連合会と神戸商工会議所は4月21日、理化学研究所が神戸市に建設している次世代スーパーコンピューター施設の全国規模での活用を促す推進協議会を設立した。(日経ネット関西版 2008/4/21)
2008年12月11日、FOCUS主催で、産官学ユーザーネットワーク研究会が阪急グランドビルで開催された。筆者は依頼されて「シミュレーションとは何か」という講演を行った。企業の参加者から自社におけるコンピュータの利用状況について報告があったが、印象的だったのは、企業では商用ソフトを買って動かすだけかと思っていたら、社内でソフトを開発して利用することも少なくない(とくに材料関係)ということである。
日本政府の動き
1) 研究開発力強化法
2008年5月29日の参議院内閣委員会に、自由民主党・公明党・民主党の3党の議員から研究開発力強化法が共同提案され、6月5日の衆議院本会議で可決成立した。これは、国際的な競争が激しくなる中で、資源に乏しく少子高齢化が進展する日本が、国際競争力を維持し、活力ある社会・経済を実現するためには、研究開発力の強化が必要であり、そのための環境整備を行おうとするものである。アメリカの「競争力強化法」(2007年)、中国の「国家中長期科学技術発展計画」(2006年)、「中国科学技術進歩法」(2007年)、イギリスの「イノベーション・大学・技能省の設立(2007年)、EUの「第7次フレームワークプログラム(FP7)」」(2007年~2013年)などに対応する法制である。
2) 日本学術会議
日本学術会議20期の連携会員は、3年目に入った。最終年度である。E-サイエンス分科会の第3回は、2008年3月28日に学術会議で開催された。文部科学省研究振興局情報課学術基盤整備室長の井深 順二氏から、「学術情報基盤作業部会における審議状況の報告」と「平成18年度学術情報基盤実態調査結果の報告」があり、続いて筆者が「次世代スパコンプロジェクトとE-サイエンス」という発題を行った。後半は、分科会からの提言案について議論した。提言案については、松岡聡委員から、「サイバーサイエンスインフラ(CSI)の今後の方向性について」という力作の文章が提示された。
第4回は、2008年7月9日に学術会議において開催され、第20期活動の総括と分科会「記録」(14ページ)について検討した。「記録」についてはメール審議で加筆訂正し、最終的には18ページの記録「日本におけるE-サイエンスの推進に関する諸課題」となった。「記録」のなかでITBLの評価をどう書くかについて、委員の間で大きな論点となった。この分科会委員でも、筆者はITBLの発足の評価委員長を務め、坂内委員は中間評価の委員長を務めるなど関係者も多い。評価委員会では、分散した計算資源をシームレスにつなぐ実験として一定の意味があったという評価を行った経緯がある。ただ、グリッドの概念が確立する前に構想されたので、インターオペラビリティなど点で現代的な意味のグリッドではなく、日本のサイエンスグリッドの基軸というわけでもない。微妙なバランスの落としどころに苦労した。
国際サイエンスデータ分科会では、2008年2月1日、CODATAのTreasurerに長島昭氏、ECメンバに五條堀孝氏を、どういうわけか私の名前で推薦した。偶然ではあるが、1月31日ローマ教皇庁から発表があり、五條堀氏が教皇庁科学アカデミーの通常会員に任命された。日本人はほかに野依良治氏のみ(当時)。
3) 総合科学技術会議
同会議の専門調査会の一つに評価専門調査会がある。2008年度の活動を記録する。次世代スーパーコンピュータに直接関係のある議題はない。
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日付 |
主要議題 |
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第70回 |
2008年3月3日 |
評価システム改革の推進について |
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第71回 |
2008年4月10日 |
評価システム改革の推進について |
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第72回 |
2008年5月23日 |
国の研究開発評価に関する大綱的指針の見直しについて 平成18年度に実施した「国家的に重要な研究開発の事前評価」のフォローアップの実施方法について |
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第73回 |
2008年6月16日 |
国の研究開発評価に関する大綱的指針の見直しについて |
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第74回 |
2008年7月9日 |
平成18年度に実施した「国家的に重要な研究開発の事前評価」のフォローアップについて 国の研究開発評価に関する大綱的指針の改定について |
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第75回 |
2008年9月9日 |
平成18年度に実施した「国家的に重要な研究開発の事前評価」のフォローアップについて 平成20年度における「国家的に重要な研究開発の事前評価」について |
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第76回 |
2008年10月17日 |
