東大と筑波大、「京」を凌ぐ国内最速スパコンを導入へ
東京大学情報基盤センターと筑波大学計算科学研究センターが共同運営する、最先端共同 HPC 基盤施設(JCAHPC:Joint Center for Advanced High Performance Computing、施設長:中村宏)は、2016 年 12 月 1 日に稼動を開始する共同利用スーパーコンピュータシステムとして、米国 Intel Corporation による次期メニーコア型プロセッサKnights Landingを採用した超並列クラスタ型計算機 Oakforest-PACSの導入を決定したと発表した。

同システムのピーク性能は「京」の10ペタフロップスを超え、25ペタフロップスを予定しており、国内最速のスーパーコンピュータとなる予定だ。
最先端共同 HPC基盤施設は、東京大学および筑波大学により共同運営されると共に、2大学が共同してスーパーコンピュータの調達・運用を行う、国内初の試みである。同システムは東京大学柏キャンパス内の情報基盤センターに設置されるが、システムの調達・導入・運用および主な利用プログラム運用などのすべてを2大学が共同で実施する。
新規導入される Oakforest-PACSシステムは、米国Intel Corporation による超高性能 メニーコア型プロセッサである次世代インテル®Xeon PhiTMプロセッサ(開発コード名: Knights Landing)と、同社による新型の相互結合ネットワークあるインテル® Omni-Path アーキテクチャを搭載した計算ノードを、8,208 台搭載した超並列クラスタ型スーパーコンピュータであり、同プロセッサを搭載した大規模システムとしては国内初となる。システム製作は富士通株式会社が行い、同社が HPC 専用に開発する次期PRIMERGYサーバが計算ノードとして採用される。さらに 26 PByte の並列ファイル システム、940 TByte の高速ファイルキャッシュシステム等(共に米国DataDirect Networks社製)が設置され、総ピーク演算性能として「京」コンピュータの約 2.2 倍の超高性能システムとなる予定だ。
新システムのピーク性能は 25 PFLOPS 以上、メモリ容量 900 TByte 以上です。全ノード及び並列ファイルシステムのサーバはインテル® Omni-Path ネットワークを Fat Tree 結合した、フルバイセクションバンド幅を提供する相互結合網で結合され、計算 ノードおよび共有ファイルシステムを柔軟かつ高効率で利用可能。さらに、SSD を搭載した高速ファイルキャッシュシステムにより、特に高いファイル入出力性能を求めるアプリケーションにも対応する。
本システムは2016 年12月1日から稼動を開始し、数カ月の実験的運用と特別プログラムによる利用を経て、2017年4月より HPCI を始めとする各種共同利用・共同研究プログラムに供される予定である。