オバマの2016年予算が研究開発とエクサスケールへの資金を増加
Tiffany Trader

先週月曜日、オバマ政権は10月1日から始まる新年度の2016年予算要求を議会に送った。行政管理予算局が用意した研究開発に関するチャプターでは、この政権が全ての連邦研究開発について現在のレベルから5.5パーセント増やした合計1,460億ドルの増強を明言している。
このような投資は、持続的な成長を促進し、雇用創出、食の安全、気候変動に対処するための科学および技術における米国のリーダーシップを維持し、国家の健康と安全を確保するために必要であると報告書は述べている。他のフォーカスポイントとしては、薬剤耐性菌の前に留まり、アルツハイマーや他の病気に対する治療を見つけ、新クリーンエネルギー技術を開発し、そして新しい高度な製造の機会を促進することが含まれている。
行政管理予算局は全米科学財団、エネルギー省科学部、および国立標準技術研究所を「3つの主要基礎研究機関」としている。これらの機関への合計予算は5.3パーセント、現在の施行されているレベルから7億ドル増やした138億ドルに設定されている。
これらの機関の中でも、DOE科学部の予算は特に大規模システムやエクサスケールにフォーカスしたプログラムで、HPCウォッチャーの最大の関心を引くだろう。科学部のディレクター代理のPatricia M. Dehmer博士が用意したプレゼンテーションの中で、科学部は予算部分について強調している。「世界中で単一の機関として運営される科学的ユーザ施設としては世界最大規模を運用する」この機関は、2015年からは約3億ドル、5.4パーセント増加の53億ドルを要求している。
この要求によれば、エクサスケール・コンピューティングは科学部にとって最優先事項であり、4つのDOE分野横断プロジェクト -高度科学計算研究(ASCR)、基礎エネルギー科学(BES)、生物環境研究(BER)、およびセーフガードとセキュリティ – に対するエクサスケール専用の資金は99,000ドル(2015年度)から208,624ドル(2016年度)に設定されている。
「高度計算に関する横断分野は、複雑な物理システムをより理解できるようにする高度計算技術の開発におけるSC、NNSA、およびエネルギー技術部の必要性に対応したものです。」とDehmerは述べている。「エクサスケールにおけるBES資金は計算材料科学に対する2016年度の要求です;BES資金は気候モデル開発と評価用です。」
4つの横断分野のうち、ASCRの役割は、科学技術の開拓分野を拡大するために国家の計算およびネットワーク能力を拡張する事だ。「これにはエクサスケール科学の未来をもたらすように設計される計算システムとアーキテクチャの開発を支援することが含まれています。」とこの機関は特に述べている。大統領はASCRプログラムに2016年度は14.8パーセント増の$620,994,000を求めている。
この資金は、「エクサスケール・ノードとエクサスケール・ハードウェアを設計・開発するためのHPCベンダーとの関わり、およびシステムレベルでのソフトウェア・コンピュータ・デザイン;ハードウェア・アーキテクチャとシステムソフトウェア、およびエネルギー効率の高いデータ集約型アプリケーションのためのプログラミング」を支援するように指示されている。
ASCRのロードマップの他の部分には、90パーセント以上の可用性での運用、国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)における10から40ペタフロップスのアップグレードの展開、およびオークリッジ・リーダーシップ施設(ORLF)とアルゴンヌ・リーダーシップ計算施設(ALCF)における75から200ペタフロップスのアップグレードへの継続準備を維持する任務が含まれている。
科学部はNERSC、OLCFおよびALCFにおけるEdison、Titan、Miraのアップグレード経路をそれぞれ、Cori、Summit、Auroraにレイアウトしている。CoriとSummitの詳細は先に公表されていたが、Auroraについて我々が聞くのはこれが初めてだ。SummitとAuroraが、DOEの国家核安全保障局(NNSA)と科学部用のリーダーシップ計算システムを共同で購入するためにオークリッジ、ローレンスリバモアおよびアルゴンヌ国立研究所で形成されているCORAL連携の重要な部分であることを思い出して欲しい。CORAL3人組の最後の部分はSierraで、安全保障と武器備蓄管理にとって不可欠な場所であるローレンスリバモアに設置される予定だ。(LLNLはNNSAのドメインに該当するので、科学部の予算とは表示されていない。)
下の表のとおり、ALCFで計画されているアップグレードは2018から2019年のタイムフレームで予定されている。150ペタフロップス以上の計画されている理論最大性能は、その先代である2012年1月に設置された10ペタフロップスのIBM Blue Gene/QであるMiraの少なくとも15倍の計算能力をAuroraにもたらす予定だ。
ASCRプログラムに割り当てられている資金はまた、次の取り組みにも向けられている。
SciDarパートナーシップを通した科学計算における進展の加速
復元された計算科学研究科フェローシップを通じて学生の新しいコホートへの資金提供
増大する複雑化の課題に対処する数学研究の実施;
同様に、HPCシステムとシミュレーションの生産性と完全性に対処し、データ管理、解析および可視化技術を支援するための計算科学研究