インテル、開発サイクルを伸張し、Tick-Tockサイクルを廃止へ
Tiffany Trader
最近の10-Kファイリング(米国証券取引委員会への有価証券報告書)の中で、インテルは24ヶ月のTick-tock開発モデルを廃止し、30ヶ月のプロセス、アーキテクチャ、最適化モデルにリプレースすると発表した。 「我々は製品導入の年間市場リズム満たしながら、14nmおよび次世代の10nmプロセス技術を活用する時間を長くし、さらには我々の製品とプロセス技術を最適化することを期待しています。」とインテルは述べている。このコメントはグラフィカルな変化の描写によってサポートされている。
10年近く、インテルはtick-tock開発サイクルを維持してきている。”tick”はプロセス技術を縮小することで、”tock”は新しいマイクロアーキテクチャだ。24ヶ月の開発スケジュールは、インテルのGordon E. Mooreが1965年にトランジスタの密度は約2年ごとに倍になると予想したムーアの法則を厳守するのに注目すべきことであった。
この発表は引き伸ばされた設計スケジュールの正式な承認を意味しているが、tick-tockのリズムはすでにスリップしていたのだ。Haswellのリフレッシュ(2014年半ば)は最初の兆しであり、2015年7月にインテルがロードマップにKaby Lakeを挿入した際に、Haswellのリフレッシュのセミtockが異常でなかったことが明らかになったのだ。当初は、10nmのCannonlakeは14nmのSkylakeマイクロアーキテクチャを継承する予定だったが、14nmのKaby Lakeの挿入により、10nmのノード変更は2017年後半まで延期されたのだ。
ムーアの法則が存続して有効であるというインテルの継続的主張にも関わらず、新しい開発サイクルはより小さいノードサイズにおけるイノベーションの難しさを語っている。 世界の半導体業界は、ムーアの法則が困っており、積極的にその終焉を準備していることを認めてはいない。半導体業界の今後の技術ロードマップの詳細はNature誌に解説されている。
Nature記事の著者であるM. Mitchell Waldropは次のように書いている:
…ますます多くのシリコン回路が同じ小さな領域に押し込まれる際に不可避的に発生する熱のおかげで、倍増することはすでにぐらつき始めている。そして、さらなる基本的限界は10年未満離れている。最新のマイクロプロセッサは現在、ほとんどのウィルスよりも小さい14ナノメートル四方の回路特性を持っている。しかし、2020年代初頭までにはと、ロードマッピング組織の議長であるPaolo Garginiは語っている。「超積極的な努力をすれば、たった10原子四方の特性である2-3ナノメートルの限界にはいけるでしょう。それはデバイスと言えるでしょうか?」おそらく違う。そのスケールにおいては、電子の挙動はトランジスタを絶望的に信頼できなくする量子の不確実性によって支配されるからだ。精力的な研究への取り組みにも関わらず、現代のシリコン技術の明らかな代わりはないのだ。
このため、SIAのロードマップはムーアの法則から離れて旋回し始めている。
来月リリースされる業界のロードマップは、ムーアの法則を中心としない初の研究開発計画をレイアウトしたものになるだろう。その代わりに、ムーア戦略以上と呼ばれるかもしれないものをフォローするだろう:チップをより良く作り、アプリケーションにフォローさせる以上に、アプリケーション(スマートフォンやスーパーコンピュータからクラウドでのデータセンターまで)から開始し、チップがそれらをサポートするために何が必要かを見るために下方向に行うのだ。これらのチップとは、新世代のセンサー、電力管理回路、およびコンピューティングが益々モバイルである世界で必要とされる他のシリコンデバイスである。
インテルはムーアの法則に関する一般的な認識に動じないままでいる。コミュニティに対する彼らのメッセージは、スーパーコンピューティングとチップ設計の間には高潔なサイクルがあり、自然の引き潮と流れがある一方でムーアの法則はあいかわらず強いというものだ。
「業界の一部の反対者がムーアの法則の終わりを告げる鐘を鳴らす一方で(彼らが太古からそうしているように)、それがインテルの継続するビジネスなのです。」と今年早々のHPCwireでの記事において、インテルのMark StettlerとShesha Krishnapuraは書いている。「それはすべての世代が自分達のチャレンジが一番困難であると考えるエンジニアリングにおける不文律なのです。新しい技術的な課題が出現し続けていますが、最初のVLSIチップが作られて以来すべての世代を彼らが持っているように、ムーアの法則の見通しは20年前と変わらずそのままなのです。次の数世代への道は見えています。しかしその後は、前に進むまではっきりとしないのです。」