世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


10月 10, 2017

HPCの歩み50年(第138回)-2007年(d)-

小柳 義夫 (高度情報科学技術研究機構)

SACSISではこれまでGrid Challengeが行われてきたが、本年は話題のCell B.E.を用いたマルチコアプログラミングコンテスト 「Cellスピードチャレンジ2007」が開催された。規定課題は「ソーティング」であった。

国内会議

1) HPCS 2007
HPCS2007(2007年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム )は、2007年1月17日~18日、つくば国際会議場(EPOCHAL TSUKUBA)で開催された。招待講演は片山伸彦(高エネルギー加速器研究機構)の「素粒子物理学実験における大規模データ処理」であった。

2) 早稲田大学COE
2007年2月26日、早稲田大学COE主催で“International Workshop on Numerical Verification and its Applications”が開催された。筆者は招かれて招待講演”Supercomputing in Japan — Past, Present and Future”を行った。

3) Hokke 2007
第13回「ハイパフォーマンスコンピューティングとアーキテクチャの評価」 に関する北海道ワークショップ(HOKKE-2007)は、2007年3月1日(木)~3月2日(金)に北海道大学学術交流会館第一会議室及び小講堂で開催された。これは第164回 計算機アーキテクチャ研究会と第109回 ハイパフォーマンスコンピューティング研究会との合同研究会である。懇親会はキリンビール園本館中島公園店で開かれた。

4) IPAB
特定非営利活動法人 並列生物情報処理イニシアティブは、2007年3月9日、サン・マイクロシステムズ㈱ 用賀オフィス セミナールームにおいて(2006年度)第3回IPABセミナー「Knoppix for Molecular Simulationを体験する」を開催した。プログラムの大要は以下の通り。

13:30 理事長 あいさつ
13:35 渡邊寿雄(産総研) 「FMO法による分子間相互作用解析の実践的解説」
14:25 アドバンスソフト株式会社 「ABINIT-MP と BIOStationの機能紹介」
15:15   休憩
15:25 小西史一(理研) 「Knoppix for Molecular Simulation High Throuput Computingの紹介と今後の展開」
16:15   質疑応答

 

また、2007年5月11日には同所で2007年度第1回IPABセミナー「ゲノムと健康長寿」を開催した。プログラムの大略は以下の通り。

16:30 小長谷理事長 あいさつ
16:40 小島俊男(理研) 「高密度DNAマイクロアレイを用いたゲノムワイドコピーナンバー解析システムの開発と百寿者、超百寿者のゲノムコピーナンバー同定」
17:20 田中雅嗣(東京都老人総合研) 「長寿あるいは生活習慣病に関連するミトコンドリアゲノム多型」
18:00 広瀬信義(慶応大医) 「健康長寿達成に向けて―百寿者から超百寿者調査へ―」
19:00   懇親会

 

このほかにも何回かセミナーを開催していると思われるが、手元の記録にあるもののみを挙げた。

5) PCクラスタワークショップ
2001年10月4日に発足したPCクラスタコンソーシアムは2007年中に3回のセミナーを開催した。3月6日には、富士通関西システムラボラトリで「関西ワークショップ - 1日で分かるPCクラスタの現状 -」を開催した。プログラムは以下の通り。

10:00 石川 裕 (東大) オープニング
11:15 原田浩 (日本HP) 「SCore 入門」
13:00 朴泰祐 (筑波大) 「PACS-CS と計算科学」
13:45 松岡聡(東工大) 「TSUBAME との一年 — PCクラスタの勝利 —」
14:40 司会: 石川裕 (東大) パネル討論「クラスタの現状と今後」

 

9月13日~14日には、福岡システムLSI総合開発センターで「PC クラスタワークショップ in 九州」を開催した。プログラムは以下の通り。

9月13日

9:30 石川 裕(東大) 「オープニング、SCore 紹介」
10:00 青山幸也(理研) 「MPI並列プログラミング入門1」
13:00 青山幸也(理研) 「MPI並列プログラミング入門2」
15:30 青山幸也(理研) 「MPI並列プログラミング入門3」