平成20年度における国家的に重要な研究開発の事前評価について 総合科学技術会議が事前評価を実施した国家的に重要な研究開発の事後評価について 「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定について |
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第77回 |
2008年11月17日 |
平成20年度における国家的に重要な研究開発の事前評価について 総合科学技術会議が事前評価を実施した国家的に重要な研究開発の事後評価の進め方について 「国の研究開発評価に関する大綱的指針」の改定について |
4) 文部科学省(庁舎完成、人事)
文部科学省は2004年1月から、虎ノ門の庁舎の建て替えのため、丸の内二丁目の旧三菱重工ビルを仮庁舎として活動してきたが、2008年1月、中央合同庁舎第7号館が完成し虎ノ門に戻った。
2008年に文部科学省文教施設企画部で贈収賄事件が発覚し、4月4日に文教施設企画部長と企業関係者が逮捕された。(Wikipedia:文部科学省施設整備汚職事件)これを受けて、渡海紀三朗文部科学相は7月11日、同日付発令の大幅な文部科学省幹部人事異動を発表した。文部科学省審議官は、林幸秀氏に代わって理研の理事であった坂田東一氏が就任した。(毎日新聞 2008/7/11夕刊)坂田氏はその後、2009年7月~2010年7月に文部科学省事務次官。
またスーパーコンピュータ整備推進室長の関根仁博氏は経済産業省に出向し、後任は井上諭一氏となった。2009年の事業仕分けで苦楽を共にすることになる。
5) 科学技術・学術審議会
文部科学省の科学技術・学術審議会は、2008年中には3回開催された。スーパーコンピュータ関連は予算関係の資料に出る程度である。
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日付 |
主要議題 |
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第24回 |
2008年2月7日 |
1.平成20年度予算案について 2.独立行政法人の整理合理化計画について 3.iPS細胞研究等の加速に向けた取組について 4.各分科会等の審議状況について 5.地震・火山噴火予知研究計画について (配付資料)(議事録) |
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第25回 |
2008年7月17日 |
1.地震及び火山噴火予知のための観測研究計画の推進について 2.各分科会等の審議状況について |
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第26回 |
2008年9月9日 |
1.平成21年度概算要求について 2.各分科会等の審議状況について 3.長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について |
6) 文部科学省研究計画・評価分科会
文部科学省の科学技術・学術審議会の研究計画・評価分科会は2008年中に3回開催された。
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日付 |
主な議題 |
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第26回 |
2008年2月5日 |
1.平成18年度で終了した研究開発課題の事後評価結果について 2.研究計画・評価分科会における評価の進め方について 3.平成20年度予算案について 4.iPS細胞研究等の加速に向けた取組について 5.戦略的創造研究推進事業の平成20年度の戦略目標について 6.平成19年度科学技術振興調整費の評価について |
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第27回 |
2008年6月24日 |
1.平成21年度の各研究開発について 2.科学技術の振興に関する年次報告について 3.研究開発力強化法の概要について |
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第28回 |
2008年8月29日 |
1.重点課題等の評価結果について 2.平成19年度で終了した研究開発課題の事後評価結果について 3.長期的展望に立つ脳科学研究の基本的構想及び推進方策について 4.平成21年度の我が国における地球観測の実施方針について 5.地球環境科学技術に関する研究開発の推進方策の見直しについて (配付資料)(議事録) |
第28回では、将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発プロジェクトの事後評価が報告されている。
7) 情報科学技術委員会
文部科学省科学技術・学術審議会の情報科学技術委員会が開かれている。
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第47回 |
2008年2月6日 |
1.平成20年度政府予算案について 2.研究開発課題の評価の進め方について 3.今後の情報科学技術に関する研究開発の推進について 4.その他(次世代スーパーコンピュータ作業部会の報告) |
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第48回 |
2008年3月3日 |
