世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


12月 3, 2013

サウサンプトン大学、新しいスーパーコンピュータを歓迎

HPCwire Japan

Tiffany Trader

サウサンプトン大学は、第四世代のスーパーコンピュータ、Iridis4を稼働させた。£320万の価値のこのHPCクラスターは、イングランドで最も強力な学術系スーパーコンピュータであり、英国で三番目に大きい大学ベースのシステムである。

Iridis4は、強力なシミュレータだ。サウサンプトン大学のスーパーコンピューティング施設の主なHPC資源のひとつとして、Iridis4は標準的なPCよりも大幅に大きい計算能力を必要とする研究生やスタッフに提供している。

システムは、工学、考古学、医学、コンピュータ科学など多様な分野での人類に直接影響を与える広い範囲の問題のために使用されている。運用の最初の年で、スーパーコンピュータは、350のプロジェクトに貢献することが期待されている。

Iridis4は、HPCインテグレータのOCF Plcとの提携の中でIBMインテリジェントクラスターソリューションによって設計され、構築された。前任者のIridis3より4倍強力な第4世代のHPCクラスターは、12,200個のIntel Xeon E5-2670プロセッサコア、24台のIntel Xeon Phiコプロセッサ、ペタバイトのディスク空間、および50テラバイトのメモリがInfiniBandネットワークによって接続されている。Iridis4は、各チップにTeraflopsのパワーを加えるIntel Xeon Phiコプロセッサを採用する英国で最初のマシンのひとつである。

システムの発表を強調するこの短いビデオで、流体力学と流体騒音の教授、Richard D Sandbergは、HPCとIridis4は乱流研究をどのように進めているのかを説明する。教授は、航空機エンジンのファンブレード、エアフレームや風力タービンのフラップのような空中翼によって発生するノイズの発生源を研究するためにハイパフォーマンスコンピューティングを採用している。

「乱流を理解することははなはだ困難です。」とSandberg博士は、報告する。「私たちは、大きな構造と小さな構造とこれらのすべての長さスケールと時間スケールの広い範囲をシミュレーションによって捉える必要がありあります。そのためには、その問題を解決するために大型コンピュータを必要とします。私たちは、標準的なデスクトップコンピュータ上でこれを行うことができませんでした。私たちは本当に、どんな種類の関連問題に取り組むためにスーパーコンピューティングを必要とします。」

計算モデリング、エンジニアリングと環境のヘッドであるHans Fangohr教授は、この仕事の洗練された性質を可視化するひとつの方法は、実行しているある特定のジョブを識別することであると説明する。彼は、問題を解決するために384プロセッサを使用して、ひとつを突き止めた – それはひとつの処理ジョブも384台の単一のデスクトップマシンを持っていることと同じ事だと教授は指摘する。同じジョブを単一のマシン上で実行すると、終了するまでに2年7カ月かかるだろう。「これは基本的にタイムマシンです。」とFangohr教授は新しいスーパーコンピュータに言及して言う。

ステントの研究は、Iridis4ための別の本質的なケーススタディである。冠動脈ステントは、冒された動脈の壁を開いたままにする円筒形メッシュデバイスである。これは、壁を再び開かせるために動脈の内側に小さなバルーンを膨らませることが求められる繊細なプロセスである。時折ステントが動脈壁に適切に整列していないと、stent malappositionと呼ばれる問題が起きる。Neil Bressloff教授(工学)、Nick Curzen(医学)、そして博士過程大学院生のGeorgios Ragkousisは、合併症を減少させ、成果を向上させるために、この複雑な問題に関する多くのシミュレーションを新しいスーパーコンピュータを使用し、実行している。