世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 1, 2015

米国立研究所、次世代スパコン開発で協調体制

HPCwire Japan

米国エネルギー省の3つの先端的国立研究所は、国家の科学コミュニティが彼らの研究を行うために最先端の計算システムへアクセスできるように保証することで、世界で最もチャレンジングな課題の解決に共に取り組んでいる。

ロスアラモス、ローレンスバークレー、およびサンディア国立研究所は、将来の先端的技術ハイパフォーマンス・コンピューティング・システムの設計、取得および展開にフォーカスするエクストリームスケールにおけるアプリケーション性能のための連合(APEX)を創設した。

長年にわたり、各研究所はそれぞれの科学的ミッションをサポートするために、別々に世界的最先端のスーパーコンピュータを展開してきた。共同で行うことで、国家的に重要な問題を解くためのより能力の高いシステムを提供する将来のスーパーコンピュータの設計を形作るために、ベンダーとより緊密に取り組むことを狙っている。

「アーキテクチャが我々をエクサスケール・システムにより近づけるように発展するにつれて、スーパーコンピューティングのコミュニティはエキサイティングでチャレンジングな時代に入ってきたのです。」とロスアラモスのハイパフォーマンス・コンピューティング事業部のリーダーであるGary Griderは語っている。「将来のスーパーコンピュータは単に非常に強力というだけでなく、現在の設計よりエネルギー効率が高く、耐故障性に優れている必要があるのです。APEXは国家のためにこれらの目標を成し遂げる重要な力なのです。」

APEXは、2台の新しい高度コンピューティングシステム、エクストリームスケールにおけるコンピューティングのためのニューメキシコ連合(ACES、ロスアラモスとサンディア国立研究所のパートナーシップ)の「Crossroads」、および2020年のタイムフレームにおけるバークレー研究所の国立エネルギー研究科学計算センター(NERSC)の「NERSC-9」と共に、将来のコンピューティング技術を開発する。

この2台の新計算プラットフォームは、米国エネルギー省/国家核安全保障管理局の高度シミュレーションおよび計算(ASC)プログラムおよびDOE科学部の高度科学計算研究(ASCR)プログラムのミッションのニーズに合致するために必要な高度な技術コンセプトの展開に付け加えて、増加するアプリケーションの性能と能力を提供することにフォーカスする。

このパートナーシップは、ASCプログラムとASCRプログラムが投資を活用し、まだ展開していないシステムの取得におけるコスト効率を増やすように一緒に取り組むようにするものだ。APEXはまた、
研究所が、増えたアプリケーション性能、増えたワークフローの効率、およびシステムの拡張された信頼性の領域においてCrossroadsとNERSC-9システムに相当な価値を提供しながら、ベンダーとの協調の領域を追求できるようにしている。

「APEXはアプリケーションにフォーカスしており、現在のスーパーコンピュータでは解決不可能な問題の解決ができるようにします。」とNERSCのディレクターでサンディアでエクストリームスケール・コンピューティングをリードし、2012年にNERSCのリーダーシップを引き受ける前はACESの共同ディレクターであったSudip Dosanjhは述べた。「同時に、我々はユーザがこれらの新システムを効率的に使えるようにしなければなりません。3研究所における実証済みの専門知識によって、私達はAPEXが科学と国家安全保障におけるDOEのミッションを促進する技術の開発と展開を行うことに自信を持っています。」

中心的で長期的な目標は、DOEの最も複雑な計算シミュレーションを可能にするために、システムと技術を設計することである。国家安全保障、クリーンエネルギー、材料科学、気候変動、および宇宙物理学のような分野において尋ねられる質問の複雑さは、より大規模なスーパーコンピュータが必要なミッションを推進するものである。APEXはまた、DOEエクサスケール・コンピューティング・イニシアティブ、同様に国家戦略コンピューティング・イニシアティブにより引かれたエクサスケールへの道に沿ったシステムを提供することに責任がある。

ACESおよびNERSCは、2台の似たシステムでどちらもCray XE6システムである、ロスアラモスの「Cielo」とNERSCの「Hopper」の調達と展開において、2010年に協調を開始した。

このパートナーシップは、結果的に2台のCray CX40システムを取得したTrinity/NERSC-8共同調達で定式化し強化された:ロスアラモスの「Trinity」およびNERSCの「Cori」である。APEX協調は2組織間におけるこの共有した履歴の構築を継続している。


ソース:ロスアラモス国立研究所