1.「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発プロジェクト」最終成果報告会 |
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第49回 |
2008年3月27日 |
1.今後の情報科学技術に関する研究開発の推進について 2.「e‐Society基盤ソフトウェアの総合開発」第1回最終成果報告会 |
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第50回 |
2008年4月15日 |
1.「e‐Society基盤ソフトウェアの総合開発」第2回最終成果報告会 |
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第51回 |
2008年5月13日 |
1.「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発プロジェクト」最終成果報告会 2.「安全なユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発プロジェクト」最終成果報告会 3.「サイエンスグリッドNAREGIプログラムの研究開発」最終成果報告会 |
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第52回 |
2008年7月1日 |
1.今後の情報科学技術に関する研究開発の推進について 2.「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発プロジェクト」事後評価 |
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第53回 |
2008年7月25日 |
1.平成21年度に重点的に推進すべき研究開発について 2.「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発プロジェクト」事後評価について 3.次世代スーパーコンピュータ作業部会の報告について |
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第54回 |
2008年8月28日 |
1.平成21年度における情報科学技術分野の重点事項の評価について 2.「e‐Society基盤ソフトウェアの総合開発」事後評価について 3.「次世代生命体統合シミュレーションソフトウェアの研究開発」中間評価について(報告) |
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第55回 |
2008年12月11日 |
1.総合科学技術会議による平成21年度概算要求における科学技術関係施策の優先度判定等について 2.「e-Society基盤ソフトウェアの総合開発」事後評価について 3.「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発プロジェクト」事後評価について 4.「安全なユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発プロジェクト」事後評価について 5.「サイエンスグリッドNAREGIプログラムの研究開発」事後評価について 6.次世代スーパーコンピュータ戦略委員会の立ち上げについて |
2008年7月25日の第53回情報科学技術委員会には、次世代スーパーコンピュータ作業部会報告書が提出された。主な指摘事項は以下の通り。
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1.次世代スパコンの共用の在り方 ○次世代スパコンの①共用法に基づく施設、②世界最先端・最高性能の計算機、という特徴を踏まえ、多くの研究者等に活用されるとともに、優れた成果が創出される仕組みや環境を構築すべき。 ○利用のあり方として、多様な研究者のニーズに応える利用(一般的利用)とともに、社会的・国家的見地から特定分野の研究を戦略的・重点的に推 進する「戦略的利用」の考え方を導入することが必要。 ○一般的利用においては、産業利用を促進するための産業利用枠や、人材育成のための教育利用枠等の設定が必要。 ○次世代スパコンの高度化等のために、設置者である理研に一定時間の利用を認めることが必要。 ○次世代スパコンの能力を最大限に活用するため、登録機関による利用者への情報提供、利用に関する相談及び利用支援、アプリケーションの調整のための支援などきめ細かい研究支援が不可欠。 ○その他、研究成果の取扱い、人材育成、情報発信・理解増進、関係機関との連携について指摘。 |
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2.次世代スパコンにおける研究機能の構築 ○戦略的利用を具体化するために、戦略分野、戦略目標のもと研究開発や人材育成を重点的・戦略的に実施する「戦略的研究開発プログラム」を創設。 ・戦略的研究開発プログラム全体のマネジメントを行う戦略委員会(仮称)を設置。戦略分野及び戦略目標は、本委員会の検討を踏まえ設定。 ・国は、戦略分野及び戦略目標ごとに研究機関を対象として公募を行い、戦略委員会の選定を踏まえ、戦略機関を決定。 ・戦略機関の研究期間は、原則5年間とし、期間中は計算資源の割り当てなど次世代スパコンを優先的に利用。 ○設置者である理研が、次世代スパコンの高度化など設置運用の効率化や利用者の利便性向上のための研究を実施することが適当。また、今後、このような研究開発を戦略分野に位置づけることを検討することが必要。 ○効率的・効果的に研究開発や人材育成を行っていくための連携体制の構築のため、理研が中心となり、戦略機関、理研、登録機関で構成される連携推進会議を設置することが必要。また、利用者を含めた幅広い関係者からなるフォーラムを開催する。 ○次世代スパコン施設において産業利用や人材育成などの諸機能が全体として有機的に形成されることが必要。 ○全国からの遠隔利用が可能であり、全国に存在する計算機資源と連携を図りながら、全体としてネットワーク型の機能形成を図っていくことも留意することが必要。 |
