TotalのPangeaが業界最大のスーパーコンピュータに
John Russell

ハイパフォーマンス・コンピューティングの長年の著名な利用者であるエネルギーの巨人Totalは、業界で最大のスーパーコンピュータを所有していると、同社が伝えている。TotalのアップグレードされたSGI社のPangeaスーパーコンピュータは2.3ペタフロップスから6.7ペタフロップスにアップされ、26ペタバイトの拡張ストレージを有しており、Top500リスト(2015)のトップテンに入るのに十分である。
石油・ガス探査は、HPCリソースと内製開発のソフトウェアツールを重要な競争上の優位として看做す企業によって悪名が高く危険である。追加された計算能力はTotalの内部R&Dによって開発された次世代アルゴリズムの利用をサポートし、益々複雑な領域を画像化し、4D3地震データを取り入れてフィールドの数値シミュレーションを生成するように意図されている。
「私たちは僅か2年でPangeaの計算能力を3倍にしました。ビッグデータの時代においては、最先端のデータ集約型演算が競争上の優位となります。この能力は性能の改善とコストの削減に役に立つでしょう。」とTotal Exploration & Productionの社長のArnaud Breuillacは語っている。
PangeaのアップグレードされたSGI ICE Xの構成は次を含んでいる:
- 9.2テラバイトのストレージ追加
- Intel Xeon E5-2680 v3プロセッサ・ベースの4,608ノード(合計110,592コア)を追加
- 8Mセルで全体を構築された589テラバイトのメモリ
- 全体的な冷却要件を低下させ、全体的なエネルギー消費を削減させる組込型ホットアイル密閉を構築する、密閉型エアフロー・ループと温水冷却
- アップグレードされたシステムを4.5MWの電力で稼働させることができる電力管理システム
Totalは、主に探査と現場管理用に使われる意思決定支援ツールであるPangeaに、地下イメージングの精度の向上、Totalの現場の開発と生産の最適化、および研究時間の短縮化による時間の節約を期待していると述べている。
インストールではTotalとのSGIの長年の関係を継続している。昨年に調達したこの新システムは現在運用中であり、4.5MWの電力供給を必要としている。フランスのポーにあるTotalの建物はPangeaが放出する熱を再利用することで一部暖房されている。データ管理システムは、IntelのEnterprise版のLustreファイルシステムを使ったSGI InfiniteStorage 17000ディスクアレイと、SGI DMF階層ストレージ仮想化を含んでいる。