9月14日

10:00 石川 裕(東大) 「ごあいさつ」
10:05 姫野 龍太郎(理研) 「次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトとCOEセンター構想」
11:05 原田浩 (日本HP) 「SCore 入門」
11:35 堀 敦史 (Allinea) 「SCore最新動向」
13:15   企業発表
15:45 天野 浩文(九大) 「九州大学情報基盤研究開発センターの PC クラスタ導入」
16:10 青柳 睦(九大) 「PSI プロジェクトの紹介」
17:00 石川 裕(東大) 「クロージング及び次回案内」
17:30   懇親会

 

12月13日~14日には秋葉原コンベンションホールにおいて、第七回PCクラスタシンポジウムが開催された。プログラムは以下の通り。

13日(木) テクニカルセッション

10:00 石川 裕 (東大) オープニング
10:10 中島 浩(京大) 「T2Kオープンスパコン —設計思想とアーキテクチャ—」
11:00 森下 真一、笠原 雅弘(東大) “High-throughput biology needs high-performance computing badly”
13:30 原田浩 (日本HP) 「SCore 入門」
14:15 堀 敦史 (Allinea) 「全てに新しい SCore 7 の概要」
15:30 司会:佐藤三久 (筑波大) パネル討論: 「HPCアプリにとってのPCクラスタの現状と今後」

14日(金) 一般セッション

10:00 石川 裕(東大) 「PCクラスタコンソーシアム紹介」
10:15 David S. Scott (Intel) “Intel products and technology for HPC”
10:45 山野 洋幸(日本AMD) 「AMD の HPC マーケットへの取り組みと最新テクノロジアップデート」
11:15 林 憲一(マイクロソフト) “Windows HPC Server 2008 で実現する High Productivity Computing”
13:10 本郷 新(三菱プレシジョン) 「並列化による手術シミュレーションの高速化」
13:30 堀 敦史 (Allinea) 「クラスタ用ソフトウェアツール」
13:50 竹内 義晴(日本電気) 「PCクラスタの動向とNECの取組み」
14:10 根本 雅樹(日本HP) 「日本HPのPCクラスタビジネスへの取り組み」
14:30 久門 耕一(富士通研) 「富士通のPCクラスタを中心としたHPCへの取り組み」
15:20 司会:石川 裕(東大) パネル討論: 「PCクラスタの壁は乗り越えられるか?」
17:00   懇親会

 

6) Windows HPCコンソーシアム
2006年4月に発足したWindows HPC コンソーシアムは2007年3月14日(水)に同志社大学 東京オフィス セミナールームにおいて2006年度第3回セミナー「PCクラスタの新潮流:広がるパーソナルクラスタの可能性」を開催した。プログラムは以下の通り。

13:15 廣安知之(同志社大学) 「Windows HPC コンソーシアムについて」
13:30 田辺茂也(マイクロソフト) 「次世代のShell: PowerShellのご紹介」
14:00 林憲一(マイクロソフト) 「パーソナルクラスタの可能性を広げる Windows Compute Cluster Server 2003」
14:30 孔祖偉(CHAM社) 「流体解析ソフトPHOENICSのWinodows CCSへの移植及び導入事例」
15:15 児島敦(サイバネットシステム) 「分散/並列処理による高速化の実現 – 進化する数値計算用ソフトウェアMATLAB -」
15:45 有田秀彦(日商エレクトロニクス) 「ClearSpeed社アクセラレータボードを使ったパーソナルTFLOPSシステムの可能性」
16:15 天野康弘(日本SGI) 「Windowsで広がる大規模解析と可視化」
16:45   質疑応答・閉会

 

2007年6月5日には名古屋のマイクロソフト株式会社 中部支店で、6月7日には東大阪のクリエーションコア東大阪で、6月13日には同志社大学 東京オフィスで、2007年度第1回セミナーが開催された。プログラム(共通)は以下の通り。

