世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


7月 11, 2013

解説:Microsoft、再編成でHPCを回避か

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

本日、Microsoftは、企業戦略およびいくつかの重要なテーマに関わる異なる部門およびクラスタの緩やかな統合を行う抜本的な再編案を発表した。

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おそらく既に多くの人が察する通り、同社はクラウドが広い意味でのエンタープライズ・テクニカル・コンピューティングのための最適な環境であることを主張し、Windows Server、ソフトウェアサービス、もしくはAzureのいずれにおいてもハイパフォーマンス・コンピューティングに関する彼らの関心を示してはいない。

一方、驚きに値しないが、Microsoftはこの6月のTop500リストにたった3システムだけではあるがHPCサーバが残っていたし(ISC ’12での4システムから少々減少したが)、ISCでも存在感を放っていたが、彼らはHadoopとビッグデータに関して多くの話をしているだけで、HPCに関する方向性の質問については敬遠すらしていた。

インターネット上での書き込みでは、数年前、彼らのHPCの革新が起きた処でもあったテクニカル·コンピューティング・グループを組織した際に、その部門をクラウド担当とする事は難しくなかった。具体的には、Azureグループにその能力を向けるということであった。そして、おそらく彼らにとってクラウドは、HPCの”P”がパフォーマンスであることを知っている人のためものではないように思えたに違いない。

Microsoftは家電製品や機器に投資をし続けているが、それが企業や研究のためのハイエンドのデータ処理となると、Azureへと誘導している。同社は、幾台かのインフィニバンド対応マシンを遊ばせている事実を高らかに宣伝しているが、それがHPC的なモノであることについては沈黙を保っている。

そして、もしそれが旧来のHPCな人々を引き寄せることを期待できるクラウドだとした場合、他の製品から彼らを離れさせるために誘導を行わなくてはならない。PenguinやCycle Computing等が提供する純粋なHPCオンデマンドサービスの外側には、Amazonという巨像がHPCクラウドの中に存在している。そのサービスは、EC2のHPCインスタンス・タイプを介して、いくつかの実験的なGPUと10GbEを含むHPCの需要を勝ち取っている・・・しかもマイクロソフトにとっていかなる手法も初めてではない筈であるが・・・彼らの信頼できる古いブランドにユーザを誘導するためにする仕事をしているようだ。

この兆候は、HPCの目標から離れるためにゆっくりとした転換を行う別の会社のようにも見える・・・少なくとも直接的あるいはプライオリティの感覚で。これらの延長線上で、今週、AMDともHPC市場におけるAPUプロセッサの先行きの見通しについて話をしたが、それは狭くニッチだと言っていた・・・彼らは、かつての隠遁的な製品を持ったより、常に大きなユーザを獲得したいという事だろう。

これは、MicrosoftとAMDは、以前の強いHPCの根源を捨てていると言うには余りにも遠く手の届かないところにあるかもしれない・・・ただし、双方の言語としては、この傾向は消費者と”エンタープライズ”( “ビッグデータ”以来、技術用語を浸透させるため過剰に使われている最も一般的かつ曖昧な用語)の傘の元(保護)感覚に向いている

勿論、このことは何も新しいことではないが、彼らは大企業(大規模研究と対比して)の世界のために、良く見えるように本質的にHPC向けの製品やサービスが何であるかをドレスアップすることに滴るようにゆっくりと向かう傾向がある。時々ほとんどHPCにメッセージを送ることと関係がなかったものの・・・この夏のISCで、ほぼすべてのベンダーが言っていた”ビッグデータ”について語るべきであるということ・・・それは、そのような「不明瞭な」技術をビジネスの最前線へもたらすために明瞭な方法であるかのようである。また、あるいは、少なくとも、それはあたかもひとつの思想であるかのごとく。

しかし、Microsoftは、実際にその組織再編の発表の席で、そのような研究コミュニティーの存在を仄めかすことは無かった。そして、これは指摘に値するものだ。

スティーブ・バルマーは、公表された内部メモで、今日言わなければならなかったものは、SonyやVerizonが使ったかも知れない言葉のようにも聞こえた。「消費者」および「デバイス」、「Xbox」のような用語までもが「研究」どころかより曖昧な「研究開発」に対して強調された。言いかえれば、Microsoftは、そのゲーミング、OSおよびデバイス製品を備えた継続的なマーケットを通じて一般消費市場でのその権利を主張しているが、一方、エンタープライズ・コンピューティングの新しい世代をも模索している。

ここでチラッと取るメモ・・・それは曖昧で、冗長な、全ての事が混沌としていて、作家がちょうど全くわからないんですが、言いたいことがたくさんがあるような、ことと同じような手法である。(我々は、すべてそれをやった…)。

我々は、チャットによってMicrosoftからHPCに興味を持つ誰かを見つけることに取り組んでいるが、しかし、ちょうど今、その誰かは全てクラウドに関係している。一旦、組織再編騒ぎが収まれば、私たちは明確にフォローアップすることになるだろう。