IBM、新LinuxサーバラインでHPCに回帰
John Russell

IBM(NYSE:IBM)におけるHPCおよびOpenPOWER事業の副社長であるSumit Guptaによると、IBMは同社のHPC市場への回帰を意味する製品を含む、Power8ベースのLinuxサーバ “Power LC (Linux Cluster)ライン”の新製品ラインを発表した、これらのサーバはクラウド・コンピューティング、データ解析およびHPCに狙いを定めたものであると発表された。
「これはHPC市場への我々の再参入となりますので重要なことです。これは最初のOpenPOWER HPCサーバとなり、過去Blue Geneシステムのような高度に最適化されたシステムを販売していたIBMにとって、非常に大きなシフトです。我々はCPUとアクセラレータを搭載した標準サーバのモデルにコミットしています。」と、Guptaは語っている。
以下は要約記事です。原文は次をご覧ください。http://www.hpcwire.com/2015/10/08/ibm-returns-to-hpc-with-new-linux-server-line-says-gupta/
このサーバはこれまでのIBM製品の次世代の製品ではなく、ビッグデータ、クラウドおよびHPC市場に向けた全く新しい製品であるとGuptaは語っている。
- この新しいPower System LCサーバはOpenPOWERファウンデーションのパートナー(Canonical、Mellanox、NVIDIA、Tyan、Wistron)と協力して開発された。
- IBMの内部試験によるこのLCサーバの性能は、平均的なApache Sparkの試験で、Intel E5-2699 V3プロセッサの約半分のコストであり、クライアントにおいてはドル当たり2.3倍の性能であった。また、同じラックスペースのIntelベースのサーバと比較した場合、94%も多くソーシャルメディアのワークロードを処理することができた。
- この製品は今年後半に販売開始され、以下の3つの構成のサーバとなる。
(1) S812LC: 1ソケットの2Uシステム、最大10コア、1TBメモリ、115GB/sメモリ帯域幅、最大14台のディスク、Linuxシステム。
(2) S822LC: 2ソケット2Uシステム、最大20コア、1TBメモリ、230GB/sメモリ帯域幅。
(3) S822LC+GPU:S822LCプラス2基のNVIDIA Tesla K80 GPU
- S822LCシステムは同様の構成でのx86ベースのE5-2699 V3マシンに比べて、コア当り2倍の性能、価格性能比で40%良く、メモリ帯域幅では2倍以上であるとしている。
- 問題点はどの程度OpenPOWERシステムが魅力的であり、他のベンダーはいつOpenPOWERシステムを出すのかである。
- IDCのAl Gillenの見解:
既存のx86市場に割り込んでいくのは非常に難しい。しかし、全く新しい、これから作られるアプリケーションにはまだチャンスがある。
重要な点は現在のフレームワーク上に構築される次世代のアプリケーションを目標にすることである。これらはOSへの依存性が少なく、x86アーキテクチャではないものを受け入れることが可能だ。
重要なのはフレームワークとアプリケーション環境をサポートして、適切なパートナーやエコシステム製品を持つことである。
- CORALについてのコメントをGuptaは避けたが、次のように語った。「彼らはその次について知っています。すでに、100以上のHPCアプリケーションがPOWERプラットフォームに移植され、最適化されています。現在おおよそ1900のアプリケーションがPower上のLinux用に存在するのです。」
- コグニティブ・コンピューティングについては、「基本的にコグニティブはデータそのもので、構造、非構造データであり、そして洞察を引き出し、アクションを通知するのです。正確にはPOWERシステムはこのために作られているのです。」
- 今回注目すべきなのだIBMが本格的にLinuxを採用したことである。疑問は特にサービスプロバイダーやクラウド・ソリューション・プロバイダーにおけるシェアを獲得できるかだ。
- 中国製のPower8サーバが登場してくるようだ。Racksoace社はOpenPOWERを支持し、OpenPOWERベースのサーバでOpenStackを駆動する‘Barreleye’を計画している。
- OpenPWOERは世界中に150のメンバーを持っている。