13:30 廣安知之(同志社大学) 「Windows HPC コンソーシアムについて」
14:00 林憲一(マイクロソフト) 「Windows Compute Cluster Server 2003最新情報」
14:30 (ナルックス) 「CCSの事例紹介:ナルックス株式会社での取り組み」
15:50 黒石浩之(ソフトウェアクレイドル) 「ソフトウェアクレイドルの製品のご紹介」
16:20 寺井 稔朗(ヴィジュアルテクノロジー) 「VT64 Personal Clusterのご紹介」
16:50   質疑応答・閉会

 

7) SACSIS 2007
第5回先進的計算基盤システムシンポジウム SACSIS 2007は2007年5月23日(水)~25日(金)に学術総合センター講堂・会議室で開催された。主催は、情報処理学会の計算機アーキテクチャ研究会、システムソフトウェアとオペレーティングシステム研究会、ハイパフォーマンスコンピューティング研究会、プログラミング研究会、電子情報通信学会のコンピュータシステム研究専門委員会、ディペンダブルコンピューティング研究専門委員会、リコンフィギャラブルシステム研究専門委員会およびIEEE Computer Society Japan Chapterである。情報処理学会・組込みシステム研究会は協賛。

基調講演は、Jack Dongarra (University of Tennessee and Oak Ridge National Laboratory)による“Challenges for the Future”、招待講演は横川 三津夫 (理化学研究所)による「次世代コンピュータ開発プロジェクトについて」であった。

チュートリアルは以下の3件

・九州大学 井上 弘士「ディペンダブル・プロセッサの研究動向」
・産業技術総合研究所 高木 浩光「ソフトウェアの脆弱性の現状と課題」
・日立製作所 西村 信治「イーサネットの最新動向(100 Gbイーサ他)」

であった。

SACSISではこれまでGrid Challengeが行われてきたが、本年は話題のCell B.E.を用いたマルチコアプログラミングコンテスト 「Cellスピードチャレンジ2007」が開催された。アドバイザリ委員会は、朴泰祐(筑波大)、高田広章(名古屋大)、天野英晴(慶應大)、中島浩(京大)で構成、実行委員会には、委員長中村宏(東大)、副委員長吉瀬謙二(東工大)を初め、学界と東芝、ソニー、日本IBM関係者が集まった。SACSISの最中に表彰式が行われた。

規定課題は「ソーティング」で、規定部門には25チームが参加し、上位3位が表彰された。思えば1994年にJSPP 94に併設して開催された第1回並列ソフトウェアコンテストの課題もソーティングであった。

順位 ポイント チーム名 代表者
1 82 ylab 花岡俊行(京大)
2 75 europa ルォン・ディン・フォン(東大)
3 72 フツーにはえー★ 木下正喬(大阪府立高専)

 

自由課題は2チームが表彰された。

順位 チーム名 代表者 課題
1 HORN 柘植宗範(千葉大) Cell B.E.における計算機合成ホログラムのソフトウェア開発
2 ひびきの神経細胞 五十嵐潤(九工大) Cell Broadband EngineTMによる神経回路網

 

8) GridWorld 2007
2007年5月30日~31日、東京国際フォーラムにおいて、グリッド協議会とIDGジャパンが主催するGridWorld 2007が開催された。主要なプログラムは以下の通り。多くの講演スライドは見ることができる。展示会にも多くの人が集まった。

5月30日

関口 智嗣(産総研グリッド研究センター) 開幕挨拶
西川 泰藏(経済産業省 大臣官房審議官) (開幕記念講演)「IT革新による生産性の向上とグリッドコンピューティング」
伊藤 智(産総研グリッド研究センター) (グリッド協議会セッション)「 ビジネス分野におけるグリッドの活用-ユーティリティコンピューティングに向けて-」
合田 憲人(国立情報学研究所) (GridWorld チュートリアル1)「グリッド入門-グリッドを作る技術-」
岸本 光弘(富士通研究所) (GridWorld チュートリアル2)「次世代グリッドアーキテクチャOGSAの最新動向」
小島 功(産総研グリッド研究センター) (GridWorld チュートリアル3)「グリッドにおけるデータベースアクセス&統合(WS-DAI&OGSA-DAI))
泉 泰一郎(東芝ソリューション) (GridWorld チュートリアル4)「ストレージ・グリッド技術」

