世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


7月 29, 2013

NVIDIA社がPGIを傘下に

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

ほんの少し前にNVIDIA社はHPC市場におけるFortranとCコンパイラツールの代役であるPortland Group International(PGI)を買収する旨のニュースを発表した。

PGI社は1989年に当時のフローティングポイントシステムズ社よりIPを買い取って独立した企業であり、FortranおよびCコンパイラとツールの初期の市場を切り開いてきた。インテルi860がHPCが起源であるベースをサポートするコアヘビーなチップに群がる初期の頃から、PGI社は基本的なアーキテクチャを超えて良く拡張し、近年では特にNVIDIA社の緊密なパートナーとなっていた。

ポートランドグループ社はHPC市場のニーズに特にフォーカスし続けており、より広いアーキテクチャセットのための信頼できるFortranを開く拡張であるHigh Performance Fortran(HPF)を産出するための機器的な役割も担ってきた。

また初期の段階からGPGPU技術の卓越した支持者でもある。NVIDIA社との共同でのCUDA Fortranの開発から、今ではさらに広いコミュニティに対するOpenACCの推進をみれば、如何にGPUの会社がかれらを最適であると見ていたか明解である。

NVIDIA社のTeslaユニットのゼネラルマネージャであるスミ・グプタ氏によれば、PGI社はGPUコンピューティングにおける戦略の不可欠な部分であり、特に、CUDA Fortran(NVIDIA社は自分たちのもののように使っている)によって明らかだし、最近ではOpenACCのサポートである。

興味深いことに、このニュースの前の短い会話の際に、グプタ氏はOpenACCがこの取引の輝かしい部分であると強調するとともに、これが重要な採択である一方、この領域におけるさらなる作業と努力がGPUの採用を拡大するためには必要であると言及した。

NVIDIA社は特にソフトウェア・エコシステムに投資している。開発者コミュニティを参加させないと技術は進歩しない、とグプタ氏は語る。NVIDIA社はGPUアクセラレーションへ入り易くするために、OpenACCが万能薬(少なくともXeon Phiのquick-portに対して)であると見ている。

GPUを回転させるための上位レベルのアプローチにおいては、2週間で2.5倍のスピードアップ(平均)か、または実際のコードを使った1日のハンズオンワークショップで同様の結果を得られるというのが典型だ、とグプタ氏は語る。さらに、OpenACCの問題は機能ではなく、単にメッセージの辺りにある・・・OpenACCが、オンボードという意味で悪い話に苦しむGPUの結果を導き出すための上位レベルのアプローチを使う高速でクリーンな方法であるいうことを言葉で出すこと、と彼は語った。

我々がグプタ氏にこの買収が独自のx86用ツールおよびコンパイラを持つインテルに与える競争的優位性について尋ねた。彼はこの買収における競争的な役割について控えめに扱っており、彼らのGPUのためのソフトウェア・エコシステムにおける長期的投資であると語った。

今の時点ですべての重要なソフトウェア的な角度(特にさらなる変化がある未来のプロセッサの意味で将来を見る場合)が“競争的”ではない段階で未来を無視するのは難しいが、NVIDIA社は今後も如何にGPUメッセージを配信するのか固めていくベースを構築していく。

Intersect360リサーチのシニアアナリストであるマイケル・フェルドマン氏によれば、「アクセラレータがメインストリームになるには、本当のチャレンジはこれらのデバイスが平均的なコーダーにとって快適にプログラムできることだ。そのためには、CUDAツールセットの上にコンパイラ技術が必要であるとNVIDIA社は悟ったのではないかと思う。これがPGI社がかれらに与えたもので、アクセラレータに適合する上位レベルのプログラミング・フレームワークであるCおよびFortranコンパイラだ。また、彼らの主なライバルであるインテルのように、NVIDIA社はこの技術を社内に欲しかった。」とコメントした。

フェルドマン氏は同様に、来年遅くにワークステーションとサーバのマーケットを揺るがし始めるプロジェクト デンバーにおけるARM-GPU戦略と共に、PGIの資産がNVIDIA社を助ける方法を指摘しつつ、競争的エコシステムを見ている。この場合、他のサーバビジネスの動きに応じて。ドロドロよりも金属の方が少ない。

記録によるとすべてのチップメーカーは。一般的データセンターレベルおよびHPCユーザの両方のためにソフトウェアスタックとツールを作るタスクを取ってきている。先週我々はインテルがXeonラインとそれ以降に対して新しい機能を継続する計画と、さらにNVIDIA社を含む他のメーカーが同様のターゲットを目標としいているとの説明を聞いた。

この買収に伴うOpenACCの重要視にも関わらず、NVIDIA社はCUDA Fortranのメンテナンスとアップデートはかれらの重要な戦略であると語った。さらに興味深いのは当面の間PGI社はほぼすべてにおいてそのままの状態を保つということだ。特にx86用のコンパイラとツールの商品ラインのサポートを継続するとのことだ・・・競争的脅威として用いられるまさしくそのツール類。

グプタ氏はそれは問題だと考えていない。そして、もう一度、CUDA FortranとOpenACCの角度が彼らの将来の成長のために意味する役割を強調する。言い換えると、この会話は将来のディレクティブ対短期的な利益についてである。そして彼らはとても、とても真剣にOpenACCを取っている。

PGI社はNVIDIA社の内部ユニットとして独立して運営され、NVIDIA社のGPUコンピューティングのゼネラルマネージャであるイアン・バック氏にレポートすることとなる。いつの日かx86製品が減少する日を想像できるかもしれないが、それは言い触らされている推測だ。