産業利用枠、人材育成枠、理研の利用、戦略プログラムや連携推進会議などの制度設計は、これを基に行われた。
8) 地球シミュレータ運用終了
地球シミュレータ(初代)は2002年から運用されてきたが、2008年で運用を終了した。2009年3月からはES2が稼働する。これは160ノードのNEC SX-9/Eであり、ノード当たり8 CPU、クロックは3.2 GHz、CPU性能は102.4 Gflops、ピーク性能は131.072 TFlopsである。公式には入れ替えではなく、「地球シミュレータを部品交換で能力を2倍にする」という計画であった。
9) NAREGI
「超高速コンピュータ網形成プロジェクト(NAREGI)」は、2003年4月から文部科学省の委託研究としてグリッドミドルウェアを研究開発するプロジェクトとしてスタートし、2006年度から 2007年度までは「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用プロジェクトNAREGIプログラム」として推進された。2008年3月をもって終了し、NAREGIミドルウェアVer.1.0が5月9日から公開された。Ver.1.1は10月21日にリリースされた。
2008年6月6日には、一ツ橋記念講堂(学術総合センター)において「NAREGI成果報告会」が開催された。プログラムは以下の通り。
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13:00 |
開会挨拶 |
坂内 正夫(国立情報学研究所長) 勝野 頼彦(文部科学省 研究振興局 情報課長) |
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13:10 |
NAREGI総合報告 |
三浦 謙一 (国立情報学研究所 教授/リサーチグリッド研究開発センター長) |
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13:35 |
NAREGIミドルウェア Ver. 1.0のアーキテクチャ |
松岡 聡 (国立情報学研究所 客員教授/東京工業大学 教授) |
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14:00 |
NAREGIミドルウェアVer. 1.0の利用環境 |
宇佐見 仁英 (国立情報学研究所 特任教授) |
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14:20 |
休 憩 |
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14:30 |
分子科学研究所実証研究報告 |
斉藤 真司 (国立情報学研究所 客員教授/分子科学研究所 教授) |
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14:50 |
大規模連携実証実験報告 |
東田 学 (大阪大学 助教) |
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15:10 |
NAREGIミドルウェアの展開 |
合田 憲人 (国立情報学研究所 教授) |
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15:30 |
閉会挨拶 |
三浦 謙一 (国立情報学研究所 教授/リサーチグリッド研究開発センター長) |
10) 「e-サイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェアの研究開発」プロジェクト
文部科学省では、「次世代IT基盤構築のための研究開発」の一つとして、2008年度から2011年度末まで4年間にわたって「e-サイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェアの研究開発」プロジェクトが実施された。これは、「研究室レベルのコンピュータからスーパーコンピュータまで、規模も処理能力も異なるコンピュータを組織や階層をまたいで効率的・効果的に利用するためのシステム統合・連携ソフトウェアの研究開発を行う。これにより、大学等を含め全国に散在する様々な計算資源をユーザがそのニーズに応じてストレスなく利活用できるe-サイエンス基盤の構築を可能とする。」ことを目的とし、以下の2つのテーマで研究開発を行う。
(1)「高生産・高性能計算機環境実現のためのシステムソフトウェアの研究開発」
研究室レベルのPCクラスタ、大学・研究機関等のスーパーコンピュータシステム、次世代スーパーコンピュータにおいて、より上位の計算資源を活用しようとした場合に、プログラムを改変せずに各環境で最適に実行するためのシステムソフトウェア(コンパイラ、ライブラリ等)
