HPCのメリットを表す定量的経済モデル
Tiffany Trader

新しい研究が、大学の研究におけるローカルに利用可能なスーパーコンピュータの重要性を強調している。クレムソン大学の学際的な専門家のチームにより作成されたこのレポートは、TOP500レベルの計算能力を研究成果の技術的効率につなげる説得力のある証拠を提供している。
HPCの利用者はリーダーシップのコンピューティングが競争性、技術革新、およびその他の社会的利益の点で与えるメリットをよく知っているが、政策立案者は大規模な支出を正当化するための繰り返される保証を必要としている。クレムソンの研究の狙いは、HPCのメリットの仮定の背後に確固とした数値をおくことである。そのために、著者は広い分野においてHPCを「持っている」と「持っていない」を比較する定量的な経済でモデルを開発したのだ。
研究の設計によると、212の機関を「持っている」と – TOP500スーパーコンピュータを持つものだ – そして「持っていない」 – TOP500レベルの能力を持っていない – とに分類した。
技術的効率を評価するために、この研究では入力変数 – 学部の合計人数と入学する大学院学生の平均GREスコアでリストしている – と出力変数 – 学年間の総論文数と博士号取得者数 – に依存している。
コンピューティング・スクールの計算科学部門の責任者であるAmy Aponが率いる研究チームは、化学、土木工学、物理学および進化生物学の分野において、世界規模のスーパーコンピュータを持つ最大の効果を発見した。化学で「持っている」は「持っていない」に比べて倍の効率があり、土木工学においては、TOP500スーパーコンピュータは35パーセントの効率を提供していた。物理と進化生物学の場合もまたプラスの効果があったが、影響は少なかった。
スーパーコンピュータの効果は、すべての領域に及ぶわけではなく、研究成果は計算科学、経済または国語においては影響がなかった – また、クレムソンの仲間の話では、生物学においては、成果はまちまちであった。
「国家においては、ハイパフォーマンス・コンピューティング・システムが、いくつかの領域で効果をもたらすことは明白です。」とAponは述べている。「これはすべての領域で均一ではありません。しかし、それが重要な領域においては、多くの効果をもたらすのです。」
この研究の主任エコノミストであるPaul W. Wilsonは、政策立案者が科学や技術革新に限らずサイバーインフラに関する投資判断を行うための潜在的なツールとしてこれを見ている。
「ハイパフォーマンス・コンピューティングが研究成果に対してプラスの効果をもたらすことは多くの人は同意していますが、これまで、その関連性は仮定であり、定性的でした。」と彼は語った。「これはハイパフォーマンス・コンピューティングにおける投資を評価するモデルを作成する非常に重要な最初の一歩なのです。」
クレムソンの最高情報責任者で計算情報技術の副学長であるJim Bottumは、この成果に勇気づけられている。クレムソンはスーパーコンピューティングを「持っている」者のひとつであり、所有するPalmettoクラスタは最新11月のTOP500において米国内の公立大学が持っているスーパーコンピュータの中で6番目にランクされているのだ。
「私達の研究結果はHPCにおける定量的経済モデルの重要な最初の一歩を提供しています。」と著者は実証経済学の特別号に掲載された彼らの研究について記述された論文誌の中で述べている。