DOEがエクサスケールインターコネクトの研究開発に資金提供
米エネルギー省(DOE)は、現段階でリードする計算機より50倍以上強力な次世代スーパーコンピュータ、エクサスケールマシンに向けた主要な研究開発の後押しをし続けている。この目標に成果をもたらすために、国家核安全保障局(NNSA)と共にエネルギー省科学局の部門は、DesignForwardと呼ばれる新しいイニシアチブの一環として、5つの影響力の高いHPC企業に2,540万ドルの研究開発契約を授与した。

これらのエクサスケールの投資資金を共有する選ばれた5つのHPCベンダーは、AMD、Cray、IBM、Intel 連合およびNVIDIAだ。極めて重要であると考えられる国家安全保障、科学の進歩、エネルギー安全保障と経済競争力に関するコンピューティング技術を開発することによって、彼らの労力がペタスケール時代を超えてHPCの状況を進める要となるだろう。
「激しい国際HPC競争の時代において、エクサスケール・コンピューティングの開発は、私たちの国家安全保障の任務のみならず、世界市場における国の経済競争力にとって非常に重要です。」とDOEの最先端科学計算研究プログラムの研究部門ディレクターでFastForwardのプログラムマネージャー、William Harrodは述べた。「業界、DOE科学局およびNNSA間のパートナーシップは、エクサスケールシステムへの途上にある障害を克服するための技術開発を支援します。」
DesignForwardは、2012年に始まったFastForwardと呼ばれる別のDOEエクサスケールイニシアチブを拡張したものだ。そのプログラムの一環として、Intel、AMD、NVIDIAとWhamcloudは、DOEのコンピューティングニーズを満足するExtreme-Scaleスーパーコンピュータに関する作業を一足飛びに開始するために、DOEより数千万ドルが授与された。
FastForwardがコンポーネントレベルでの次世代ハードウェア技術の高速化に専念している一方、DesignForwardの主な焦点は、extreme-scaleにおける計算を支援するために必要なインターコネクトアーキテクチャおよび技術、データ移動および信頼性である。
この目標を支援する中で、DesignForwardのパートナー達は将来のHPCシステムのためのインターコネクトアーキテクチャの設計と評価を遂行してきた。これらのインターコネクトが百万、十億コアの並列性をサポートする開発の途上で、高エネルギー効率と高バンド幅を有し、超低遅延を実現することが絶対不可欠である。どのように作業の配分を行うのかについてDOEは、「Intelはエネルギー効率の高いインターコネクトアーキテクチャと実装アプローチについて、Crayはオープンネットワークプロトコル標準について、AMDはインターコネクトアーキテクチャと関連する実行モデルについて、IBMは高エネルギー効率なインターコネクトアーキテクチャとメッセージングモデルについて、そしてNVIDAは大規模並列スレッドプロセッサのためのインターコネクトアーキテクチャについて、それぞれ焦点をあてることでしょう。」と指摘する。ベンダーは、その設計がDOEのニーズやアプリケーションと連携することを保証するために、DOEコデザインセンターと共同で作業するように期待されている。
DOEローレンスバークレー研究所のWebサイトからの声明では、各プログラムの任務をよりいっそう明確にしている:
「FastForwardはDOEのミッション要求を満足するために必要とされる長期のリードタイムの進歩に向けた基礎を築くための、メモリ、プロッセッサとストレージ技術の3分野におけるコンポーネント技術に焦点を当てています。DesignForward [本日発表したひとつ]は、完全に統合されたシステム設計と、extreme-scaleコンピューティングに向けた効率的でスケーラブルなシステムを可能にするためのインターコネクトなどの主要技術に焦点を当てています。」
両方のプログラムは、少なくとも2年間実行され、5年から10年以内に量産対応技術を産み出すことを目指している。