5月31日

喜連川 優(東京大学) (グリッド協議会 基調講演)「情報爆発:ゼッタバイトの時代にむけて」
青山 友紀(慶應義塾大学) (グリッド協議会 基調講演)「新世代ネットワークとグリッドアプリケーション」
Mark Henry Linesch(OGF会長) (グリッド協議会 セッション)「Grid – distributed computing at scale」
丸山 不二夫(稚内北星学園大学) (グリッド協議会記念講演)「GridとCloud」
関口 智嗣(産総研グリッド研究センター) (グリッド協議会セッション)「GEO Grid:地球観測のためのE-サイエンス基盤」
柴田 良一(岐阜工業高専) (GridWorld チュートリアル5)「研究開発の現場で役に立つPCクラスタを作るために考えてきたこと」
中田 秀基(産総研グリッド研究センター) (GridWorld チュートリアル6)「仮想化技術の動向と仮想クラスタ管理システムの紹介」
濱田 正彦(日本IBM) (GridWorld チュートリアル7)「GlobusToolkit入門」
峯尾 真一(理化学研究所) (GridWorld チュートリアル8)「グリッドセキュリティ入門」

 

9) 数値解析シンポジウム
第36回数値解析シンポジウム(NAS2007)は、早稲田大学大石進一を実行委員長として2007年6月19日(火)~6月21日(木)にウェルシティ湯河原で開催された。招待講演として、中国科学院 数学与系統科学研究院 計算数学与科学工程計算研究所(Institute of Computational Mathematics and Scientific / Engineering Computing, Academy of Mathematics and Systems Science, Chinese Academy of Sciences)のProf. Zhong-Zhi Bai(白中治教授)を招待し、“On Hermitian and skew-Hermitian splitting iteration methods”という講演を行った。イブニングセッションでは森正武先生の記念講演が企画された。

数値解析シンポジウムはこれまで有志により自主的に開催されて来たが、NAS2007からは日本応用数理学会との共催となった。その理由のひとつは、シンポジウムが大変長い伝統をもつにもかかわらず有志の研究会であるために、特許における猶予期間の適用や著作権処理に関し、シンポジウム自体では処理が困難である状況を考慮したことにあるのことである。『第36回数値解析シンポジウム(NAS 2007)参加報告』(伊藤 祥司)が学会誌応用数理に掲載されている。

10) NGArch 2007
昨年に引き続きNGArch (Next Generation Architecture) Forum 2007が2007年7月25日(水)に学術総合センター 一橋記念講堂で開催された。主催は、九州大学を中心とする「コンピュータアーキテクチャCOE」である。

11) 統計数理研究所
統計数理研究所(2009年9月までは港区南麻布)では統計数理研究所・教育研究活動外部評価を行うことになり、筆者も委員を委嘱された。7月30日と9月10日に統計数理研究所外部評価委員会が開催された。この間に、講堂においてシンポジウムが開催された。筆者は研究所の活動を知ってもらうよい機会なので公開したらよいと提言したが、評価が前提ということで非公開となった。

8月13日 数理・推論研究系の評価のためのシンポジウム
8月13日 データ科学研究系の評価のためのシンポジウム
8月20日 モデリング研究系の評価のためのシンポジウム

 

12) SWoPP2007
第20回にあたる記念すべき2007年並列/分散/協調処理に関する『旭川』サマー・ワークショップ(SWoPP旭川2007)は、8月1日(水)~8月3日(金)に旭川市大雪クリスタルホール旭川国際会議場で開催された。主催は、電子情報通信学会:コンピュータシステム研究会(CPSY)ディペンダブルコンピューティング研究会(DC)情報処理学会:計算機アーキテクチャ研究会(ARC)システムソフトウェアとオペレーティングシステム研究会(OS)ハイパフォーマンスコンピューティング研究会(HPC)プログラミング研究会(PRO)である。電子情報通信学会の方を先に書くのは、第1回がCPSY主催で始まったからである。懇親会は、道北地域旭川地場産業振興センター 大展示場で開催された。

