スーパーコンピュータの売上、2016年は112億ドルに
John Russell

ハイペリオン・リサーチ(Hyperion Research)が発表したレポートによると、スーパーコンピュータの投資が26.2%増加したおかげで、HPCサーバー全体で2016年は4.4%の成長であった。成長への阻害要因は、部門別HPCサーバーの売上高が19.3%減少したことだ。それにもかかわらず、HPCサーバー市場全体は、2015年の107億ドルから112億ドルに増加し、2012年の最高水準の111億ドルを上回った。
ハイペリオンは、ニューメキシコ州サンタフェで開催が予定されているHPCユーザーフォーラムで、2016年に関する正確な数字を発表するだろう。ハイペリオンは、中国に拠点を置く企業によるIDCの買収に伴って、IDCからスピンアウトした元IDCのHPCグループである。(HPCwireの記事「IDC’s HPC Group Spun out to Temporary Trusteeship」を参照)。
ハイペリオンのリリースによると、「2016年の市場シェアは、ハイエンドおよびミッドレンジのHPCサーバーシステムの収益拡大によりもたらされたもので、低価格システムの売上の減少によって部分的に相殺された。」以下はその要約である。
- HPCサーバーシステムのスーパーコンピュータ部門は、2015年に32.2億ドルだった売上に対し、2016年には26.2%増の40億ドルとなった。
- 25万ドルから49.9万ドルの価格帯である部門別セグメントのシステムの売上は、2015年の19億ドルから2016年の23億ドルに18.2%増加した。
- 10万ドルから24.9万ドルの価格帯である部署別セグメントでは、2015年の38億ドルに対し、19.3%減の31億ドルとなった。
- 10万ドル以下のワークグループのセグメントでは、2015年の18億ドルから6.9%減の17億ドルとなった。
以前はIDC HPC Groupのリーダーであったハイペリオン・リサーチのCEOであるEarl Joseph氏
「HPCサーバーは、科学的進歩だけでなく、産業革新と経済競争力にも密接に関連しています。このため、世界中の国や地域だけでなく、あらゆる規模の企業や大学がハイパフォーマンスコンピューティングへの投資を増やしています。」と述べている。「さらに、エクサスケールの性能を実現するという世界的なレースは、ハイエンドのスーパーコンピュータ売上の成長を促進するでしょう。」
ハイペリオン・リサーチの副社長Steve Conway氏によると、「もうひとつの重要な成長要因はHPCを必要とするビッグデータの市場です。ハイパフォーマンス・データ分析(HPDA)と呼ばれる市場です。 HPDAのチャレンジは、HPCを機械学習、深層学習、人工知能そしてIoTの研究開発の最前線に担ぎ出しました。」
新しいハイペリオンの名前に慣れるにはしばらく時間がかかるかもしれない。IDCから移った上級メンバー達は、少なくとも短期的に見れば、何の変更もないと言っている。以下は、会社の自己紹介である。
「ハイペリオン・リサーチは、旧IDCハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)アナリストチームの新しい名称です。IDCは、IDC自身の『China OceanWide』への売却の前に、HPCチームをスピンアウトさせることに米国政府と合意しました。 ハイペリオン・リサーチは、これまで25年以上にわたり、最も高い評判をもつHPC業界アナリストグループの全世界の活動を引き継いでいます。そして、それらはHPCおよびHPDA市場の調査・分析、購読サービス、特注調査・研究、論文、HPCユーザーフォーラムの運営などです。HPCユーザーフォーラムの詳細については、www.hpcuserforum.comを参照してください。」