世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


10月 8, 2014

新Haswell、HPCシステムの口火を切る

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

新しく発売されたチップで、さらなるコア数、改善されたメモリバンド幅、そして性能において顕著な向上を手にしたら、あなたは何を得るだろうか?広くハングリーなベースのサーバーメーカーからのたくさんの発表は地獄だ。公正であるために、HPCのユーザコミュニティから多くの興奮がでている。

「ビッグボックス」のサーバメーカーから、サーバをアップグレードする流れが吹きまくることが予測されるが、広い範囲のHPCワークロードをターゲットする新Xeon E5-2600 v3シリーズのようなプロセッサファミリーにとっては、HPC指向のベンダーより特製オプションが数多くある。ハイパフォーマンスコンピューティングの大手システムベンダーからワークステーションのオタク達まで、HPCにはっきりと向けられたいくつかのバリエーションがある新「Haswell」チップの非常に待ち望まれた発売は、新しい製品の嵐を引き起こした。

新Haswellを披露するためにセットされたいくつかの選ばれたシステムを始める前に、多くのマシンが初期の影響を感じていることを述べる価値がある。Intelの初期顧客であるPawsey Supercomputing Centreもそのひとつだ。この「Magnus」システムは、名作Cray XC30の35,000コアを新E5-2600 v3にアップグレードすることでペタスケールの領域に入った。「Sisu」システムを所有するフィンランドのCSCは、新コアを備えた広範囲にわたるアップグレードを模索している。新Haswellの追加でシステムのサイズはほぼ4倍になり、直前のマシンの状態から5倍の性能を提供し、理論最大性能は1.7ペタフロップスとなってフィンランドの科学コンピューティング目標を強化している。

この両方の公開された新Xeonの初期出荷顧客は大規模Crayシステムだ。このスーパーコンピューティングベンダーは製品ラインにE5-2600 v3シリーズを発表した多くのHPCハードウェアパートナーのひとつである。Crayは新Haswellを空冷・水冷のCSおよびXCスーパーコンピュータファミリーに追加し、ニューオーリンズで開催される来るSC14において披露するいくつかの初期ユーザを現在持っている。

負けじとSGIもまたHPCシステムに新プロセッサを発表し、さらに12コア、2.6GHz(最大Turboで3.5GHz)のE5-2690 v3チップを使ったICE Xシステムで新HaswellのSPEC性能の世界記録を達成した。また、ロンドンのインペリアル・カレッジのICE Xマシンに新プロセッサを装備したアップグレード・ストーリーを指摘しており、そこではユーザは新Xeonの装着によって倍近い性能を達成したのだ。

Supermicroはハイパフォーマンスサーバにブロック構築による方法を提供している。この企業は新HaswellチップによるX10ラインを発表しており、最大18コア、DDR4で1.5TB制限で、Xeon Phi搭載可能な新1U/2U Ultra SuperServerを強調している。

「私どもの新しいX10 TwinPro、MicroBladeおよびFatTwinシステムと、さらにはチタニウムレベルの高効率パワーサプライを持った産業用の幅広いサーバ構築ブロックを合わせることで、今日のデータ駆動型ビジネスが直面する深刻な電源、面積およびコストの課題に対応するトータルソリューションをSupermicroは提供しています。」とSupermicroのCEO兼社長であるCharles Liangはリリースに先立ち、この企業のHPCワークロードを重視することについて述べている。

Penguin Computing を含む他のHPC指向ベンダーは、新しいHaswellで有効となった「Tundra」クラスタプラットフォームを設計したオープンコンピューティングプロジェクトを製品に追加している。SC13で発表されたTundraプラットフォームは、36個の「オープンユニット」に3台のノードを差し込むことができるOCP風のアプローチを活用して、108台のサーバを1台のラックに収容可能であり、これは従来の42Uラックに90ノード搭載可能ということだ。オリジナルのラックを使えば、シングルラックで40テラフロップスを提供でき、現在の性能をさらに増強したい場合には新Haswellと使ってさらに大きな選択肢がある。18コアを選択すれば最大推測でほぼ倍になるのだ。空想家のためにここにチャート残しておく。

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IceBreakerストレージであるArcticaと結合された高密度な設計はHPCとエンタープライズ環境を切り替え、PenguinのCEOであるTom Coullが言うように「コプロセッサや新ファブリックのような未来のエクサスケールHPCコンポーネントを収容するように設計しながら、現在の大規模HPC導入におけるTCPの優位性」を提供しているのだ。

NECはExpress5800シリーズにE5-3600 v3シリーズを搭載した2つのモデルを発表した。NECによると、新しい2ソケットのラックマウントサーバは高速DDR4メモリを装備し、「処理性能を先のモデルから最大40%向上させることができ、さらに12Gb/sのSAS RAIDコントローラとハードドライブによってI/O性能を強化している。」

新Haswellベースのマシンを出荷する準備が整ったサーバーメーカーのリストは非常に長い。特に注目すべきはAMAXで、最新のXeonプロセッサE5-2600 v3ファミリーをHPCおよびビッグデータの分野の広範囲の製品群に組込み、さらにはHPCにおいて慣れ親しんだ名前になりつつある小規模企業、シリコンメカニクス社やPinnacleサーバラインを持つアドバンスドクラスタリング社の製品にも提供している。

新しい打ち上げの周りにある性能向上を話すことを模索しているシステムベンダーばかりではない。例えばMellanoxは、彼らのInfiniBandおよびEthernet製品が新v3製品ファミリーに最適化されていることを確認しており、100Gb/sのバンド幅を持つ速度とエンド間で650nsのレンジのレイテンシ-を提供するとしている。

「Intelの新プラットフォームは100Gb/sおよびさらに高速なスピードをサポートしたインターコネクトで接続されることで、エンドユーザにさらに大きなアプリケーション性能を提供します。」とMellanox Technologies社の副社長であるGilad Shainerと述べている。「Mellanox EDR 100Gb/s InfiniBandと40/56Gb/s Ethernetインターコネクトのソリューションは、データセンターサーバとストレージのアップグレードによって、IT管理者が最大性能と投資対効果を達成できるようになります。」

性能、効率および全体的な現実世界のアプリケーションの本当の試験はIntelの最新Xeonファミリーを追加した初期顧客である多くのシステムによって、来るTOP500リストで証明されるだろう。