13) SS研HPC Forum
富士通のアカデミックユーザを中心に構成されているSS研究会(サイエンティフィック・システム研究会)は、これまでも多少関係してきたが、2007年度から科学技術計算分科会の企画委員をつとめることになった。最初の仕事は、8月28日に「~ペタスケール時代のコンピュータ技術~」のテーマで汐留シティセンター 24階 大会議室で開催されたオープンなシンポジウム「SS研 HPC Forum」であった。今回は招待講演者としてBurton Smith(マイクロソフト)を招待することとなった。プログラムは以下の通り。

10:30 青柳 睦(九大) 開会あいさつ
10:35 Burton J Smith
Microsoft
海外招待講演:” Reinventing High Performance Computing”
11:40 姫野龍太郎(理研) “次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトの現状”
14:00 石川裕(東大) “T2Kオープンスパコンの概要”
14:50 伊野 文彦(大阪大) “汎用アクセラレータとしてGPUを駆使する試み GPGPUについて”
16:10 木村 康則(富士通) “ペタスケール・システムインターコネクト(PSI)プロジェクトについて”
17:30   懇親パーティ

 

日本マイクロソフト社に頼まれて、8月27日に東大の秋葉原拠点(ダイビル)の大会議室でBurton Smithの講演会” Reinventing Computing”を企画した。司会は平木敬。定員120人の会場が一杯になった。

14) FIT 2007
情報処理学会・電子情報通信学会の共催する第6回情報科学技術フォーラムFIT2007が、2007年9月5日(水)~7日(金)中京大学 豊田キャンパスで開催された。そのイベント企画の一つとして「HPCから組込みシステムまで、カスタムコンピューティングの世界」が7日に企画された。

15) 超並列計算研究会
同志社大学知的システムデザイン研究室が主宰している超並列計算研究会SMPPは、1994年から活動しているが、2007年12月12日(水)には秋葉原ダイビルの会議室で、第47回超並列研究会「SC07と迫り来る10000コアの時代に向けて」を開催した。プログラムは大略以下の通り。

13:30 廣安知之(同志社大学) オープニング
13:35 中野守(クレイジャパン) 迫り来る10000コアを超える超並列システムの課題と対策
14:25 David S. Scott (Intel) HPCのためのインテル製品とテクノロジー
14:55   Break
15:10 朴泰祐(筑波大学) 数万コアマシンのアプリケーションとプログラミング,迫り来る数十万コアマシンへの準備
16:00 岡野浩史(日本AMD) AMDのHPCへの取り組みと最新テクノロジ
16:30 小柳義夫(工学院大) SC07からHPCの将来を考える
17:20 廣安知之(同志社大学) クロージング

 

16)ワークショップ「高性能計算における超省電力化」
東京工業大学では、グローバルCOEプログラム「計算世界観の深化と展開」発足イベントの一つとして、JST CREST「ULP-HPC:次世代テクノロジのモデル化・最適化による超低消費電力ハイパフォーマンスコンピューティング」(代表 松岡聡)との合同開催で、12月13日東京工業大学百年記念館において標記のワークショップを開催した。プログラムは以下の通り。

