世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


7月 1, 2013

PSCは新しい共有メモリの限界を試験

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

ピッツバーグスーパーコンピューターセンター(PSC)は、多くのデータ集約的なシステムおよびプロジェクトを抱えており、メモリの限界を計るために新しい秘訣をテストしている。

20130701-PSCより具体的には、I/Oおよびメモリーの可能な進歩を実現する技術を検証しテストすることに注目している。さらに、ハードウェアとソフトウェアの両方の技術について、既に実験してる。センターの科学主任である Michael Levine氏が我々に語ったところによると、メモリーリソースをプールに集める取り組みは、大いに興味深いとのことだ。

現在のマルチソケットを使う大規模なメモリサーバを使う方法と比べて、より直接メモリアドレスを扱う必要がある多くの研究プロジェクトが、PSCにはある。センターの科学主任であるMichael Levineは、「直接アドレスを扱える大規模なメモリに大規模なデータを置くことは時間を要するディスクI/Oを減らし、現在よりも生産的な計算パラダイムをもたらす」と述べている。

センターは、「ビッグ・データ」の問題に挑戦するための安定したシステムを既に持っている。PSCには、SGIのBlackightシステム(4096コア32テラバイト共有メモリ)、さらに、Cray (すなわち具体的にはYardCata事業部)のXMTに基づくSherlockグラフ解析アプライアンスを所有している。それに加えて、より小規模なクラスタ、SGI Altix SMPマシン Salk と、「Data Supercell」と呼ばれるより進んだデータマネージメントシステムがある。

PSCが最近発表したことによると、ノルウェーの企業NumascaleのNumaConnectインターコネクト技術について、PSCが興味を持っているとのことだ。そのハードウェアに基づいて、キャッシュコヒーレントな共有メモリが構築できる。

Levine氏によると、優れたディテールを定義できなかった試みは、小さな結果しかもたらさなかった。特にSGIとCrayのどちらも、データに注目する(data-focused)システムの実装について協力しているが、その同じ困難な目標への別の道として、数値的なアプローチが対照的である。

SGIは、NumaConnectとは異なる方法でメモリを扱おうとしているが、Levine氏によると、望むべくはアプリケーションについて妥当なコストパフォーマンスを報告できるだろう。

本質的には、Numascaleの技術は、利用者をクラスタから、HTXを使うPCIバス経由のハイパートランスポートを持つメモリー共有マシンへ転換させるだろう。Numascaleは、現在AMDのCPUを使うシステムに注目しているが、PSCを持つ物に限られるものの、Intelについても同様でだろう。Levine氏によると、SGIについてのAMDとIntelの魅力的な要素は、カスタマイゼーションの大きな可能性である。

Numascale’sの最高技術責任者かつ出資者であるEinar Rustad氏は、次のように述べている。「Numaconnectを持つシステム内の、巨大でスケーラブルなメモリ容量は、利用者にとってプログラミングと実行環境を親しみやすくします。」さらに彼らの取り組みについて、「明示的なメッセージ交換の必要をなくし、問題解決のための時間を節約します。」とのことだ。

PSCのようなメモリを重視する計算センターにとって、Numascaleの魅力の鍵は、メーカーのインターコネクトを使うことによって、どのようなメモリにも、さらにはメモリマップドI/Oにつながるデバイスにも、プログラムがアクセス可能になることだ

20130701-F1-numascaleNUMA技術は、まったくもって、新しい物ではない。しかし、Numascaleの技術は、レイテンシが小さいクラスタインターコネクトとしてもインターコネクトシステムと、より安価で、他のシステムでは価格的に不可能な規模へスケールアップ可能なことに、注力している。

Levine氏は、我々とのチャット中に次のように述べた。ハードウェアの外側にあるメモリにアドレスでアクセスするための、そのほかの技術を試みている。ScaleMPの試みは、どのように組み立てるか詳細に述べられていないにもかかわらず、メモリに関する問題をソフトウェアで解決するかハードウェアで解決するかという問題を提起した。さらに、すべての評価はアプリケーションに依存するとのことだ。