世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 12, 2017

理研、フランス原子力庁とエクサスケールを目指したスパコンに関する協力関係を締結

HPCwire Japan

理化学研究所(理研)は、フランスの原子力・代替エネルギー庁(Commissariat
à l’énergie atomique et aux énergies alternatives:CEA)と、計算科学及び計算機科学分野における研究協力を一層深めていくため、2017 年 1 月 11 日に研究協力取り決めを締結した。

本研究協力取り決めは、計算科学及び計算機科学分野における共同研究の充実を図るとともに、将来を担う研究者等の人材育成を促進することにより、日仏の科学技術の発展に寄与することを目的としている。

日本とフランスはそれぞれ、様々な研究分野や社会経済分野におけるシミュレーションに関し、その基盤となる次世代のスーパーコンピュータの研究開発を国家プロジェクトとして進めており、日仏政府間の計算科学及び計算機科学の分野における研究協力を強化するため、文部科学省は、日仏科学技術協力協定の下、フランスの国民教育・高等教育・研究省との間の計算科学及び計算機科学分野における協力係る実施取極を締結するものだ。

この取り決めのもと、理研は、フランス CEA と計算科学及び計算機科学分野における研究協力取り決めを 2017 年 1 月 11 日に締結した。今回の締結を機に、計算科学及び計算機科学における新たな分野での、両機関間の協力関係の発展が期待できるとしている。

CEAは5PetaFlOOPSの性能を持つCurieと名付けられたスーパーコンピュータを所有しており、フランス政府との間でエクサスケール・スーパーコンピュータの開発に関してすでに合意がなされている。さらにこのフランスのエクサスケール・スーパーコンピュータも日本のポスト「京」と同じARMプロセッサを使用する予定となっている。

今回の取り決めの内容としては、プログラミング言語環境の開発を含めたOpen Software Library 構築等に関する協力、量子化学・固体物質物理を含むアプリケーションに関する協力、および人材育成を含めたマネージメントに関する協力となっている。日本が開発しているミドルウェアからアプリケーションのソフトウェアを提供することで、ARMをベースとしたエクサスケール・スーパーコンピュータの裾野を広げる目的もあるようだ。

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理化学研究所 理事長 松本紘氏(左)、フランス原子力・代替エネルギー庁 会長 Daniel Verwaerde氏(右)