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4月 5, 2016

SGI UV 3000が新スループット記録を達成

HPCwire Japan

Tiffany Trader

先日、SGIのGabriel Bronerは同社のSGI UV 3000システムが2つの新しいベンチマーク記録を達成し、共有メモリ・アーキテクチャで有効とされるこのマシンの先端的スループットのの能力を証明したことを発表した。試験マシン(128ソケットのUV3000システムで1,280個のE5-4627 v3 2.60GHz Xeonコアを搭載している)は、業界標準のSPECrate(特にSPECint_rate_base2006とSPECfp_rate_base2006)を使って評価され、複数の同時タスクを実行した際のマシンのスループットもしくは速度を計測している。

Standard Performance Evaluation Corporation (SPEC)により公開された結果によれば、このシステムはSPECint_rate_base2006 (source)で45,100およびSPECfp_rate_base2006 (source)で42,600のスコアを達成した。この新記録は競合に対しSGIを20パーセント以上少ないコアで、SPECfp_rate_base2006において25パーセント以上、SPECint_rate_base2006において10パーセント以上、引き離したと、Bronerは指摘している。下図を見て分かるように、SGIは1,536個のXeon E5-2680 v3 2.50GHzコアで構成されているScaleMPマシンを打ち負かしたのだ。

「SGIはまた、SPECompG_base2012共有メモリ並列処理ベンチマークとSTREAM TRIADメモリ帯域幅ベンチマークの両方において、最も近い競合に対し2倍以上の性能結果を出しています。」とBroner.は付け加えた。

SGI UV 3000試験プラットフォームは、128個の10コアIntel Xeon E5-4627 v3チップ(2.60GHz、Intel Turbo Boost Technologyで最大3.20GHz)および16TBのメモリを内蔵している。オペレーティング・システムはSUSE Linux Enterprise Server 12である。

SGI UV 3000は対称型マルチプロセッシング(SMP)システムで、計算集約型で高速アルゴリズム・ワークフローをターゲットとしている。そのようなワークフローとは、CAEの特質、ゲノムアセンブリ、科学シミュレーション、および高度なスケールで複雑な問題を解く能力を必要とする領域である。SPECベンチマーク・スイートは実際のアプリケーションから開発されたワークロードを使用して設計されており、この特定のスイート(SPEC CPU 2006の一部)は特に大規模マルチプロセッサ・システムを評価するために価値があると考えられている。

関連する結果の以下のように再現されている(ソースSGI)

20160325-S1-SPECrate-results-SGI-et-al-2016-768x888