世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


11月 19, 2013

SC13:今年のTop500のスーパーコンピュータリストの結果

HPCwire Japan

今年のTop500のリストを今朝皆さんは期待されていたと思います。今年のシステムの結果速報を提供します。昨年の6月のリストと比較した場合、その多くは驚くべきことはありませんでした。TOP10以下のシステムを見ても動きは少しです。その中にあって、プロセッサ、相互接続、アクセルおよびその他の面にいくつかの注目すべきトレンドがありました。そこについて見てみましょう。

Top500List201311

トップ10の中で今年の唯一の驚きは、Piz Daintで、今、欧州で最も強力なシステムのタイトルを保持しているスイスのルガノにあるスイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)に設置されたCray XC30システムだ。Piz Daintは、Linpackベンチマークで6.27Pflopsを達成した。Piz Daintはまた、2.33MWの合計消費で2.7GFLOPS/Wを実現したTOP10で最もエネルギー効率の優れたシステムである。

上記の表でも、そして完全な結果のページでも見られるように、中国国立防衛技術大学のTianhe-2(天河2号)は、33.86Petaflops(1秒あたりの1千兆回の計算)の性能を持つ世界No.1システムとしての地位を維持した。エネルギー省(DOE)オークリッジ国立研究所の部門に設置されたCray XK7システム、Titanは、No.2システムに留まる。これは、Linpackベンチマークで17.59Petaflopsを達成した。Titanは、8.21 MWの合計消費で、2.143GFLOPS/Wを実現し、リスト上で最もエネルギー効率の高いシステムのひとつである。

DOEのローレンス·リバモア国立研究所に設置されたIBM BlueGene / Qシステム、Sequoiaは、再びNo.3システムとなった。これは、2011年に最初に出荷され、Linpackベンチマークで17.17Petaflopsを達成した。日本の神戸にある理研の先端計算科学研究機構(AICS)に設置された富士通のKコンピュータは、Linpackベンチマークで10.51PetaflopsとNo.4の座を安定保持している。

DOEのアルゴンヌ国立研究所に設置されたBlueGene/Qシステム、Miraは、Linpackベンチマークで8.59PetaflopsのNo.5である。

TOP10の締めくくりは、No.7に転落したテキサス州オースティンにあるテキサス大学の高度コンピューティングセンターのStampede;ドイツのForschungszentrum州Juelichに設置され、JUQEENと呼ばれるBlueGene/Qシステムが、No.8;No.9は、ローレンス·リバモア国立研究所の別のIBM BlueGene/Qシステム、Vulcan;そしてNo.10は、ドイツのLeibniz Rechenzentrumに設置され、欧州で3番目のシステム、SuperMUCである。

リスト上の全500システムを合計した性能は、250Petaflops。合計性能の半分は、リスト上位の17システムで達成され、残りの半分の合計性能は、483システム間で分けられている。

November 2013 TOP500リストから他のハイライトは次の通りである:

 すべての中で、リスト上のPetaflopsを超える性能を31システムが持ち、2013年6月のリストと比較して5台の増加がある。

 No.1システムの天河-2とNo.7システムのStampedeは、彼らの計算速度を向上させるためにIntel Xeon Phiコプロセッサを使用している。No.2システムのTitanとNo.6システムのPiz Daintは、計算を加速するためにNVIDIAのGPUを使用している。

 リスト上の合計53システムは、2013年6月から変わらずアクセラレータ/コプロセッサ技術を使用している。38システムがNVIDIAチップを使用し、2システムがATI Radeonを使用し、そしてIntel MIC技術(Xeon Phi)の13システムが存在する。

 Intelは、TOP500システムの最大のシェア(82.4パーセント)に向けたプロセッサを提供し続けている。

 システムの94%は、6個以上のコアを持つプロセッサを使用し、75%が8個以上のコアを持つプロセッサを使用している。

 中国に設置されたシステムの数は、前リストの65と比較して、63と現在安定している。中国は、HPCのユーザーとしてNo.2の座に駐留し、米国の後ろ、しかし日本、英国、フランス、ドイツの前である。天河-2によって、中国は今年、日本を抜かし性能シェアでNo.2の座を得た。

 最新リストの最後のシステムは、前回のTOP500内363番目の位置に記載されていた。

地理的観察

 米国では、500システム中265(253前回)で、明らかにHPCシステムの大手消費者である。欧州のシェア(前回112に比べて102システム)は、依然アジアのシェア(前回118から115システムに低下)よりも低くなっている。

 アジアでの支配的な国は、63システム(65から減少)の中国と28システム(30から減少)の日本である。

 欧州、イギリス、フランス、ドイツは、それぞれ23、22、そして20と殆ど等しい。