世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


1月 21, 2014

オハイオスーパーコンピュータセンター、AweSimオンラインスパコン・マーケットを始動

HPCwire Japan

Tiffany Trader

Ohio Supercomputer Center (OSC)は、より多くの民間企業を対象としたHPCモデリングおよびシミュレーションツールの普及を目的とした新たなスーパーコンピューティング・イニシアチブの展開を始めた。 SC13も、AweSimと呼ばれる新しいプログラムの公式プラットフォームを提供している。AweSimの支援者は「それはWebベースのアプリケーションストア、サポートインフラそしてアプリ開発ツールから構成される革新的なマーケットプレース です。」と述べている。

これらの動きは、HPCを産業界、特にこれまでこれらの技術に手が届かなかった中小企業に手軽に使ってもらえるようにしようというものだ。

Ohio Technology Consortiumの共用基盤部門のディレクターであるKevin Wohlever氏 は、シミュレーション主導設計の「具体的なメリット」について次の書いている

「シミュレーション主導設計により、速くしかも安価なコンピュータシミュレーションにより試作品作成を置き換え、 品質を改善し、コストを削減しながら、市場に製品を投入する時間を短くすることができます。残念な事に小規模メーカーの多くは、ハードウェア、ソフトウェアやスタッフ・トレーニングに投資する余裕がないので、この競争上の優位性を取り逃してしまっています。私達のプログラムにより、すべてが一変します。」

640万ドルの官民イニシアチブの資金はオハイオ州のThird Frontier Commissionを通じて資金を供給される。プロジェクトパートナーであるProcter & Gamble、Intel、AltaSim Technologies、TotalSim USA、Kinetic VisionそしてNimbis Servicesからのマッチングファンドの形態での追加投資もある。

AweSimは、OSCとNimbis Servicesが運営する商用のHPCクラウドサービスであるBlue Collar Computing (BCC) イニシアチブをルーツにしている。アプリケーションや開発ツールは、OSCによって提供され、しっかりとサービスに統合されている。他のパートナーは、サービスメニューに独自のアプリケーションを追加することができ、コンサルティングはアドオンサービスとして利用できるようになっている。

AweSimは立ち上ったばかりだが、OSCは産業界へのHPCアウトリーチについては先駆者である。AweSimのディレクターであるAlan Chalker氏が説明するように、産業界へのHPCリソースの提供という話は、当時のオハイオ州知事であったRichard Celeste氏の行った1987年の州施政方針演説まで遡る。それは以下のように記されている。

「産業を誘致し保持し続けるためには、我々は可能な最も洗練され、高度なコンピュータ技術を持っている必要があります。オハイオ州立大学の評議会は、スーパーコンピュータを購入するためにコンソーシアムを組織しました。私は私たちの大学と産業界を結びつけるようなスーパーコンピュータの調達資金の確保を推奨します。それにより基礎的科学研究を行い且つ産業界の実際の設計上の課題や製造上の問題の解決を計るために研究者に必要不可欠なツールを与えることができます。」

1987年のサービス提供以来今年で丁度25周年を迎えたOSCは、割り当て計算時間数が数桁のオーダーで増加してきたものの、この間実質的にHPCを提供してきた。前年度は、OSCは民間20数社に約1200万CPU時間を時間当たり数ペニーで提供した。

この記事の詳細については、Digital Manufacturing Reportの特集記事を参照されたい。