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10月 21, 2022

【東北大学】世界で初めてスパコンでエンジンの摺動部摩耗と焼付き発生部位のシミュレーション予測に成功 -次世代の高性能エンジン開発への応用に期待-

HPCwire Japan

東北大学流体科学研究所の石本淳 教授と本田技研工業株式会社の研究グループは、エンジンピストンピン-コンロッド小端間の相変化を伴う狭あい潤滑油液膜流れに着目し、構造体の弾性変形と流路変化を考慮した混相流体-構造体連成解析手法を新たに開発し、厳しい負荷条件下におけるトライボロジー特性に関するシミュレーション予測法を開発した。その結果、摺動部における摩耗・焼付き発生部位のシミュレーション予測に成功するとともに、構成部品の特異な変形挙動が摩耗・焼付きの発生要因であることを発見した。

本研究手法は自動車用エンジンのみならず流体潤滑を用いた全ての摺動部品要素に適用可能であり、輸送機械・産業機械の損傷予測や構成要素の安全性指針策定に貢献する。本研究により,摩耗・耐久性試験時間や製造コストが削減され,機械接触を伴う全ての構成要素の最適設計が可能になる。


ソース:東北大学