日本、スーパー高効率のAIスパコンを計画
Tiffany Trader

日本は2018年初頭までに130ペタフロップス(半精度)のスーパーコンピュータをABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure)と呼ばれる195億円のプロジェクトの一環とし導入する予定だ。経済産業省は、中国や韓国との競争が激化している国際市場において、日本の技術先導力を高めるためにこのプロジェクトを開始した。この話題を提供したロイター通信は、AIとビッグデータの問題において、日本がデジタル馬力の一部を協調的に利用するように外部委託すると報告している。
日本はこのシステムを3MW未満の電力と1.1以下のPUEで構築しようとしている。これにより、日本の現在のフラグシップ・スーパーコンピュータであるOakforest-PACSよりも高い効率となるだろう。この富士通/インテルのシステムは最新のTOP500リストで6位に位置し、13.55 ペタフロップス(ピークで24.9ペタフロップス)のLINPACK性能を誇り、2.72MWの電力を使用している。
ソース: AIST資料
ABCIの推進機関である産業技術総合研究所(AIST)は、環境温水冷却、大型リチウムイオン電池と高効率電源との組み合わせにより、この高度高効率を達成する計画だ。計算機アーキテクチャはコモディティ部品をベースとし、アクセラレータによるアプローチを採用する予定である。
このABCIスーパーコンピュータは東京大学の柏キャンパスに設置される予定で、動的デプロイメント、コンテナベースの仮想化プロビジョニング、マルチ・テナント・パーティショニング、および自動障害復旧機能を組み込んだクラウド基盤として運用される。アカデミックおよび商用R&Dの両方に利用される予定だ。
ロイター通信によると、Oakforest-PACSとポスト「京」システムのベンダーである富士通がABCIの入札に参加されると予測されているが、まだその意向は発表されていない。入札は12月8日まで行われる。
今後3年以内に各国が「プリ・エクサスケール」マシンと呼ばれるものに向けて進んでいるが、より大きな戦いはエクサスケールを自慢する権利だ。米国、中国、日本およびEUがこの金色の1,000倍FLOPSのポストを最初に越すことに向けて競っている。現在、米国は2023年までにエクサスケール・コンピューティング・プロジェクトの一環として、2台の「有能なエクサスケール・マシン」で突き進んでいる。中国は3台のエクサスケール・プロトタイプを構築しており、2020年までにエクサスケール・マシンを登場させるつもりだ。日本もまたフラグシップ2020プログラムの一環として、2020年のタイムラインで動いていたが、このARMベースのエクサスケール・スーパーコンピューティング・プロジェクトは半導体供給の問題により1,2年遅れることとなっている。
訳者注:
- 記事の中で入札という表現があるが、実際には資料招請の段階であり、12月8日は資料招請の締切に過ぎない。手続き的には今後、意見招請があり、その後入札となる。
- 資料招請では130ペタフロップスとうたっているがこれは半精度16bitの性能でも構わないとなっている。倍精度(64bit)性能は33ペタフロップスとなっている。