(2)「計算資源等の効率的な利用を実現するためのグリッドソフトウェアの研究開発」
NISにおいて運用されているグリッド環境と連携することにより、LLS間あるいはNIS-LLS間でデータ共有や計算資源の効率的な活用等のために必要な仮想組織の構築を可能とし、かつ各応用分野の研究者でも運用が可能なグリッドソフトウェア
筆者はこのPO (Program Officer)となるよう依頼された。プロジェクトの支援はJSTが行う。審査検討委員として以下の6名の有識者にお願いした。
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青柳 睦(九州大) |
岩野和生(IBM) |
小長谷明彦(東工大) |
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中田登志之(NEC) |
本多弘樹(電通大) |
米澤明憲(東京大) |
5月13日から6月16日まで課題を公募した。公募の対象は個人ではなく、国内の産官学の研究開発期間・組織であった。第1回目の審査検討会(提案ヒアリング)が6月27日に開催された。上記2つのテーマにそれぞれ3件ずつの応募があったが、以下の課題が採択された。4年間の総額は各1.7億円を予定。
(1) シームレス高生産・高性能プログラミング環境(研究代表者:石川裕、東京大学)
(2) 研究コミュニティ形成のための資源連携技術に関する研究(研究代表者:三浦謙一、国立情報研)
石川代表の課題はT2Kオープンスパコン計画をソフト環境に発展させたものであり、また三浦代表の課題はNAREGIプロジェクトの成果を研究コミュニティ形成に役立てようとするものであった。SC08 (Austin)では、両グループともeサイエンスの展示を行った。12月10日には国立情報学研究所(学術総合センター)においてeサイエンスのキックオフ会議を行った。
11) 「イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクト
これも文部科学省の「次世代IT基盤構築のための研究開発」の一つであるが、「イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトが実施され、審査検討委員を頼まれた。POは中村道治(日立)。第1回の審査検討会(提案ヒアリング)が8月31日(日曜日)に開催された。6件の申請の中から加藤千幸(東京大学生産技術研究所)代表の「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発(略称:RISS)」を採択した。
12) JST自己評価委員会
2008年4月からJSTの自己評価委員会の外部委員を委嘱された。個別の事業の評価は審議会委員としてずいぶんやっていたが、この委員会はJST全体の多岐にわたる事業全体を2日間の会議で評価する。なかなか大変である。研究領域の総合評価もその後いくつか担当した。
13) JST先端計測
2004年度から始まったJSTの先端計測分析技術・機器開発事業では、計測とシミュレーションを組み合わせるいくつかのプロジェクトを担当し、現地調査などを行った。先端計測技術評価委員としては、応募申請書の書類選考、面接選考などを行った。とくに計測のための解析ソフトウェア開発の申請を審査した。
14) JSTシミュレーション
2002年度から始まった「シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築」(CRESTプログラム、さきがけプログラムの混合型領域、総括は土居範久)は、さきがけはすでに終了し、CREST課題だけが進められた。11月12日には慶應義塾大学(三田)北館ホールにおいて公開シンポジウムが行われた。12月17日には、2003年度採択のCRESTの5チーム(富士通穴井チーム、東北大石田チーム、高エネ研佐々木チーム、産総研長嶋チーム、東大久田チーム)の研究終了評価会があった。
15) 原子力試験研究
前にも述べたように、筆者は、2001年4月から原子力委員会の研究開発専門部会原子力試験研究検討会に参加し知的基盤WGの主査をつとめていた。2006年度で募集は終了したが、採用課題の中間評価や事後評価は続いている。2005年の原子力政策大綱に基づき、「研究開発専門部会」の内容を見直すことになり、2008年8月1日に開催された試験研究検討会をもって辞職することとなった。残務は有識者としてその都度招聘されるのだそうである。
16) 原子力研究機構
2007年度第2回の計算科学技術推進専門部会(筆者が主査)が2008年2月8日に開催された。2008年度第1回の会議は9月3日に開催された。
17) 産業技術総合研究所
2007年12月24日に、行革推進本事務局から各独法の合理化計画に関して個別指摘事項が出ていたが、産業技術総合研究所に対しては、秋葉原サイトについて、同サイトで現在実施するプロジェクトが終了した際、廃止することを原則とする、という指摘があった。
4月1日付けで組織変更があり、グリッド研究センターは発展的に解消し、情報技術研究部門に吸収合併された。実際には、従来の情報技術研究部門のかなりは、新設のサービス工学研究センターに移動したため、グリッド研究センターが情報技術研究部門に名称変更したように見える。
次は大学センター等、日本の学界、国内会議である。T2Kが運用を開始し、TSUBAMEが1.2となる。
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