Nvidia、エッジデバイス向けクレジットカードサイズの21 TOPS Jetsonシステム

Doug Black

Nvidiaは、Jetson製品ラインへの新たな追加を開始している。同社によれば、クレジットカードサイズ（70x45mm）のフォームファクタで、最大21兆オペレーション/秒（TOPS）のスループットを実現する。

Jetson Xavier NXモジュールの消費電力はわずか10ワット、コストは399ドルで、小型ロボット、ドローン、工場物流および生産ライン用センサー、光学検査、ポータブル医療機器、その他の小型、低電力処理を必要とする産業用IoTシステムなどのエッジデバイスに組み込まれるように設計されている。

	Jetson Xavier NXモジュール

「AIは、産業を変革する現代のロボット工学および組み込みデバイスの実現技術となっています」とNvidiaのEdge ComputingのVP / GMであるDeepu Tallは述べた。「これらのデバイスの多くは、小さなフォームファクタと低消費電力に基づいており、AI機能の追加が制限されていました。Jetson Xavier NXにより、お客様とパートナーは、デバイスのサイズや消費電力を増加させることなく、AI機能を劇的に向上させることができます。」

Nvidiaによると、10Wの電力で、Jetson Xavier NXは最大14 TOPS、15Wで最大21 TOPSを供給する。 Autonomous MachinesのNvidia VPであるRob Csongorは11月のプレスブリーフィングにおいて、高出力のシステムは、以前に発表されたJetson Xavierの低音域での性能を、ナノフォームファクターで実現する、と述べた。「Xavierを使用して、非常に高いパフォーマンスが得られるように調整しましたが、非常にターゲットを絞った電力バジェット内です」とも彼は述べた。

Nvidiaによると、Jetson Xavier NXは複数のニューラルネットワークを並行して実行しながら、複数の高解像度センサーからのデータを同時に処理することができる。ハードウェアは、既存のJetson製品で使用されているCUDA-X AIソフトウェアアーキテクチャで実行され、Nvidiaが「最新の複雑なAIネットワークを実行でき、ディープラーニングとコンピュータービジョン、コンピューターグラフィックス、マルチメディアなどのライブラリーを高速化できる」というAIソフトウェアスタックであるNvidia のJetPackソフトウェア開発キットでサポートされている。

「Nvidiaの組み込みJetson製品は、ロッキードマーティンのプラットフォームでの組み込みAIソリューションの研究、開発、展開を加速しています」とロッキードマーティンの応用AIのディレクター兼チーフアーキテクトであるLee Ritholtzは述べている。「Jetson Xavier NXの卓越したパフォーマンス、小型フォームファクタ、低消費電力により、これまで以上にリアルタイムでより多くの処理を行うことができます。」

Nvidiaは、AI推論ワークロードのパフォーマンスを測定する5つのMLPerf Inference 0.5ベンチマークで最初に終了したことも発表した。Nvidiaによると、この結果は、データセンター向けの同社のTuring GPUとエッジ向けのJetson Xavierシステムオンチップの推論能力を実証しているという。 Jetson Xavier NXモジュールは、これらのベンチマークで使用されているXavier SoCの低電力バージョンを中心に構築されている。

Jetson Xavier NXの仕様には、384個のCUDAコアと48個のTensorコアを備えたNvidia Volta GPUが含まれている。 6コアのCarmel Arm 64ビットCPU。最大6つのCSIカメラ（仮想チャネル経由で36）。ギガビットイーサネットを使用した51.2GB /秒の8GB 128ビットLPDDR4xメモリ。およびUbuntuベースのLinuxオペレーティングシステム。

Jetson Xavier NXは、Jetson Nano、Jetson AGX XavierおよびJetson TX2シリーズを含むJetson製品ラインに加わる。同社によると、JetsonはTensorFlow、PyTorch、MxNet、Caffeなどの主要なAIフレームワークをサポートしている。Jetson Xavier NXは3月に利用可能になるが、Nvidiaによると、開発者は今から、Jetson AGX Xavier Developer KitとJetson Xavier NXをエミュレートするソフトウェアパッチの使用を開始することができる。

「日常的にAIチップが発表される世界では、Nvidiaが、小型で低電力での並外れたパフォーマンスと一貫性のある強力なソフトウェアアーキテクチャが、組み込みエッジコンピューティングで重要であることを示すJetson Xavier NXにおいて、その水準を引き上げたと信じています」とMoor Insights＆Strategyの社長兼主席アナリストであるPatrick Moorheadは述べた。

この記事はEnterpriseAIに掲載されたものです。