GREEN500で日本が2位と3位を獲得

西　克也

スーパーコンピュータの省エネ度を競うGreem500の結果がSupercomputing ’14の会期中である11月20日米国ニューオーリンズで発表され、日本のスパコンが2位と3位を獲得した。前回は東京工業大学のTSUBAME-KFCが首位であったが、今回3位となった。2位にはHPCwire Japanでも取り上げているExasclaer-1を使った高エネルギー加速器研究機構のSuirenが獲得した。1位はドイツの重イオン研究所(GSI Helmholtz Center)。1位、2位とも加速器の研究をしているところが共通しているのが興味深い。前回3位だった筑波大学のHA-PACSは今回7位となった。

上位3システムともすべてアクセラレータを使っている。１位となったドイツのシステムL-CSCはAMDのFirePro、2位のSuirenはPEZY-SC、3位のTSUBAME-KFCはNVIDIA K20xだ。これはワット当りの性能を出すにはどうしても現段階ではアクセラレータに頼るしかないということだろう。また3システムとも異なるアクセラレータを使っているのも興味深く、今後の各アクセラレータの展開に期待が持てる。

2020年頃に予定されているエクサスケール・システムを考えた場合、1台のシステムで許容できると考えられる最大電力20MWを想定すると、目標のワット当りの性能は50GFLOPS/Wとなる。これは現在の約10倍の電力性能だ。Green500が始まった7年前の2007年11月のリストの1位は357.23 MFLOPS/Wで、これは現在首位の電力性能の約15分の一である。とすれば、6年後の2020年に50 GFLOPS/Wを達成するのもまんざら不可能ではなさそうだ。