エヌビディアが「AI界のGitHub」と呼ばれるHugging Faceを129億ドルで買収へ
オリジナル記事「Nvidia to Nab Hugging Face, the ‘GitHub for AI,’ for $12.9B: Report」
『The Information』の報道によると、GPU大手のエヌビディアは、登録ユーザ数が1300万人を超えるAIモデル・データ・コラボレーション・プラットフォーム「Hugging Face」を129億ドルで買収することに合意した。この買収が成立すれば、エヌビディアのAIモデル事業は大幅に強化されることになる。
Hugging Faceは10年前、クレマン・デラング、ジュリアン・ショモン、トーマス・ウルフの3人によって、10代向けのチャットボットを開発するために設立された。このモバイルアプリは、自然言語処理(NLP)モデルを用いてテキストやグラフィカルな入力を解釈し、ユーザを喜ばせるような応答を生成していた――場合によっては「ハグする顔」の絵文字(社名の由来)を使うこともあった。
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| Hugging Face共同創業者兼CEO クレマン・デラング | |
創業者たちは、チャットボットそのものよりも、その背後にあるAIモデルへの関心の方が高いことに気づくと、この技術をオープンソース化し、GitHubに公開することを決めた。そこでこの技術は広くアクセスされ、利用されるようになった。
2018年――Googleがトランスフォーマーに関する画期的な論文「Attention Is All You Need」を発表してから1年後――、このニューヨークの企業は戦略を転換した。Hugging Faceはチャットボットではなく、オープンソースのAIおよび機械学習モデル、それらのトレーニングに使用されたデータセット、そしてAIエンジニア、データサイエンティスト、機械学習の専門家がこれらのツールを活用するためのその他のリソースを収めたリポジトリとなった。
彼らが最初に公開したモデルの1つは、初期のLLMであるGoogleのBERTのオープンソース版だった。このPyTorchベースのバージョンは、コミュニティから好評を博した。2021年――OpenAIがChatGPTで世界を震撼させる1年以上も前――Hugging Faceは、科学分野におけるLLMや大規模データセットの開発を促進することを目的とした「BigScience」というプロジェクトを立ち上げた。
ChatGPTがLLMへの関心の津波を引き起こす以前から、Hugging Faceはあらゆる種類のAIモデルが集まる人気リポジトリだった。しかし、AIブームがHugging Faceの成長を加速させたことは間違いない。2024年にモデル数100万件の大台を突破し、2025年には200万件に達し、現在では約300万件のAIモデルと50万件のデータセットを保有している。これらの技術やデータの多くは無料で提供されており、同社の年間売上高はわずか1億5,000万ドルにとどまっている。
同社はベンチャーキャピタルからの資金調達を通じて成長を続けており、これまでの総額は3億9500万ドルに上る。2023年には、シリーズDラウンド(直近の大規模な資金調達ラウンド)で、企業価値45億ドルを評価され、2億3500万ドルを調達した。エヌビディアは、Google、Amazon、Intel、AMD、Qualcomm、IBMと共に、このシリーズDラウンドの投資家の一社であった。
Hugging Faceがエヌビディアの戦略にどのように組み込まれるか、あるいはその戦略をどのように変えるか、注目される。エヌビディアとHugging Faceは2023年に提携を発表し、Hugging Faceユーザがトレーニング用にエヌビディアのGPUを利用しやすくなった。2025年末、エヌビディアは「Nemotron」と名付けられた独自のオープンウェイトモデルシリーズを立ち上げた。そのパラメータ数は35億から5,500億の範囲に及ぶ。
AI開発者の間でHugging Faceが人気を博していることが、同社の最大の強みだ。有料顧客はわずか2,000社、売上高も1億5,000万ドルにとどまっており、収益源がそれではないことは明らかだ。Hugging Faceは、一世代のAIエンジニアたちがAIモデルをダウンロードして試すための、事実上の標準的な場となっている。
この夏、米国ではオープンウェイトモデルの人気が急上昇した。これは、アリババのQwenやKimi、ディープシークといった中国のオープンウェイトモデルが予想外の性能向上を見せ、現在ではGoogle、OpenAI、Anthropicといった米国の大手研究所が開発した最高の独自モデルにほぼ匹敵するレベルに達したためだ。先月、「オープンウェイトと米国のAIリーダーシップ」と題する書簡に署名した経営陣の中には、エヌビディアのジェンセン・フアン氏やHugging Faceのクレマン・デラングCEOも名を連ねていた。
もしエヌビディアがオープンウェイトAIモデルに大きな可能性を見出しているなら、こうしたモデルの多くが収められているHugging Faceを買収することほど、効果的な手段はないだろう。
エヌビディアはコメントの要請に応じなかった。






