NERSC、インテルおよびクレイとエクサスケール準備プログラムを開始
Tiffany Trader

国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)はスーパーコンピューティングベンダーのインテル社とクレイ社と、2016年にNERSCで展開予定のCori、Cray XCスーパーコンピュータの準備を共同で行っている。
アメリカの生化学者であるGerty Coriを記念して名付けられたこの次世代スーパーコンピュータは、代表的なベンチマークセットで、NERSC-6「Hopper」システムの少なくとも10倍の実効性能を持ち、次世代のインテルXeon Phi Knights Landing (KNL)プロセッサを採用する予定だ。
エクサスケールシステムは今日の技術でも力ずくの技術で構築することはできるかもしれないが、現在のコードはこのようなシステムを最大限に活用する能力を欠いている。ポストペタスケール時代が進むにつれ、便利なアプリケーションを作ることは益々困難であり、そのため、ターゲットを絞ったプログラムが必要だ。
アプリケーション開発の重要な役割にもかかわらず、あまりにも頻繁に関心と資金の大部分がシステムに投入されている。NERSCエクサスケール•サイエンス•アプリケーション•プログラム(NESAP)は、DOEのサイエンス・コミュニティの非常に多様なワークロードを5,000人のユーザがCoriに移行移行する支援を継続することを確実にすることで、このギャップに対処するために設立された。
Coriシステムの検収を通して最後までスケジュールされており、NESAPはNERSC、CrayおよびIntelのリソースを使って20のアプリケーションチームをつなげている。チームは、プロトタイプのKnights Landingプロセッサハードウェア(2015年後半に予想されている)ばかりでなく、完全なCoriシステム(2016年中頃に出荷予定)への早期アクセスとかなりの時間を取得している。NESAPプログラムにはまた、ボードベースのユーザトレーニングと、CrayとIntelのスペシャリストによるアプリケーション・カーネルの深い解析が含まれている。
Cray XC環境に収納されるIntelのKnights Landingプロセッサはノードあたり60コアあり、各コアにおいて複数のハードウェアスレッドを持っている。このプロセッサはまた、いくつかの技術的先進性を取り入れている。自己ホスト型アーキテクチャの先進性は、コプロセッサにおけるデータのON/OFFの移動がないことを意味している。
「私達の幅広いユーザベースをエネルギー効率の高いアーキテクチャに移行する支援をするために、CrayとIntelとパートナーシップを組むNESAPの設立を非常に喜んでおります。」と、DOE科学部の主要なHPC施設であるNERSCのディレクター、Sudip Dosanjhは語っている。「私達は、エクサスケールコンピュータの中に、劇的に多い並列度とオンパッケージ・メモリと含む、Coriの多くの側面を見ることを期待しています。ユーザの反応は絶大です。かれらは、今日のスーパーコンピュータではできないような科学をCoriができるようにしてくれると考えています。」
20のNESAPチームは、この新しいアーキテクチャの様々な特長をいかにベストに活用するかに焦点をあてるだろう。アプリケーション開発者が直面する主要な課題は、メニーコアへの移行により可能となるさらなる並列性を利用する方法をもっと探すことである。システムがエクサスケールの印に近づくに連れて、すべての仕事はより難しくなってくる。NERSCとCrayはまた、Coriで動作するターゲット・アプリケーションをユーザが移行および最適化する支援を行うために、共同の中核的研究機関を設立している。
NERSCのHPCコンサルタントでNESAPのポスドクのリーダーであるHarvey WassermanがNESAPの目標を次のように説明する。「Coriが来たら直ぐにユーザがこの先進的なアーキテクチャの利益を享受し、DOEミッションのために草分け的な科学を産み出すことです。」
NERSCは次の基準に基づいて、コードの最適化プログラムの評価提案を行った。
- DOE科学部内のアプリケーションの計算利用
- 科学部の6事業所すべてを表現
- 科学的先進性を生成するアプリケーションの能力
- ライブラリ、アルゴリズム、カーネルまたはコミュニティ・コードを通じて、広くコミュニティに転嫁できるコード開発と最適化の能力
- アプリケーションチームから利用できるリソースはNERSC/ベンダーリソースとマッチ
選択された20個のアプリケーションリストはまもなくアナウンスされる。