世界のスーパーコンピュータとそれを動かす人々


7月 15, 2014

Cray、次世代の成長の先を見る

HPCwire Japan

Nicole Hemsoth

インテルのキー製品、将来の他のXeon製品の中でも特に新しいKnight’s Landingチップの今後のリリースもあって、スーパーコンピューティングシステムの販売面でこの先の年がどのようになるのか言うのは難しい。数年前まではエコシステムがもう少し多様であったかもしれないが、主要なアーキテクチャが移行するのに先立ってダウンタイムになると、強大なチップメーカーは列車を運転し始めた。一方、他の車たちはマシンにギアを入れるまでは動きそうにない。

先に我々が述べたように、この待機ゲームは、BULLを含むHPCをケータリングするいくつかのシステムベンダーに適用されている。大きな政府系スーパーコンピューティングやオイル・ガス企業のような大規模商用HPCの調達は現在の世代のシステムでは少々現象しているかもしれないが、Crayも今後ブームが来ることを期待しているように、スーパーコンピューティングの館の先の向こうから聞こえてくる。

システムベンダーや大規模センターは同様に新しい選択肢の殺到を待っているようだが、いくつかは既に将来のインテル製品を装備した新マシンを発表している。NERSCのCoriスーパーコンピュータものそのひとつだ。このシステムは新世代のKnight’s Landingカードを特色とし、オンパッケージのメモリを装備している。このCray製のマシンはこの線上にある新しい調達の波の中で我々が予測している多くのもののひとつだろう、とCrayのCEOであるPete UngaroがISCにおいて我々に語った。

Ungaroを快適にしているのは、過去にビジネスの90%以上を占めていた大規模スーパーコンピュータに現在のビジネスが乗っていないことだ。CrayはHPCにおける揺るぎのないルーツを持つスーパーコンピュータ企業ではまだあるが、HPCをやっているとは決して呼ばれない市場(アプリケーションが決定的である場合には、そうではないかもしれないが。)におけるエンタープライズユーザのデータ駆動に対する要求の方に過去を追いやる前例のない機会を見ている、と彼は語った。過去2年間、彼らはストレージのプロファイルを強化してきており、「ビッグデータ」製品を追加し、グラフ解析アプライアンスを含め、エンタープライズにおけるワークロードの領域を広げるためにシステムの能力を多様化させている。

昨年のISCにおいて彼はCrayのビジネスのおおよそ10%が民間になると言っていたが、今年はほぼ20%にんると予測しており、スーパーコンピューティング用の特殊プロセッサ(例えばKnight’s Landing)の製品が遅れなどの障害に引き込まれないようにしながら、エンタープライズに向けた新しい展開でギャップを埋める能力をさらに持たせている。

実際には、より広範囲のビジネスにおける多くのユーザは、バニラ商用システムから必要なものは得ておらず、複数の創造的システムエンジニアリングでデータと計算パワーにおいて彼らの仕事を可能にするようなオプションを探索している、とUngaroは言う。彼らがHPCのパンとバタービジネスにフォーカスするのに加えて、来年の目標を、彼らのストレージを使ったビッグデータやグラフ・アプライアンス製品ライン、さらに取り分けOpenStackファウンデーションのサポートを通した2、3の鍵となる動きを介した「オープン性」に向けた努力としている。

彼はCrayの第一四半期の結果が必ずしも彼が説明した成長を反映していないことを理解している一方で、今年中に調達と製品の両方において、大きなアナウンスがあると我々に近づいて気を付けるように言ったのだ。そのうえ、CrayはHPCのシステムビジネスにいる他の企業と同様に、大きな調達や他の資金調達が原因で結果が変わるので、現在我々が見ているように四半期単位で判断されるべきではない。結局のところ、主要な調達サイクルは、現在購入可能なものよりもっと計算ができて、効率的でI/Oが確約されたものを待つように予定を変更することはない。これは納得ができる一方で、新しいIntel HPC製品の公式な出荷開始日程はないが、我々は恐らく2015年遅くかもしくは2016年になるだろうと認識している。

最新の数字がそれを反映していないとしても、Crayは強力なエンジニアリング、インターコネクトおよびソフトウェア・エコシステムとしての企業の位置付けを確固として持っており、顧客ベースは多様している。そしてもちろん、大規模スーパーコンピューティングレベルにいる誰もが新しいことである「sparklier」を待って周りに座っているのだ。Intelからの次の大物を待つ必要のないユーザは大勢いる。例えばISCでは、Crayは5千4百万ドルの契約を公表し、韓国気象庁に対しSonexionストレージで接続される2台の次世代「Cascade」Cary XCシステムを納入すると発表した。主要な気象予報センターのほとんどは、ペアでシステムを購入する。両方とも運用がミッションクリティカルな特性であるためだが、同様に気象モデルを追加するために他のアプリケーションの試験実行にも利用される。昨年のCray CEOのPete UngaroとECMWFのIsabella Wegerの議論を思い出すかもしれない。もうひとつの主要な気象モデルとCascadeシステムで予測されるユーザの話だ。

彼らは今年大規模なシステムを販売した。遺伝子シーケンシングと生命科学研究のための香港のサナトリウム病院向けのXC30だ。さらに、北ドイツスーパーコンピューティング連合のCray階層型適応ストレージ(TAS)採用で証明されたストレージの面で堅実は商売を見てきた。さらに、ストレージ面での堅実な成長を見ているのに加えて、LustreをTASに組み込む最近のニュースによって、彼らが知っているHPCエンジニアリングによるビッグデータストレージと管理を見ているようだ。

球上の新センターに向けた世界的規模の拡大というUngaroの声明に明かりを灯すように、Coriシステムの他にもアジアのスーパーコンピューティングの仕事もある。これらがいつオープンするのか不明ではあるが、ヨーロッパとアジアは新しい目標だ。すでに気象と研究センターにおける主要なインストールが位置づけられている。(および、議論することができない民間での運用のような。)

言い換えると、Crayなどが来年のISCにおいてスーパーコンピューティングおよび新しい彼らの多くの周りにある大きな調達のニュースをもつだろう。そして、また面白くなってくるのだ。2016年中旬まで、もしくは2016年中の望みは、プロセッサのいくつかのオプションが広がり、新しい競合(もっと興味深く多様化すると読める)となるエコシステムが登場することだ。OpenPowerは確約されている。ARMも確約されている。AMDはおそらく・・・何かする。IBMとのパートナーシップを持つNVIDIAとCUDAとそのアクセラレータに関する継続的成長は力であり続けるだろう。誰もが最もたる新しいおもちゃを待っている訳ではないので、エコシステムは「保留」とはならない。しかし、暫くの間は調達において静かであるだろう。昨年のSCのように。