10:10 中村 宏(東京大学) (基調講演) 革新的電源制御による次世代超低電力高性能システムの実現へ向けて
11:10 松岡 聡 (東京工業大学) 次世代HPCシステムにて超省電力・高性能を達成するハードウェア・ソフトウェア統合システム
11:40 遠藤 敏夫(東京工業大学) 性能モデルに基づくCPU及びGPUを併用する効率的なFFTライブラリ
12:10   昼休み
13:20 渡辺 治 (東京工業大学) GCOE「計算世界観の深化と展開」
13:30 須田 礼仁 (東京大学) 超省電力 HPC ソフトウェアのための自動チューニングの数理的基礎理論
14:00 片桐 孝洋 (東京大学) 超省電力 HPC ソフトウェアのための自動チューニング記述法
14:30 青木 尊之 (東京工業大学) 超省電力型のHPCアプリケーション及びアルゴリズム
15:00   休憩
15:30 平澤 将一 (電気通信大学) 超省電力化SIMDアクセラレータのための汎用プログラミング環境
16:00 鯉渕 道紘(国立情報学研究所) HPC向け省電力インターコネクト

 

17) 筑波大学
筑波大学計算科学研究センターは 9月3日~4日にPACS-CS完成記念を兼ねて、第三回「計算科学による新たな知の発見・統合・創出」シンポジウム PACS-CSシステムと計算科学を開催した。プログラムは以下の通り。

9月3日

9:30 PACS-CS完成記念式典 学長挨拶 岩崎洋一(筑波大学学長)
来賓挨拶(文部科学省学術機関課)
PACS-CS披露
10:10 宇川 彰(筑波大学) 開会挨拶
10:20 富田浩文(JAMSTEC) (招待講演)「全球雲解像大気モデルNICAMを用いた熱帯対流集団のシミュレーション」
11:05 日下博幸(筑波大学) 「気象モデルWRFを用いた都市気候の数値シミュレーション」
11:35 北川博之(筑波大学) 「気象予報データGPV/JMAアーカイブの概要と今後の展開」
13:05 Norman Christ (Columbia University) 招待講演:
“Low Energy QCD Chiral Symmetry and Petaflops”
16:40 藏増嘉伸(筑波大学) 「現実的なクォーク質量における格子QCD計算」
17:10 中村純(広島大学) (招待講演)「極限状態の量子色力学 - 数値シミュレーションの挑戦」
17:55 吉江友照(筑波大学) 「格子QCD計算の将来像:ペタフロップス計算機からグリッドまで」
18:40   懇親会

9月4日

9:30 和田桂一(国立天文台) (招待講演) 「国立天文台天文シミュレーションプロジェクト」
10:15 梅村雅之(筑波大学) 「融合型並列計算機FIRSTによる計算宇宙物理学の展開」
10:45 吉川耕司(筑波大学) 「天文シミュレーションにおけるHigh Performance Computing」
12:45 西原秀典(東京工業大学) (招待講演) 「全ゲノム情報を利用した哺乳類の分子系統」
13:30 稲垣祐司(筑波大学) 「Multigene phylogenetic analyses: Not like playing LEGO」
14:00 荻津格(LLNL) (招待講演)「第一原理計算による知の発見の一例:単元素物質(ヘリウムを除く) の基底状態は常に完全結晶か?」
15:20 立花明知(京都大学) (招待講演)「Rigged QED 理論に基づく化学結合の表現」
16:05 岩田潤一(筑波大学) 「実空間密度汎関数法による大規模第一原理計算」
16:35 高田俊和(理化学研究所) (招待講演)「次世代スーパーコンピュータが拓く計算化学の新世界」
17:20 矢花一浩(筑波大学) 「電子励起ダイナミクスの第一原理シミュレーション」
17:50 佐藤三久(筑波大学) 閉会挨拶

 

計算物理学研究センターからの改組拡充(2004年)から3年を経過し、また特別教育研究経費で開発したPACS-CSも稼動開始したこともあり、「第三者評価」を実施することになった。委員長はRichard Kenway (Edinburgh Univ.)、副委員長は筆者が委嘱された。この他の評価委員は、Horst Simon (LBNL)、Michael Norman (UCSD), Herve Philippe (Montreal)、住明正(東大)、喜連川優(東大)、寺倉清之(産総研)である。10月30日~11月1日に開催した。Kenway氏のリーダーシップのもとに長文の評価書が手際よくまとめられた。

次回は、会議以外の日本の学界の話題や日本企業の動きをまとめる。

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