世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


3月 20, 2014

時間の窓がCERNのスパコンの歴史を開く

HPCwire Japan

Tiffany Trader

先日我々がシアトルの「生きているコンピュータ博物館」で修復を受けている伝統的なCDC 6500スーパーコンピュータに関する話をした。CDC 6500システムはControl Data社によってCDC 6000シリーズのひとつとして1960年代にSeymour Crayによって設計され1967年に製造された。もっとも有名なのはCDC 6600だ。1964年にこのシステムがリリースされた時には、6600は10倍の競争を突破したのだ。それは初めて成功したスーパーコンピュータとして歴史に刻まれた。

1メガフロップスの性能によって、6600は1969年にCDC 7800が登場するまで世界で最速のコンピュータだった。このシステムはまた、CDCのウィスコンシン州Chippewa Fallsのラボで最初に設計されたコンピュータでもあった。この場所はSeymour Crayの生まれ故郷であり、未来のCray Researchのホームでもある。基本モデルで$6,891,300の価格であったので、6600の価格はオプションによって6百万ドルから1千万ドルの間であった。Control Data社は主に官公庁と大学の研究所に100台以上を販売した。初期の顧客の中にスイスのジュネーブにあるCERN、欧州原子核研究機構がある。

CERNでのインストールの印象的なビデオは今週現れた。新しいスーパーコンピュータの到着である大イベントの生き返らせた。次の18分間のフィルムは1965年1月に撮影された。

この高品質のアーカイブ映像は、CERNにおけるこの画期的なスーパーコンピュータの役割を詳述している。システムは毎年CERNの実験で生成される2-3百万もの泡箱軌跡写真の解析に使用された。

40万個のトランジスタと100ナノ秒のクロックスピードによって、CDC 6600は新しい流行を作った。その時代で最も高速であったことに加えて、最初にフレオンによる冷蔵庫型冷却を採用し、またCRTコンソールを使ったのも最初だった。そして、その当時のほとんどのコンピュータが1個のCPUを使っていた一方で、6600は注目すべき周辺設計を持っていた、詳細はビデオが思い出させてくれる。

「そのユニークな機構によって、6600は多種多様なソースから同時に情報を受け入れることができました。」とナレーションが教えてくれる。「それは非常に高速な中央プロセッサと10個の周辺プロセッサの組み合わせによって、それらが一つのシステムとして一緒に動くからです。データチャネルに入ってくる情報は周辺プロセッサによって制御され渡されてきます。そして、そのうちの2つはSIPROS制御システムにより用いられます。これらは、中央プロセッサが数値演算のみを実行することができるように雑用をこなすのです。」

「中央メモリはとても高速なアクセスのできる131,000 60-bit wordのストレージを持っています。中央プロセッサの演算部分は10個の部分に分かれており、並行または並列操作用に設計されています。これは10個の演算操作が1秒あたり3百万演算操作の速度で同時に実行できることを意味しています。各10個の周辺プロセッサもまた、4,000 12-bit wordの容量のストレージを持った計算能力を持っています。一旦計算が実行されたら、情報は遠隔地の紙テープパンチ、コンソール、タイプライターまたはプロッターに、テレタイプ、データリンクまたはデータ電話等で送信されます。または直接オンライン・プリンタにも可能です。」