Ivy Bridgeは、Sandy Bridgeより最大1.5倍高速
Tiffany Trader

Xceleritのソリューションアーキテクトは、別の一連のベンチマークテストを実施し、この時、新しくリリースされたIntel Ivy Bridgeプロセッサと前世代のSandy Bridgeとの性能比較を行った。12コアのIvy Bridge(Xeon E5-2697 v2)チップに8コアのSandy Bridge(Xeon E5-2670)を対比して、財務アプリケーションのモンテカルロLIBOR(London Inter-Bank Offered Rate;ロンドン銀行間取引金利)スワップション・ポートフォリオ・プライサーを使用してテストされた。 その実装は、Xceleritツールキットによりソースコードにわずかな修正を加えただけでハードウェアアクセラレータ(GPUとマルチコア)から恩恵を受けることができる計算集約型アプリケーションを採用した。
Xceleritのブログが説明するように、Sandy BridgeとIvy Bridgeラインの最大の違いは、ダイのプロセスが32nmから22nmに縮小されたことにある。 生産工程の縮小は多くのトランジスタをチップ内に収容することを可能にし、より高いクロックレートを可能にする。 Ivy Bridgeの22nmの3次元実装技術が50%程度消費電力を下げることは注目に値する。しかし、その他の点において両者は非常に似た設計となっている。
テストアプリケーションは、定量金融の世界に由来する。 それは、LIBORスワップション(金融スワップ契約)のポートフォリオの価格設定に使用されるモンテカルロシミュレーションである。ブログでは、「LIBOR金利利率のための数千もの可能性のある将来の発展経路は、通常分布された乱数を使用してシミュレーションされます。」と説明している。それぞれの発展経路は、ひとつのモンテカルロ経路を表す。
その実験の設定は単純である。 Xceleritチームは、Sandy BridgeとIvy Bridgeベースのサーバの両方で同じモンテカルロアプリケーションを実行し、結果を比較する。 テストシステムでは、それぞれが2基のCPUを持つ以下のような仕様で構成されている:
CPU:2ソケット、Sandy-Bridge(Xeon E5-2670)または、Ivy-Bridge(Xeon E5-2697 v2)
- HT: Hyper-threadingオン
- OS: RedHat Enterprise Linux 6.4 (64bit)
- メモリ: 64GB
- コンパイラ: GCC 4.4
- Xcelerit SDK: version 2.2.2
総実行時間は、データ転送、乱数生成および縮退(アルゴリズムの一部)を含む、完全なアプリケーションの実行時間を入れて計算。
経路数 | Ivy-Bridge対Sandy-Bridgeの速度比 |
64K | 1.15X |
128K | 1.25X |
256K | 1.34X |
512K | 1.4X |
1,024K | 1.48X |
結果は、取られる全ての経路において、Ivy Bridgeはその前機種よりも優れていることを示している。線形的な手法では、経路の数値が高いほど、より高速化がなされ、経路の最大数では最大1.5倍高速化された。Xceleritチームは、この効果はチップあたり8コアから12コアへ増加していることによるものだと説明する。「金融モンテカルロアプリケーションにおける新しいIvy-Bridgeの利点をここでは明確に見ることができます。」