7月 30, 2019
【京コンピュータ】肺がんの増殖に関わる新規長鎖ノンコーディングRNAを発見
愛知県がんセンター分子診断トランスレーショナルリサーチ分野の梶野泰祐主任研究員と高橋隆総長らの研究グループは、名古屋大学(島村徹平教授)、東京大学医科学研究所(宮野悟教授)らとの共同研究により、肺がん細胞の増殖に極めて重要な、タンパク質に翻訳されないRNA(ノンコーディングRNA)を発見した。肺がん細胞の生存や増殖には、キナーゼや転写因子などのタンパク質による制御が重要と考えられている。一方、ヒトゲノムには数万種類もの比較的長い長鎖ノンコーディングRNAが存在することが分かってきたものの、その機能の詳細はほとんど未解明なままであった。肺がんでMYCの異常が報じられてから30数年経つが、この研究チームの発見は、スーパーコンピュータ「京」を用いて肺がんの腫瘍組織における遺伝子の発現情報を解析し、代表的ながん遺伝子のMYCの発現制御を通じて肺がん細胞の増殖を維持する長鎖ノンコーディングRNA(MYMLRと命名)を発見したもの。
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ソース:日本医療研究開発機構